

いよいよ今週は、真冬の砂の祭典、GIフェブラリーS。
春のGIシーズンを待たずして、栗東トレセンは、フェブラリーSに出走する各陣営や取材陣たちがひしめき合い、大一番を前にして早くも活気と熱気に満ち溢れています。
今年のフェブラリーSは、2009年JRA最優秀ダートホース エスポワールシチー、昨年レコード勝ちのサクセスブロッケンなどダートの猛者たちの激突に加え、GI2勝馬ローレルゲレイロ、ダービー2着馬リーチザクラウンなど超強力な初ダート組の参戦もあり、見応え十分の大激戦が繰り広げられることでしょう。
今年頂点に君臨するのは、ダートの猛者か、それとも超強力な初ダート組なのか。
“大激戦の行方を読み解くカギは、『情報のるつぼ』栗東トレセンにあり!”
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一戦を画す強力なネットワークを築いている。そんな当人が、フェブラリーS週の栗東トレセンを密着取材。
競馬サークルに精通した敏腕ホースマンならではの、臨場感あふれるみずみずしいタッチのリポートをお届けします。
今年最初のJRAのGI競走『フェブラリーS』であります。 今回はダート巧者に限らず、新たな勢力として、芝の実績馬が多数の参戦。 入り乱れてのダートGIレース。最優秀ダート馬のエスポワールシチーがどう受けて立つのか、実に見所が一杯でありましょう。 そんな栗東所属馬を少しでもこの眼で見たいものと思っての水曜の朝、ごく限られた馬しか見られなかったかも知れませんが、自分の仕事である武豊Jの調教サポートで、リーチザクラウンの調教は一部始終を見ておりました。 そこを重点に報告させていただきます。では…。
| 6:48 | 調教スタンドで暖をとっていた武豊Jが、小さいスタンドの方へと歩いてくる。そう、シェイク・モハメド殿下の新馬ノトーリアスの追い切りである。跨ってCW入り口へと向かう。あっと言う間に周りは馬だらけ。その中にサクセスブロッケンもいる。藤原英勢では、他にも岩田Jが乗るグランクロワの姿も確認できる。 |
| 6:55 | CWにサクセスブロッケンが出てくる。直ぐ後ろに安田隆厩舎の併せ馬、ノトーリアス等も続く。しかし、サクセスブロッケンはキャンターで少し行って歩を止めた。どうやら坂路追いの様だ。 ノトーリアスたちが追い切りを開始。 淡々と進んでいるが、4コーナー手前で前を行く角居勢の追い切りの一番内へと合流。直線では5頭がビッシリと並んだ。 一番内のノトーリアス、互角にゴールに入ったが、同じ様にそのまま角居勢と同じく、もっと奥まで行く。武豊Jと馬が引き上げてくるまで時間があるから、サクセスブロッケンの坂路追いを見るために2階に上がり、モニター画面に釘付けとなった。(この間に、目の前をドリームジャーニーが、CWを池添Jを背にいい動きで通過した。そして先程の藤原英勢グランクロワを岩田Jが追い切るのを見ていた・・) |
| 7:05 |
ドンドンと坂路のゴールを通過する馬。やはり今日も馬場はけっこう速そうだ。一番前で藤原英師が画面を食い入る様に見ているのが後ろ見える。そろそろ、サクセスブロッケンが登場する頃だ。そして松田Jを背に坂路を駆け登ってきた。一番後ろにいる加減で画面まで遠くてどれだけの手応えなのか確認までは出来ないが、楽でもなく、凄く一杯でもない様に見えた。 そして武豊Jが馬を下りてスタンドへ歩き出したのに合流する。 ノトーリアスの感想は『走るね!』である。安田隆師も来て談笑する。ゲートもまずまずらしい。 ジョッキーの感触は良く、どうやらいいデビュー戦になりそうだ。スタンドで別れて、自分は坂路へ本来の仕事へと急いだ。 |
| 7:35 |
目の前を小牧Jを背にしたオウケンサクラが好時計で上がって行く。音無師もごきげんである。土曜のクイーンCでの抽選で出走待ちの様だ。 矢作師にスーパーホーネットの調教状況を聞いてみた。すると、CWで78秒台での追い切りだったそうだ。 そばで取材している日刊紙記者たちに『夏BTCのダートで追い切った時の動きの良さから、ダート戦には使いたい気持ちを持っていた』と説明。 そしてブエナビスタが106秒(CWのマイル)で追い切ったとも記者に聞いた。残念、この2頭が見られなかった・・。 |
| 8:15 |
坂路で1回めのハローが入って、馬場の整備も終わり再開。 いきなりニホンピロコナユキが、50.5の強烈タイムで通過。 そして、グロリアスノアがCWで追い切るのを、双眼鏡で矢作師同様に上から見守った。上がり重点の追い切りに見えた・・。 そして、スタンドへ武豊Jを迎えるため、坂路を後にした。 |
| 8:50 | 武豊Jと坂路の一番上の調教助手たちの控え室でスタンバイ。 ちょうどテレビで女子のスピードスケートの2回目の真っ最中で、吉井小百合選手が残り1組で3位のところで、リーチザクラウンが登場。小屋を出て武豊Jと一緒に角馬場へと降りて行った。 気が付くとすぐそばにローズキングダムがいた。途中でスーニも合流して、同じ方向へと向かった。十分に角馬場で体をほぐしてから馬場へと向かう。 こちらも所定の場所について見守る。 テンシノダンスとの併せ馬である。入りはユックリで前に相手を置いていたが、直線に入って残り2ハロンあたりから離し始める。 最後は4馬身ぐらい水が開いた様に遠めからも見えた。終いはそんなに手一杯ではなく、流し気味のリーチザクラウンと見た。 |
