今週の3歳戦は重賞が無く、メインはダート、芝短距離のオープン特別。だが重要性としては、重賞にも匹敵するレースが500万クラスにある。それが阪神の土曜日に行われるアザレア賞だが、まずはいつものようにデビュー馬情報から。

POGでも人気になったカデナダムール(牝3、栗東・矢作厩舎)は、土曜日阪神の牝馬限定未勝利芝1800m戦でデビュー。曾祖母に歴史的名牝ミエスクがおり、全兄がリアルスティール(ドバイターフ)、ラングレー(6勝)、プロディガルサン(東京新聞杯2着)という良血だ。
「フットワークがいいし、稽古もやれば時計が出る。さすが良血馬という感じで能力は高い」と岡助手。秋に入厩してゲート試験合格後は再放牧。その後の良化が遅く3月に入ってようやく再入厩となったが、入厩後すぐの坂路で53秒0-12秒5の時計を馬ナリでマーク。1週前も坂路で53秒3-12秒1(一杯)の好時計を出している。既走馬相手でも好勝負できそうな雰囲気だ。

中山では、ラディアンスウェイ(牡3、美浦・堀厩舎)が土曜日の未勝利芝2000m戦を予定。1週前のウッドでは5F70秒、終い13秒前半の時計をマークし、併せたサトノクラウンに遅れ。時計はイマイチだが、大阪杯有力馬の胸を借りているあたりに厩舎の高い期待が見える。

ここからは既走馬。
最初にも書いたが、今週の要注目レースとなるのが土曜日阪神の500万アザレア賞だ。

アドミラブル

目玉は、前走の未勝利戦で久々ながら快勝したアドミラブル(牡3、栗東・音無厩舎)だ。この時の勝ち時計は、阪神芝1800mで1分45秒8。これは、今年のアルアインも含め歴代の毎日杯の勝ち時計を超えるスーパータイム。つまり後のダービー馬のキズナやディープスカイ、更に震災で阪神開催となったスプリングSのオルフェーヴルの勝ち時計も凌ぐものだ。
母系にフサイチコンコルド、リンカーン、アンライバルド、ヴィクトリーとGⅠ級の馬が並び、POGでも大人気になった馬。ここを楽に通過すれば、ダービーも視野に入ってくる大物候補だ。

対するアドマイヤロブソン(牡3、栗東・友道厩舎)も、新馬戦こそ不利で敗れたが、2戦目は良血素質馬スイーズドリームスを捻じ伏せ、好タイムで快勝。全兄は昨年の今頃に3連勝したアドマイヤダイオウ。この馬も兄に匹敵する力を持っている。

いずれも末は重賞も狙える逸材で、500万で戦わせるには勿体ない。このレースは青葉賞や京都新聞杯、そしてダービーにも繋がる可能性があるので、絶対に見逃さないでほしい。

カデナダムールと同じ土曜日阪神の牝馬限定未勝利戦芝1800mには、デビュー戦2着のディメンシオン(牝3、栗東・藤原英厩舎)が出走。「前走は経験馬相手のデビュー戦。勝った馬は強かったが、それでも力のあるところを見せた。牝馬同士ならチャンス」と田代助手。2着に敗れたものの、勝ち馬は上でも楽に通用する良血スイーズドリームス。これを相手にコンマ1秒差はデビュー戦を考えると大健闘だ。今回は勝機濃厚と言える。

同じレースには、新馬戦2着以来のハートクレスト(牝3、栗東・鈴木孝厩舎)も予定。かなりハイレベルな一戦となりそうで、未勝利戦の中でも特に注目していただきたい。

同日阪神の500万ダート1800m戦は、GⅠ馬を母に持つエジステンツァ(牡3、栗東・藤岡健厩舎)。芝では苦戦したが、ダートで一変。2戦前の初ダートで3着し、前走は見事な逃げ切り。2着とは半馬身差だが、3着には9馬身もの大差をつけている。うまくマイペースに持ち込めれば2連勝も見えてくる。

中山では、土曜日の500万ダート1200m戦に出走のアメイズミー(牡3、美浦・栗田博厩舎)。デビュー当初は芝だったが、5戦目でダート戦に初めて出走し2着すると、その後もダートへ。次戦で勝ち上がり、500万に上がっても4、4着と好勝負している。早熟性の強い一族だけに、さっさと2勝目をあげたいところ。

日曜日の中山は、未勝利芝1600m戦で、レッドアーサー(牡3、美浦・戸田厩舎)が初勝利を目指す。「能力は高い馬だと思うが、距離はあまり保たないのかもしれない。鞍上の進言もあり、マイルに短縮してみる」と戸田師。1600mのデビュー戦は期待馬サトノマックスを相手に2着。この内容から前走の1800m戦は1番人気に推されたが、好位から伸びきれず4着に終わった。そこで初戦の1600mに戻すことで、今度こそと陣営も力が入る。

アルミレーナ

同日の500万下芝1600戦は、ここを勝ってNHKマイルCに歩を進めたい組(恐らく抽選だが)が出走。アルミレーナ(牝3、美浦・国枝厩舎)は初戦を惜しくも2着と落としたが、2戦目は完勝。エルフィンSから桜花賞路線を歩みたかったが、後方で何もしないまま終わってしまった。デビュー2戦の内容から能力はあんなものではなく、巻き返しの可能性はある。

同レース予定のサレンティーナ(牡3、美浦・萩原厩舎)は、オープンのジュニアCで4着。500万の黄梅賞は、勝ったと思ったところをハローユニコーンに差され悔しい2着だった。平場戦に回ってきた以上、今度は堅実に勝ちたい。