【競馬ラボ提供】ラジオニッポン1422kHz 競馬実況中継 水上学ヒット連発! TCK大井競馬場 競馬ラボ賞


競馬ラボをご覧の皆様、こんにちは。増沢末夫です。
今回は思い出のフェブラリーSを振り返ると同時に、私なりに2010年の見解を示したいと思います。G1に格上げされてからも様々な名勝負が繰り広げられていますが、最も印象に残っているのはまだG2だった1996年のフェブラリーSを勝ったホクトベガです。
この日は朝から雪が降っていました。レースが近づくにつれて激しさを増し、すでにコースは薄暗く、照明が灯っていたのを記憶しています。スタートしてから中団を進み、3コーナーを過ぎてから一気に加速。この馬に乗るときのノリ(横山典騎手)は早めの勝負をかけると決め打ちしていたので、直線先頭に立ってからはもちろん独走態勢。私がモットーにしていた騎乗スタイルとピッタリで、自分が乗った姿も思い浮かべてみたものです。身上であるスピードで後続をぶっ放し、追いすがるアイオーユーにはおかまいなしの大楽勝。牝馬で斤量57キロを背負ってあの勝ちっぷりですからね。後にも先にも、フェブラリーSであんなパフォーマンスを演じた馬は記憶にありません。このレースを転機に、ダートで不動の地位を築くのも当然のことです。
フェブラリーSを勝った後、船橋(ダイオライト記念)に招待されると、その後も高崎(群馬記念)、大井(帝王賞)、川崎(エンプレス杯)、盛岡(南部杯)と、ありとあらゆる競馬場で力走しました。厳しいローテーションを駆けめぐり、待っている地元ファンの期待を一度として裏切らなかったという事実。私が主戦を務めたかつてのハイセイコーのわかりやすい強さに似ている気がしました。まさにダートの女傑と呼ぶに相応しい名馬でした。
それでは第27回の見解にいきます。
実績面で一歩リードしているのが、エスポワールシチーとサクセスブロッケンの2頭。とりわけエスポワールシチーはJCダートがとても強い内容です。当時の阪神ダートは、先行した馬が止まりやすい馬場状態にも関わらず、猛烈なスピードで逃げて後続のスタミナを奪い大楽勝。マンマークで追走したサクセスブロッケンは4着に踏み止まりましたが、他の先行馬は惨敗ですからね。もうひとつ、この馬を強調できる要因は佐藤哲三騎手との信頼関係です。例を挙げるなら同じシチーの馬、タップダンスシチーとのコンビを彷彿させるものがあります。とにかく“ここ一本”というローテにも好感が持て、並みの状態で出走してくればG1連勝の可能性は高いでしょう。
一方のサクセスブロッケンは、大井の東京大賞典でヴァーミリアンを下し、1勝2敗と負け越しているエスポワールシチーに再度挑戦状を叩きつけた格好。このレースを振り返ると、まだ折り合いを欠くところがあったので、距離が短くなるのと、ペースが速くなるのはプラス材料です。昨年覇者でコース適性は証明済み。直線の長い東京コース、ディフェンディングチャンピオンの意地を見せる可能性も大です。また、藤原英厩舎は“ここぞの仕上げ”ができる数少ない厩舎のひとつです。
さて、この2強に待ったをかけるとすれば一体どの馬なのでしょうか?
まずはグロリアスノアでしょう。前走の根岸Sでも馬体はできていましたし、調教でどうかなと思えたトモの推進力も、返し馬では気になりませんでした。陣営がそれこそ一丸となって仕上げた結果ではないでしょうか。馬体が少し減っていたのが気がかりですが、それこそ強行ローテこそが矢作厩舎の真骨頂。前走のデキを維持するだけの技術があり、得意の東京で一泡吹かせる可能性は十分です。
さらに今年の話題は、芝から参戦してくるスーパーホーネット、リーチザクラウン、ローレルゲレイロ、レッドスパーダの砂適性です。果たしてこの中に現代のホクトベガは存在するのでしょうか?この中で私が注目しているのはリーチザクラウンです。ダービー2着という絶対的能力の高さ。結果が出なかったもののジャパンカップ、有馬記念で好タイム決着を演出した天性のスピードがあるからです。大跳びでいながら掻きこむが深く、このフットワークはあのクロフネに似ています。血統的にも、母の父シアトルスルーがアメリカ三冠馬。ダートは滅法走る可能性を残しています。
最後に2010年のフェブラリーSを総括してみましょう。
ここ数年のダート界は、カネヒキリ、ヴァーミリアンの現8歳世代が活躍してきました。しかし、サクセスブロッケンが勝った昨年の同レース、エスポワールシチーが制したJCダートを転機に世代交代が確実に進んでいます。今後この2頭がダート界を引っ張っていくのか、それとも新たなダートの王者が出てくるのか。いずれにしても今年のフェブラリーSは必見です。増沢末夫の希望として、勝者は間違いなくドバイワールドカップでウオッカ、そして世界の名馬と対決してもらいたい。それこそが、その地で星となったホクトベガへの餞になることでしょう。
| 開催場 | 天気 | 芝 | ダ |
| 新潟 | 晴 | 良 | 稍 |
| 東京 | 晴 | 良 | 良 |
| 京都 | 晴 | 良 | 良 |