4日、安田記念(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。トーセンラー(牡6、栗東･藤原英厩舎)は武豊騎手を背にCWコースで併せ馬を行い、6F80.9－65.0－50.8－37.6－12.3秒をマーク。終いまで一杯に追われると、併走相手のエアラギオールを突き離す一方。大きく先着を果たしている。

「去年のマイルCSの前から体も大きくなりましたし、たくましくなった印象がありますね。本当に今、充実している時期だと思います」と武豊騎手も状態に太鼓判。

昨秋は初の1600m戦への出走にも関わらず、マイルCSを制覇。マイル王防衛に向けて、「物凄く強い馬が揃いましたが、トーセンラーとしてもそのチャンスがある1頭だと思います」と名手も気合十分の一戦だ。



●状態に関しては問題ない

6月8日(日)に行われる安田記念(G1)に出走予定のトーセンラーに騎乗する武豊騎手の一問一答は以下の通り。

－：休み明けのトーセンラーにとって重要な安田記念がやってきましたけど、どんなお気持ちですか？

武豊騎手：この馬にとって、春の最大目標のレースなので楽しみにしていました。

－：去年の秋はマイルで非常に強い競馬を見せましたけど、トーセンラーのマイル適性というのはどのように感じていますか？

武豊：きっと合うだろうなとは思っていたんですけど、今まで以上の走りができたので、距離はピッタリなんだと実感しましたね。

－：そして、満を持してという形になる安田記念ですが、今週乗られた感触を教えてください。

武豊：今日の追い切りは予定どおりというか、いい追い切りができたと思いますし、動きも良かったですから、状態に関しては問題ないと思います。

－：併せ馬で後ろからじっくりとつけていく形でしたね。

武豊：前半かなり馬の方が行きたがっていたのですけど、何とか我慢させて、直線向いて離してからは、いい反応でいい走りでしたね。

－：直線最後は5、6馬身離していましたね。

武豊：去年の秋から調教でタイムが出るようになってきましたし、状態に関してはいいと思いますよ。

－：直線の手応えも良かった感じですか？

武豊：そうですね。早く1頭になってしまったので、少し馬がフワッとしていましたけど、問題ない範囲ですね。

－：藤原調教師とは何かお話されましたか？

武豊：マイルの適性の高さをもう分かっているので、この馬のレースをしてほしいということを言われましたね。


－：これはあくまで感触というかイメージなんですけど、今度は左回りの東京に替わりますが、このコースについてはトーセンラーにとってどう考えていますか？

武豊：今までの成績を見ると左回りで一度もいい結果が出ていないので、気になると言えば気になるんですけど、強くなってからは右回りしか走ってないので……。その頃と今では馬も違うので、僕自身の感覚では問題ないと思うんですけどね。特に右左で走りに違いがあるというのは全く感じませんので。

●かなりハイレベルなレースになる

－：武さんが乗られてG1を勝ってから、6歳なんですけど、トーセンラーが成長してきたとか、変わったという部分があれば教えてください。

武豊：去年のマイルCSの前から体も大きくなりましたし、たくましくなった印象がありますね。本当に今、充実している時期だと思います。

－：その良さというのはこの春もキープされている感じですか？

武豊：ちょっとレースが空いていますし、京王杯に使うというプランもあったんですけど……。大事をとって使わなかったというだけで、調教はずっと休まずしていましたし、ここが一番の目標なので楽しみにしていますけどね。レースが開いても割と走るタイプの馬なので。

－：秋、春連覇というのは、このトーセンラーだけにあるチャンスですが、そのあたりはどうでしょうか？

武豊：昨年のマイルのG1ホースですからね。当然期待もしてますし、いいレースをしなくてはいけないと思っています。ただ、メンバーは物凄く強い馬が揃いましたからね。かなりハイレベルなレースになると思いますので。

－：ファンの皆さんも楽しめそうなレースですね。

武豊：本当にいいメンバーですからね。ここを勝つというのは、凄い実力がないと勝てないレースだと思いますから。トーセンラーとしてもそのチャンスがある1頭だと思いますし、非常に楽しみにしています。

－：改めて、安田記念に向けての思いを聞かせてください。

武豊：馬のほうはいい状態で出られると思いますし、僕自身としてもこの春はG1レースで全くいい仕事ができてないので、今度こそはという気持ちですね。

－：楽しみにしています。

武豊：はい、頑張ります。