【天皇賞(春)】藤原英師、打倒・ゴールドに秘策「自在性を意識した」

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28日(日)に行われる天皇賞(春)(G1)に出走予定のトーセンラー(牡5、栗東・藤原英厩舎)を管理する藤原英昭調教師の一問一答は以下の通り(24日(水)、最終追い切り後)。

-:おはようございます。前走の京都記念、2年ぶりの勝利でしたけれど、スローペースの中を見事な差し切り。振り返ってみていかがだったでしょうか。

藤原英昭調教師:血統もありますし、産まれた時から期待されていた馬なので、何とかというところで。ちょっと成長待ちなところもあったのですが、さすがに3歳のクラシックについては色んな出来事があって力を発揮できなかったのですが“成長したらこれくらい走れるだとうな”というところで、期待を持って使って見事に勝利してくれたので。こちらも嬉しいですよね。

-:成長という話がありましたが、デビュー時に比べますとプラス22キロという体だったんですけれど、大きくなって良かったという点はあるのでしょうか。

藤:それが成長でしょうね。さすがに3歳の時は430キロ前後でしたからね。やはり上と戦うには450、460、もっと470くらいほしいなという気がずっとあったので。そういう意味でプラス20ちょっというのは成長分でいい傾向だと思いますけれど。

-:その京都記念から中9週、およそ2ヶ月空いていますけれど、ここまでの雰囲気はどんな感じで来ているのでしょうか。

藤:京都記念でどう路線を考えていくのか、どう上位と戦って行くのかという判断をするレースだったので、そこを見事勝ったということで、ある程度、ここを勝ったら天皇賞一本というのは決めていましたから。そういう意味では調整も順調でしたしね。予想どおり、予定どおり来てますね。

-:調整のほうは先週CWで一杯に追って、今日は雨の中CWに入って、先週を上回る時計で最後ビュンと伸びてきましたけれど、どんな感想でしょう。

藤:やはり長いスパンでここに合わせてますから。3週連続で武ジョッキーにも乗ってもらってますしね。3週前、2週前、1週前と除々に調子を上げて、今週、本当にいい状態でパフォーマンスをできるかという仕上げの部分で走らせたんですけど、やはり予想どおりいい動きはしてくれましたね。

-:そうなりますと、いい状態で“いざ天皇賞へ”ということになりますが、京都の長距離戦は一昨年に菊花賞でオルフェーヴルの3着という実績もあります。今回どんな走りを期待されていますか。

藤:当然強い馬がいますけれど、こちらもそれを目指して来ていますからね。そして一回、3000mを走っているというのは、ましてあの時はオルフェーヴル徹底マークでしたから。負けはしましたけどスタミナも十分ありますし、あの当時でそれですから、今だったらもっと期待を持てるのではないかなと。京都コースの下りを利用するというのは、この馬にとって一番アドバンテージがとれたり、理想的な形で勝利できるイメージがあるので、ここは結構狙ってきましたけれど。

-:思わず先生の頬も緩むくらい調子のほうもいいと思うのですけれども、4歳から外国馬を含め11歳まで幅広い年齢層の馬が揃っています。メンバー構成についてはどんな感想をお持ちですか。

藤:レッドカドーも強いですし、やはりそれ以上にゴールドシップ、これはさすがに強いとしか言いようがない競馬ばかりしていますからね。最大のライバルというか、どこまで近づけるかという意識はしていますけれどね。

-:トーセンラーにとりまして、京都の芝はデビュー戦勝ち、重賞初制覇きさらぎ賞、復活Vの京都記念と3勝、非常にいいパフォーマンスを見せているように思いますが、京都の走りについてはいかがでしょう。

藤:本当にミルコ・デムーロが乗ったきさらぎ賞なんていうのは理想的な形だと思いますし、“もしゴールドシップを負かすとすればこのコースかな”というのも、ちょっと頭の隅にはあるんですけどね。

-:藤原先生にとりますと、昨年秋の天皇賞はエイシンフラッシュで勝ってますから、馬は違うのですが、今回勝ちますと、ご自身は秋春連覇ということになります。ファンの皆さんも後押ししてくださると思いますので、最後にメッセージをお願いします。

藤:このようないい馬を預からせてもらっている以上、やはり結果が求められる商売なので、そこは結果を求めてやっていきたいと思っていますし、秋を勝ったエイシンフラッシュは同じ日に香港で頑張りますので。そういう意味では忙しい週末になると思いますけれど、精一杯そのレースに向けて仕上げていきたいと思います。また、トーセンラーについては武ジョッキーも自信を持って乗ってくれると思いますので。皆さん期待して、応援よろしくお願いします。


-:(記者から、想定以外の質問として)舌を括っての調教だったと思うのですが、何か意図は?

藤:武ジョッキーと相談して、いかにゴールドシップを負かすかというところで。負かすには京都コースの坂を利用して、4コーナーでどこまで差をつけているかというところだと思うんですよね。ゴールドシップが最後届かないというイメージでつくっているので、舌を巻くというのはハミ受けが敏感になるので凄く乗りやすくて、自在に動けますからね。自在性を意識した、ゴールドシップを意識した、そんな感じです。ただ単に流れて競走するのではなくて、意図を持って戦っていくというところで。うまいこといくかは分かりませんが……。4コーナーで4馬身、5馬身前にいれば、なんとかゴールドシップが来る前にというイメージはありますけどね。