クラシック戦線の主役へ!リアルスティール「今後が楽しみ」

●2月15日(日) 1回東京6日目11R 第49回 共同通信杯(G3)(芝1800m)

経験豊富な実績馬たちを相手に、新馬戦から無傷の2連勝でリアルスティール(牡3、栗東・矢作厩舎)がクラシックを占う重要な一戦を制した。「どれくらいやれるか、という一戦。強いメンバーがいる中、きっちりと勝ってくれて能力の高さを再確認しました」と新馬戦に続いてコンビを組んだ福永祐一騎手も誇らしげに勝利の味を噛み締める。

全兄に現役オープン馬ラングレー、近親には英国のヨークシャーオークスを制したタペストリーなどがいる良血馬で、デビュー前から期待されていた素質馬。調教で好時計を出したこもあり、新馬戦では単勝1.2倍の断然人気に推され、見事に人気に応えた。その勝ちっぷりからクラシック候補に名前が挙げられ、今回はその真価が試される一戦。周囲の期待を裏切らず、さらに評価を高める結果となった。

レースでは好スタートを決め、中団前目でロスなく内ラチ沿いを追走。「レースはスタートして外へ逃げて、他馬に迷惑をかけてしまいましたが、向正面では落ち着いて走っていました。凄く素直な馬です」と道中の様子を鞍上は振り返る。

直線を向くと一度は前を塞がれ、その間に大外からドゥラメンテに交わされる。しかしすぐに立て直され、上手に馬群を捌くとエンジンに再点火。「ペースも速くならないだろうと思っていましたし、4コーナーまではイメージ通りでした。新馬戦ほどの勢いではありませんでしたが、ジリジリと伸びてくれました」と話す通り、力強い伸び脚で先頭を内からすくった。

「体に芯が入ってきた感じですが、まだ走りにしなりが足りない気がします。それでも、賞金を加算できたことは大きいですし、この馬の運も感じます」と課題もあるが、今後のローテーションが組みやすくなったことに一安心。「これから馬の成長をうながしながらレースに使えると思いますし、キャリア2戦で重賞を勝てたことは、今後が楽しみです」とさらなる飛躍を期待する。

「今後はオーナーと相談しながらですが、スプリングSから皐月賞に向かいたいですね。ぶっつけになると、あまりにキャリアが少ないですから。」と矢作芳人調教師は経験の浅さを心配する。「まだ並足やハミ受けなど、しっかり出来ていません。能力は高いのですが、今もパドックでも鳴いていました」。伸びシロは大きそうだ。

昨年はここを制したイスラボニータが皐月賞を連勝で制しており、同厩の大先輩ディープブリランテも2012年の2着馬。このレースから多くのG1ホースも輩出されており、リアルスティールも今後の大舞台を沸かせてくれそうだ。

リアルスティール

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