亡き父へ送るGI制覇!ゴールドドリーム ミルコ「どこでも負けない」

ゴールドドリーム

●2月19日(日) 1回東京8日目11R 第34回 フェブラリーS(G1)(ダ1600m)

レース前日、ダート界の至宝ゴールドアリュールの訃報が届いた。03年のフェブラリーSの覇者で、スマートファルコンやエスポワールシチーといった名馬を輩出した。

ゴール前は2頭の熾烈な競り合いとなり、制したのはゴールドドリーム(牡4、栗東・平田厩舎)。抜かれそうで抜かせなかったその勝負根性も然ることながら、父ゴールドアリュールが最後にひと押ししてくれたのだろうか。

前走のチャンピオンズCでは痛恨の出遅れ。「スタート前からかなりイレ込んでいて、走りだすとかかってしまった」と振り返ったM.デムーロ騎手。それもあって、今回はデビュー以来初めて先出しをする予定だったという。しかし、10RレースにM.デムーロ騎手が騎乗しており、先出しには少し遅れる形となったが、「前回よりも落ち着いていました。上手くミルコがなだめてくれましたね」と平田調教師はスタート前を語る。

ゴールドドリーム

「ゲートでも落ち着いていたし、これなら、と自信がありました」とM.デムーロ騎手が話したように、多少出負けする形になるも、中団のベストウォーリアのすぐ後ろにつけると折り合ってみせた。3コーナー途中から外に出すと、持ったままの手応えで直線に入る。

「少し前に出たのが早かったけど、ペースもそんなに遅くなかったから大丈夫でした。スペースがないと脚がジリジリになってしまうので、外に出してスムーズな競馬の方がいいかなと思いました」とM.デムーロ騎手は思い描いたレースに満足の様子。一歩一歩前との差を詰め、逃げるニシケンモノノフを残り200m地点で捕らえて抜け出しにかかる。

「抜け出したらモノ見をしてしまった危なかった」話したように、内をつくベストウォーリアも渋太い粘りを見せくらいつく。しかし、ゴールドドリームの脚も衰えを見せず、最後までしっかり伸ばしたゴールドドリームが世代交代を告げる見事な走りでG1ホースの仲間入りを果たした。

「2週間前に追い切りに跨って状態は確認していました。東京コースは得意ですね。今日はすごく集中していて、この感じなら負けない。距離はまだ長くなっても大丈夫」と相棒の能力の高さに声を弾ませ語る。

平田調教師は「ヒヤシンスSを勝った時点で、大きいところを取れる馬だと確信していました。前走の時は武蔵野Sを使って、中2週という事もあってテンションがかなり高かったです。デビューの時から使っては放牧に出してという風に使っていたので、そっちの方がいいのかなと思います。ゴールドアリュールは偉大な競走馬で偉大な種牡馬。後継者として名を上げれた事は嬉しい。もっともっと頑張っていきたい」と力強くコメントした。

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