－：ジャスタウェイ(牡5､栗東･須貝尚厩舎)のドバイ優勝、おめでとうございます！今の心境はいかがですか?

大和屋暁オーナー：どエライことになったなという心境です。

－：中山記念まで良い競馬をしてきて、良い勝負になるだろう、という意見も多かったとは思うんですけど、さすがに海外での競馬。それでいて、あれだけの勝ち方だったので、周囲の期待や想像を上回る走りだったと思います。

大：おっしゃる通り。レース前は目の前の事しか考えていなかったのですが、レースが終わってから状況が激変しました。これからどうする？こうするべきだ！ということを色んな人が言ってくるようになったんです。やれトレヴと走れ、やれイギリスだ。やれ香港だ。勿論フランスだよね？とか。場所だけじゃなく距離もね。マイルに行くべきだ。距離は延びても大丈夫だとか……。本当にあのレースで周囲の注目度が一変した。それほど強かったですからね。

－：昨秋から毎回驚かされるし、驚かされた以上の走りをやってきている訳ですからね。

大：毎回ビックリしています。

－：勝った後、ラチ沿いで(アニメ「銀魂」のキャラクターグッズの)ジャスタウェイを振る姿が映し出されていました。レースはラチ沿いで見られていたのですか？

大：パドックから本馬場に入るところなんですよ。そのレースの関係者しかパドックには入れないようになっていたので、とても見やすかったです。馬主席の真下に丸いパドックがあって、そこから本馬場へと繋がる道がゴール板の近くまで続いていて。馬主席に戻ると戻ってこられなくなるからそこで見る方が良い、という指示があったので、そこで観ていました。

－：レース前に勝てるかどうかという勝算というか、見込みはどう感じていましたか？

大：それは勝つつもりで行ってますからね。いつものように口に出して言っていました。

－：(前回のインタビューから)目標は口に出して言うことが大事なんですよね。

大：須貝先生には、「(運が)落ちるから、あんまり軽々しく言うな」って怒られましたけど。でも、こちらはそういう方針でやってきたので言うしかないでしょう(笑)。それで結果が出てるわけですから。

「ドバイ遠征の時の流れはハーツクライの時と似ていたんですよね。仕事の流れが」

－：その前の中山記念もメンバーが揃った中で、あれだけの脚を見せていましたが、去年の秋はまだまだ半信半疑の人もいたと思うんですよ。

大：中山記念の時も強かったですよね。それに先行出来たというのが大きいですよね。横山典騎手が上手に乗ってくださいました。

－：乗り替わりでしたからね。ちょっとアクシデントじゃないですが、そんな経緯もありましたね。

大：雨も降ってたしね。あの時もなんとなくですが、流れが来ているのかなと思ってはいたんです。「中山は不向きだ」とか、「雨が降ったらダメだ」と言われて、2番人気だったじゃないですか。逆にこういう時は来るんじゃないかと勝手に思っていたんですけどね。

－：ある意味、アクシデントが続いた天皇賞の前にちょっと近いかなと？

大：まあ天皇賞の時は出られるか出られないかがメインテーマでしたし、決して人気ではなかったのであれですけど……。まあ、それでいうとドバイ遠征の時の流れはハーツクライの時と似ていたんですよね。仕事の流れが。

－：仕事の流れですか？

大：ええ、3月に入って、急に「大和屋さん、仕事しますか？」と今年の戦隊(烈車戦隊トッキュウジャー)の脚本執筆を依頼してもらったんです。ハーツクライが遠征した年も同じようなタイミングで戦隊(轟轟戦隊ボウケンジャー)の仕事をいただきました。オファーの電話の時に「実は月末に競馬でドバイへ行くんです」と言ったら、「そうですか、じゃあそれまでに二本あげてください」って、話してる方は別な方なんですが、どちらも同じやり取りをして……。設定なんかがまったくわからない状況から三週間で二本決定稿って結構ハードなスケジュールなんですけど、これは8年前のデジャブ、いい流れだという意味で二つ返事でやらせていただきました。

－：なるほど、流れが来てるということですね。お父さんのハーツクライ(社台レースホースの一口馬主であった)と、ジャスタウェイの両方のオーナーであった訳ですが、ハーツクライの時の心境との違いはありますか？

大：やっぱり、あの時は(クラブの)40分の1だったから、40分の1の責任というか。ツアーに申し込んで気軽についていっただけというか。今回は個人馬主として行っている訳だから、重さが違いますよね。まあ、何ができるかというと応援と観光と宴会くらいしかないんですけどね。

---