グローブシアター、偉大なる兄達へ続けとまずは初陣突破!【平林雅芳の目】

グローブシアター

16年11/13(日)5回京都4日目5R 2歳新馬(芝1800m)

  • グローブシアター
  • (牡2、栗東・角居厩舎)
  • 父:キングカメハメハ
  • 母:シーザリオ
  • 母父:スペシャルウィーク

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おそらく今年の京都で、一番のメンバーが揃った新馬戦と言っても過言ではないだろう。パドックを周回している馬を観ていても、自信に溢れる馬ばかり。しかしそんな中でも最後の直線でちゃんと力を出し切れるか否かが勝敗を握る。
シーザリオの子供グローブシアターが、鞍上の仕掛けにきっちりと反応して最後は1馬身と少しの差をつけてのデビュー勝ちを収めた。やはり兄達同様に母の偉大なる血を受け継いでおり、素晴らしいパフォーマンスの持ち主だと思えるものだった。

パドックはポカポカ陽気。栗毛馬がより光って良く見える。現に、ステイオンザトップが抜けて良く見えてしまう。だが他の栗毛馬も、案外光って見えるのに気がつく。これはごまかされてはいけないと。でもパドックの見立てでは、ステイオンザトップが一番だった。だが、馬場入りして返し馬に入って行くまでに、そのステイオンザトップの問題点が判る。気が若いのである。落ちつかない。いやいやをしたりする。これでは持てる能力を発揮できるとは思えないの結論に達す。
雰囲気のあるのは、やはりグローブシアター。馬場に入ってくる時もキャンターに移っていく瞬間も、《ああ~違うな・・》と感じいってしまう美しさに見える。これが血なんであろうと判る。ディープインパクトの子供が4頭もいるのだが、やはり一番の見立てはグローブシアターであり、走っていいのがディープインパクト産駒トルネードアレイであった。

そして実戦。武豊Jのメイショウラプターも善戦はした。スタートから流れを造って自分の現時点での力は出し切って5着。1000m通過が1.01.2とゆったりのペースで上がり勝負。結局は切れ味を持っている馬が上位を占めた。
直線半ばでグローブシアターの勝利は確定したし、直線で右へ左へとフラつくステイオンザトップが、先に前にいたトルネードアレイにハナ差まで迫る切れは見せた。コペルニクスもミッキーロイヤルのディープインパクトの子供達も末脚でいい処をみせていたが、勝負には結びつかず。何せ、グローブシアターの長く続く末脚の良さには、《ちと違うな~》のレース後の感想であった。

検量室前で周回しているグローブシアター。もう息も十分に入って堂々としている。担当さんと話をする。『いや~、追い出して頭が高くなる稽古内容だったんで、もしかして外れかと思っていたんですよ。それが実戦では伸びてくれました・・』と、われわれ外野には知らなかった心配事があった様だ。

返し馬、そしてキャンターとどれをとっても落ち着いた走りをするグローブシアター。馬体重は438キロと見た目よりも小さめだが、搭載エンジンがいい様に思える。何せ、実戦でちゃんと結果を出す血統。それが凄いこと。
もう次走がどこになるのかを早く知りたい、そんな馬がデビューをした。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。