【NHKマイルC】持ち味は勝負根性ダンツプリウス「そのあたりをレースで出せれば」

4日、NHKマイルC(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、ニュージーランドT1着のダンツプリウス(牡3、栗東・山内厩舎)は、助手を背に坂路で古馬オープンのトーシンイーグルを0.4秒従えてスタート。懸命に詰め寄ろうとするパートナーを尻目にパワフルなフットワークで2馬身先着を果たし、タイムは4F52.4-37.8-24.9-12.8秒をマークした。

師は54~5秒を想定していたというが、無理をせずにこの上々の時計はデキがいいからこそ。会見で見せた師の穏やかな表情もそれを物語っている。派手さはなくも、キャリア10戦で掲示板を外したのはわずか1度だけという安定感はメンバー屈指。ここも持ち前の勝負根性で上位をうかがう。



4日、NHKマイルC(G1)の共同記者会見が栗東トレセンで行われた。
ダンツプリウス(牡3、栗東・山内厩舎)を管理する山内研二調教師の一問一答は以下の通り。

●大きな変化なくとも着実に成長!

-:ダンツプリウスですが、2歳から3歳にかけて成績が大きく上がっています。何か大きく変わってきたような部分というのはありましたか?

山内研二調教師:そう大きく変わったという部分はないと思いますが、全体に肉が付いて馬がしっかりしてきたということだと思います。

-:それでは前走の重賞制覇、ニュージーランドTをお伺いしたいと思いますが、最後は詰め寄られながらも渋太くという感じでした。前走を振り返ってどんな印象をお持ちですか?

山:どのレースもそうですが、いつもちょっと勝ったり負けたりで、そういうタイプの馬なのでしょうね。

-:渋太さというのを感じるのですが、いかがですか?

山:そんな感じはします。

ダンツプリウス

穏やかな表情で会見に臨んだ山内研二調教師


-:厳しいレースでしたが、その後、中間は3週間ということですが、どのような調整だったかを教えて下さい。

山:ちょっと疲れが見え隠れしないでもないかな、という気はしましたが、何とか今日まで来た感じはします。

-:疲れを取るために何かされたことはありますか?

山:いえ、特別にこれというものはないですが、長めに運動して、という感じです。

-:1週前の追い切りについてお伺いしたいと思いますが、印象を教えて下さい。

山:先週は馬場が悪すぎて、ああいう時計になってしまいましたが、無理はさせたくなかったので、まぁまぁ良かったかと思います。

-:その1週前の追い切りを受けまして、今週は坂路で52秒4という時計。これは併せての追い切りだったと思うのですが、今日はどういった点に主眼をおいた追い切りだったのですか?

山:まず疲れを残さないように、54~5(秒)でいいかなと思ったのですが、ちょっと速くはなりましたが、昨日雨が降りましたし、どういう馬場状態かも把握出来ていないので、仕方ないかなとは思います。

●現状はマイルがベスト距離

-:その時計も含めまして、改めまして先週から今週にかけての臨戦過程の評価をいただけますか?

山:まず、順調に来たということで、いい状態でレースに臨めるのではないかと思います。

-:さて、この馬なのですが、デビュー当時からマイルという距離にこだわって使われているようですが、それはやはり入厩された時から感じられていたのですか?

山:いや、それはジョッキーの「今の状態では千六くらいがベストではないか」という助言もありまして、それを鑑みて千六を使っています。

-:今回の大舞台は東京の非常にタフなマイルということになりますが、東京は初めてですが、そのあたりの対応はどのようにお考えですか?

山:初めての馬場ということは心配していないですが、直線が長い距離でどう対応するか、そのあたりがカギになるのではないかと思っています。

ダンツプリウス

-:ニュージーランドTの時、8キロ減っていたわけですが、今回はどれくらいの体で臨むことになりそうでしょうか?

山:そんなには変わらないと思います。前走と同じくらい、あるいはプラスで出走できるのではないかと思います。

-:これまで中山などに何度も使っていますので、輸送というのは問題ないと思いますが、精神面というのはどんな感じなのでしょう?

山:たくさん使っていますので、輸送は心配していないです。

-:今回はG1ということで、57キロということになりますが、この負担重量についてはどうでしょう?

山:これはみんな他の馬も背負うことですし、ウチの馬だけではないですから心配はしていないです。

●豊富なキャリアで培った勝負根性を生かす

-:改めて今、先生がファンの皆様にセールスポイントを伝えるならば、どういったところになりますでしょうか?

山:今までのレースを見てもそうですが、競り合いに強いということで、勝負根性がありそうな馬ですね。

-:馬場状態が渋った場合、乾いた場合、いろいろあると思いますが、その適性に関してはフットワークなどご覧になっていかがですか?

山:どちらでもこなせると思いますね。良であろうが、稍重であろうが、馬場は心配していないです。

-:丸山ジョッキーには何といって送り出そうと考えていらっしゃいますか?

山:1番人気になることはないと思いますので、気楽には乗れると思います。

-:最後にレースに向けての見通しをいただけますでしょうか?

山:今までのレースを見てもそうですが、なかなか勝負根性がありますので、そのあたりをレースで出せればいいと思います。