【皐月賞】獣医も太鼓判アウトライアーズ「濃い内容の調教をやって来られた」

アウトライアーズ

12日、皐月賞(G1)の追い切りが美浦トレセンで行われた。

前走、スプリングS2着のアウトライアーズ(牡3、美浦・小島茂厩舎)は、田辺裕信騎手を背に南ウッドチップコースで追われ、5F67.3-50.8-37.5-12.6秒をマークした。

【小島茂之調教師のコメント】
「前走は、休み明けだった分少し切れがなかったかなという感じがします。ただしっかり調教をやってきたなかでのことですし、最後はちゃんと2着に来てくれたのでそういう意味では評価していいかなと思います。レース後は疲れもそれほどなく落ち着いていたので、早いうちから時計を出してきて結構濃い内容の調教をやって来られたと思います。元々かなり興奮しやすくてカッカするタイプで、それを注意して調教をやってきていましたが、この中間は落ち着き過ぎているところが気になっていました。カッとしてもすぐに落ち着いてしまうという点が良いのか悪いのか、という感じでした。先週田辺騎手に乗ってもらったときも、すごくフワッとしているということを言っていたので、今日は前に行っている2頭を目標にしてやりました。

心臓や体は出来ていると獣医さんからも太鼓判を押してもらいましたし、攻めるか攻めないかはどちらに転んでも大丈夫なデキなので判断は田辺騎手に任せました。馬が落ち着いていてしっかり攻めることが出来ましたし、やり切って出走させられるなと思っています。良い言い方をすれば落ち着きがある、気になる言い方をすれば気持ちが乗ってこないという感じはありますが、馬に元気がないわけではなくて暴れたり元気の良いところは見せています。走ってからムキになる度合いが減ったので、それが距離が延びて良い方に出てくれるのではないかと今は思っています。中山では2000やマイルとその時々での精神状態に合わせて距離を使い分けてきましたが、今回は落ち着いている状況で1度勝っている2000を使えますし、実績がある分気持ちは楽ですね。メンバーが揃っていて混戦ですし、しかも牝馬も出るなかでどんな競馬が出来るのかな、とファン目線のような感じで楽しみです。

以前はスタートした後にムキになって行っていましたが、今は調教でもフワーッと出ていくので馬に行く気がなければ行かなくてもいいのではないか、という話は今日田辺騎手としました。田辺騎手もムリに促すタイプではないので、馬のリズムを守って真ん中より後ろからになるのかなと思っています。道悪は血統的にもこなせるのではないかとは思います。やってみないと分かりませんが、絶対に下手だなという感じがしない分、良馬場でも悪くなっても対応できると思って週末を迎えられるので、今の時点では気分的には楽です。応援してくださる方も少なからずいらっしゃると思いますし、期待に応えられるように調教はしっかりやって来られました。あとは当日にアウトライアーズがどういう状態で出られるか、どんな走りしてくれるかを私も楽しみにしているので、皆さんの応援もいただければと思います」

【田辺裕信騎手のコメント】
「未勝利戦のときに2000を使って、そのときは上手く溜めがきいて勝ちましたが、段々と気が入ってきたのでそこからまたマイル路線に戻して勝ち上がってきました。前走は皐月賞を意識しながら距離を延ばして1800でしたが、それがどう出るかというのが1番の課題でした。調教から思ったよりオットリしてきて、良い意味でマイルっぽくないなという感じはしていました。前哨戦なので当然勝ちたかったですけど、前走を使って皐月賞に良い形で向かいたいなということが1番にあったので、結果としては最低限良かったかなと思います。

1800も2000もあまり変わらないと思っているので、あとは当日の雰囲気次第だと思います。前走後も特にイレ込んでいる様子もありませんし、追い切りの感じでは息持ちも良いので調子は上がっていると思います。先週も自分が乗って終い強めにやりましたし今日は少しテンパるかと思いましたが、意外と落ち着いて走ってくれたので良かったですね。前走は負けましたが、それによってマークが薄くなったりするのはこの馬にとってはプラスで戦略を立てやすいと思うので、その辺りをいろいろ考えていきたいです。

枠順については、今の中山の馬場状態もありますしキレイな芝から発走させたいなというのは思うので真ん中より外くらいが欲しいかなというのはありますが、特にここが良いということはありません。この馬の素質は新馬戦に乗せてもらったときから感じていましたし、思った通りに成長して順調にここまで来られたことはとても嬉しいです。皐月賞はクラシックの始まりですしこの後どう繋げていくかだと思うので、冷静に乗りたいと思います。これから一緒に大きいところを取れればとても嬉しいです」