冴えたシュタルケの手腕で紅一点マジックタイムがうれしい重賞初制覇!

●4月3日(日) 3回中山4日目11R 第48回ダービー卿CT(G3)(芝1600m)

フルゲート16頭によるハンデのマイル重賞ダービー卿CT。人気は好タイムで関門橋Sを制したキャンベルジュニア、昨秋のマイルCS4着サトノアラジン、東京新聞杯での競走中止から巻き返しを図るダッシングブレイズらに集まったが、勝ったのは紅一点のマジックタイム(牝5、美浦・中川厩舎)。今回の来日ラストライドとなったA.シュタルケ騎手の絶妙なコース取りで、鮮やかな重賞初制覇を飾った。

好ダッシュを決めた1番人気のキャンベルジュニアがハナを切る意外な展開。2F目より11秒台前半から半ばのラップを刻む淀みない流れの中、内のサトノアラジンを見ながら7~8番手でジックリと脚を溜めて追走。人気どころが前めのポジションから直線、馬場の真ん中で競り合うところ、ポッカリと開いたインを強襲。先に抜け出して押し切りを図るロゴタイプを交わしてゴールへ飛び込んだ。

今回の来日で2つ目の重賞制覇となった鞍上は「月曜にハンデが53キロと発表され、乗れるか不安だった。54キロまでしか乗っていなかったからね。でも、努力した甲斐があったよ」とニッコリ。「パドックで初めて跨り、いい感触を得た。汗もかかず、リラックスしていたもの。とても乗りやすく、パーフェクトなレースだった。過去のリプレイを見て、いつもより前へ行かないと厳しいと思っていたけど、直線でうまく内が開き、よく伸びてくれた。馬場は荒れていたが、勝つ能力があったね。すっと抜け出すことができたよ」とレースを振り返った。

日本でもすっかりお馴染みとなったドイツのベテランジョッキーだが、53キロでの騎乗は過去にわずか4度あっただけ。その減量でおかげか、短期免許最終週となった今週は土日の中山メインを勝つ大活躍。「これが今回の来日で最後の騎乗。勝てて、本当にうれしいよ」と最後まで「うれしい」を連発。最高の形で日本での騎乗を締めくくった。

また、管理する中川公成調教師は、先週の日経賞(ゴールドアクター)に続いての2週連続重賞制覇。牝馬路線にも楽しみな馬が現れ、春のG1戦線を大いに沸かせてくれそうだ。