【皐月賞】ワンアンドオンリー橋口師 一問一答

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4月20日(日)に行われる皐月賞(G1)に出走予定のワンアンドオンリー(牡3、栗東・橋口厩舎)を管理する橋口弘次郎調教師の一問一答は以下の通り。

●「ここまでの馬になるとは正直……」

-:有力馬で迎える皐月賞週の心境はいかがでしょうか。

橋口弘次郎調教師:いよいよかな、という感じですね。ここまで無事に来れたというのが一番大事なことですからね。

-:トレーナー引退まであと2年というところで、このような馬に巡り合いました。その辺りはいかがでしょうか。

橋:この日が来るとは思っていませんでしたからね。今回のワンアンドオンリーにしても細い馬でしたから、ここまでの馬になるとは正直思っていませんでした。

-:そんな中、ラジオNIKKEI杯2歳Sを鮮やかに勝って、その成長をファンは知ったわけですが、どの辺りから強いと感じましたか。

橋:未勝利を勝った時に、馬群を縫うように上がってきましたからね。素晴らしい根性しているなと認めました。

-:それ以後はどうでしょうか。

橋:確信めいたのは、暮れのラジオNIKKEI杯での勝利ですね。

-:あの時は、確信に変わったということでしょうか。

橋:そうですね。何と言ってもその世代の2000mの長い距離で勝ったということ自体が、翌年につながるレースだったと思います。

-:具体的にはどのあたりが成長したと思われますか?

橋:もともと細い馬だったのであまり見栄えがする馬ではありませんでした。ここにきてラジオNIKKEI杯を勝ったことにより、弥生賞までの2ヶ月半がやはり大きかったですね。何故かと言うと、つくべきところに筋肉もついてきましたし、全体的な厚みや逞しさが出てきましたね。

-:その弥生賞は猛追を見せてハナ差の2着でした。振り返ってどうですか。

橋:4コーナーの時点で2着はあるかなという感じで見ていました。ゴール前の脚を見ていたら、本番でも十分通用するなという感じでした。

-:“夢がつながった”ということもおっしゃっていたということを、聞きました。

橋:まぁ、何と言っても、この馬は“ダービーが最大の目標”と、ラジオNIKKEIを勝った時は思っていましたからね。そこで、夢が途切れたらどうしようという不安ばかりが頭を回っていましたからね。あの差し脚だったら十分通用するとわかりました。

-:先ほど、厚みが出てきたとおっしゃっていましたが、プラス10キロでの出走でした。

橋:これはもう見た目にもそのぐらいの馬体重になっているだろうと想定はしていました。想定通りでしたね。

●「ハーツに比べたら成長は早い」

-:調教に関してですが、1週前は4F51.1秒、先ほどの追い切りでは2頭併せで4F50.8秒(-37.7-25.2-12.9秒)という数字がでました。

橋:2歳時はそれほど時計が出る馬ではなかったのですが、馬体が逞しくなり、坂路の追い切り時計もこのような素晴らしい数字がでました。しかし、今日に限っては、こんなに速い時計を出すと思っていませんでしたので、これが本番で馬体減につながるのではという懸念も少しありますね。少し余裕残しを頭に描いていましたからね。

-:「最大目標はダービー」と常々おっしゃっていますが、皐月賞という舞台は橋口調教師にとってはどのような舞台ですか。

橋:ダービーに比べるとそれほど重きは置いていないですが、しかし、クラシックの第一弾、ここを勝たなければこれからの3冠というレースにも権利がないですからね。クラシックの第一弾ということで、みんな注目するレースですからね。勝ちたいのは山々ですが、私にとってはダービーが一番の目標ですね。

-:皐月賞の話になりますと、2000年のクビ差2着ダイタクリーヴァのレースがありますが、その無念を晴らせるかというレースにもなるかもしれません。

橋:そうであれば一番いいのですが、今年のメンバーを見てみますと粒揃いでみんな目移りするような馬ばっかりですから、その日の運勢の良いのが勝つのではないかと思っています。

-:橋口調教師としては粒揃いで、その抜けた馬はいないという印象でしょうか。注意されている、意識されている馬はいるのでしょうか。

橋:4、5頭いますよ。いますが、ここで個別に名前を出すわけにいきませんからね。

-:そのような大混戦の皐月賞ですが、この馬はハーツクライの産駒ということで、世界一になったジャスタウェイも送り出したハーツクライ。この産駒でのクラシックというのもまた思いがあるのでは?

橋:それは確かにありますね。やはり、ジャスタウェイも注目していましたし、ドバイでも強い競馬でした。今回は自分の管理馬で大舞台を踏めるということは調教師冥利に尽きますね。

-:似ているところや違うところはありますか。

橋:まず顔の雰囲気が似ていますね。流星も似通っています。何と言っても歩様の動きがキビキビしていて、エエ感じの動きをしている馬だなといつも思っていました。

-:その姿を(ハーツクライと)少し重ねていらっしゃるところもあるのでは?

橋:確かにありますね。ハーツクライはこの時点で、体が緩くてクラシック云々語る馬ではなかったのですが、4歳の秋から成長してあれだけの成績を残しましたし、この馬も良くなるのはまだ先かと思いますが、ハーツに比べたら成長は早いかと思います。

-:皐月賞、ダービー、海外までこの馬で一緒に行けたら調教師人生最高のものになるなとおっしゃっていますが、たくさんの方が応援しています。ファンへ皐月賞の抱負をお願いします。

橋:私は(調教師として)今年、来年とあと2年しか時間がありませんが、私の期待を上回るような成績でクラシック第一弾に臨むことができましたので、なんとか悔いのないように仕上げていい結果を待ちたいと思います。

≪関連リンク≫
【オリジナルインタビュー】
:橋口厩舎所属・甲斐純也調教助手への独占インタビュー。