| 9:30 | 角馬場でサンライズマックスが武豊Jを待っている。その角馬場内に見かけた馬がいた。ファリダットでありラナンキュラスである。 ファリダットは特にいい感じの馬体で、青木助手を背にゆっくりと厩務員さんに引かれて廻っている。 その後、しばらくしてリーチザクラウンから降りて橋口師に感触の報告をしてからサンライズマックスに跨って、ふたたび馬場へと降りて行った。 私は今度は監視小屋へ再びお邪魔する。エスポワールシチーが追うのを見たいがためでもある。 |
| 9:45 |
馬場内の角馬場で体をほぐしているサンライズマックスを双眼鏡で見つめたり、あちこちを見廻すが、エスポワールシチーをまだ発見出来ない。 CWのハローがけが終了して、角馬場を出てぼちぼち馬場に入って行った。 すると、ゼッケン2番を発見。トンネルに入るところを見つけた。『ローレルゲレイロがいい動きだ』と声が聞こえたのでモニター画面を見たが、既にゴールを過ぎてしまっていた。 『仕方がない、エスポワールシチーを優先しよう』と気持ちを切り替える。 そして9時48分、エスポワールシチーが佐藤哲Jを背に最終追い切りを開始。 CWで6ハロンから追った動きを最後まで見た。上がり重点での調整の様だ。『悪くはない動きだったな・・と納得』。そしてサンライズマックスの追い切りも終わった。最後までしっかりと追っているのが見えた。 |
| 10:10 |
本日の調教メニューを終了。坂路を引きあげてスタンドへと戻る。まだ武豊Jはテレビの取材などが残っているようだ。 私もスタンド2階で仕事をする。まだまだ調教は続いており、取材陣も調教師も忙しい時間ではあるがひと時よりはマシな時間帯である。 |
| 11:00 | 調教を終えて、武豊Jをカチドキ門へと運ぶ。 明日の木曜は、園田でのゴールデン・ジョッキー・カップでの騎乗馬について報告をしておく。 どうやら今回も抽選であまり運のある馬に当たってはいないようだ。『気をつけて・・・』と締めくくって、17日の朝を終えた…。 |
◇坂路で池江寿師にお会いしたので、『ドリームジャーニーの動きがなかなか良かったですね』と声をかける。
ゴールを過ぎてもかなり奥まで追う調教をしていると言う。本来はDW(今はない)の5F追いをしたいのだが、無いのでこの調整法にと師は言う。
角居勢もゴール(正式な)を過ぎても3頭とも一杯に追う姿勢を緩めない。
CWで追うと、馬場の入り口から逆算しても距離が短いのは歴然。だから各厩舎が当然、工夫している。
グリーンチャンネルでの映像がゴールまででなく、もっと一番最後まで追いかけてくれるとリアルに判っていいのだが・・。
とにもかくにも今年の最初のGIレース、フェブラリーSの調教の大半は、何とか見れたかと思う。
そして京都記念の主軸、ドリームジャーニーは見ることが出来た。
残念ながらブエナビスタをこの眼で見ることは出来なかったが、あれもこれもは無理な話。
ジックリとグリーンチャンネルを鑑賞しよう。
| ドリームジャーニー | CW | 一杯 | 68.7〜53.8〜39.8〜11.8 ※池添Jが騎乗 |
| マジェスティバイオ | P | 一杯 | 0.4秒遅れ |
| グランクロワ | P | 一杯 | 89.8〜71.5〜55.3〜40.2〜11.4 ※藤原英厩舎の併せ馬。グランクロワは岩田J騎乗。 |
| メイショウコブシ | CW | 一杯 | 0.8秒遅れ |
| ノトーリアス | CW | 一杯 | 84.5〜66.8〜51.4〜38.0〜12.8 ※安田隆厩舎の併せ馬。ノトーリアスには武豊J騎乗。 |
| オメガキングコング | CW | 一杯 | 70.2〜54.9〜40.4〜13.3 0.3秒遅れ |
| ロケットダイヴ | CW | 一杯 | 69.1〜54.4〜39.9〜13.0 先着 |
| ハリウッドスター | CW | 一杯 | 70.5〜55.2〜40.7〜13.4 0.4秒遅れ 角居厩舎の3頭併せ。この一番内にノトーリアスがくっついてきた。 |
| スーパーホーネット | CW | 一杯 | 78.0〜64.4〜51.9〜39.0〜12.9 |
| テンザンモビール | CW | 一杯 | 1.9秒遅れ 矢作厩舎の併せ馬。スーパーには小林慎Jが騎乗して先着した様子 |
| ブエナビスタ | CW | 一杯 | 83.1〜68.3〜54.0〜39.5〜12.3 |
| グロリアスノア | CW | 一杯 | 83.0〜67.6〜52.9〜38.7〜12.3 |
| タイセイレジェンド | CW | 一杯 | 頭差 矢作厩舎の併せ馬。グロリアスには小林慎Jが騎乗して先着した様子 |
| エスポワールシチー | CW | 一杯 | 82.4〜65.8〜51.1〜37.5〜11.6 ※鞍上は佐藤哲J。 |
| サンライズマックス | CW | 一杯 | 84.6〜68.4〜53.7〜39.6〜12.5 武豊Jが2週連続で騎乗。そして今朝も最後はビシッと追っていた・・。 |
随分早くから時計を出していたこの馬である。だから調整に抜かりはないと見ていい。やり残している事はないと思っていい仕上げだ。後はローレルゲレイロの出方だけであり、このフェブラリーSの結末を左右する大きな軸馬であろう。体調と動きに関しては文句がないものと思える。去年以上にパワーアップしていると思ってもいいだろう。これに展開や流れが加わってどんなレースになるのか。ここからは各人の思い、考えで結果がいくつもの答えが出てくるものだろう。
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