【ヴィクトリアM】完全復活ミッキークイーン池江師「昔以上に能力が出せる状態」

10日、ヴィクトリアM(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。


追い切り後、ミッキークイーン(牝5、栗東・池江寿厩舎)を管理する池江泰寿調教師の一問一答は以下の通り。

●昔以上に能力が出せる状態になっている

-:前走の阪神牝馬Sは快勝でしたね。

池江泰寿調教師:えぇ、感動しました。

-:色々なことがあったからですか?

池:そうですね。色々なことがありましたし、よく復活してくれたなと思いました。

ミッキークイーン

-:1年6ヶ月ぶりの勝利でしたね。

池:そんなに長かったですか。よく、本当に頑張ってくれたなと思います。

-:ドン底の時期があったと伺いますが、改めてお話頂いてもよろしいですか?

池:去年のヴィクトリアマイル後は宝塚記念を目指していたんですけど、ちょっと捻挫をして靭帯を痛めて、かなり重篤だったので引退も考えたんですけど、牧場のスタッフがよく治してくれて、エリザベス女王杯もよく頑張ってくれたんですけど。そのエリザベス女王杯の後くらいから、有馬記念の前くらいからしっかりとコースで追えるようになりましたし、今はもう患部も固まって心配もなく、調教もしっかり積めるようになりましたね。

-:今は怪我前以上の状態にあるということですか?

池:いやいや、怪我前以上というのはどうなのか分からないですけど、固まって、怪我をする前のようにしっかりとCWコースで乗り込めるという感じですね。

-:前走は休み明けでの勝利でしたね。

池:休み明けはあまり動くタイプではないんですけど、しっかりと調教を積めたことが大きかったのかなと思います。

-:色々なメディアでは完全復活という文字も踊りましたが、池江調教師ご自身は?

池:そうですね。完全復活もしていますし、もちろん年齢も重ねて精神的にも落ち着きが出てきていますので、完全復活というよりも昔以上に能力が出せる状態になっているのかなと思います。

-:年齢を重ねたことでレースにいい部分が出てきたと思いますが、具体的に教えてもらってもいいですか?

池:精神的に落ち着いているので、カイバもしっかり食べますし、食べた分も身になっていますし、一番大きいのはゲートの駐立が安定してきたことかと思います。

-:先ほど、浜中騎手もゲートの中でソワソワしなくなったと話していました。

池:そうですね。その辺は大人になったなと思いました。

-:以前はスタートを心配していましたが、その心配はだいぶ減っているんですか?

池:そうですね。とは言え、いつも浜中君には「ゲートの駐立は気をつけて」とレース前には言っていますけどね。念のためね。

●この人馬が揃ってまた笑顔でレースを終えられるところを見てみたい

-:前走で勝ってから1ヶ月調整を行われましたが、どのような調整過程だったのでしょうか?

池:レース後は厩舎に在厩したまま調整していました。今日は単走半マイルで馬なりだったんですけど、先週先々週とCWで長めからびっしりやってますので、前走を使った上積みもあるのでいい状態で臨めそうです。

-:1週前はどういう意図で追い切られたのでしょうか?

池:しっかりと息を作っておかないといけないので、心配能力を高め、1週前にしっかりやることによって超回復で筋肉量を増やすということとか、精神的にも競馬に向かっていくように闘魂注入というか、そういうことを施しました。

-:そして、今週はどのような意図だったのでしょうか?

池:追い切りは先週で終わっているので、心肺機能はできあがっていますし、筋肉量はもう豊富なので、あとは緩やかに気道が収縮しているところをもう一度広げてあげるという意図でブローアウトということをやりました。

ミッキークイーン

-:反応とか、体の見た目とか、どうでしたか?

池:これはもう追い切りじゃないので反応は重要ではないので。気道を広げるためにある程度のスピードで短めを走らせているわけなので。それでも脚捌きは軽快ですしね、上がりも落ち着いていましたし、息もすぐに入りましたしね。いい調整ができたなと思っています。

-:去年と同じ、阪神牝馬Sからヴィクトリアマイルというステップですけれども、中身や内容がだいぶ違うのかなと思います。

池:去年はマイルのレースが本当に久々だったので、マイルの距離に対応し切れないところがあったんですけど、去年に2回マイルのレースを使ったことによって今年はしっかりと対応できています。ゲートも駐立が良くなって五分に出られるようになったのも大きいかなと思います。

-:去年は放牧に出して、今年は在厩と、この辺りも違うのかなと思いますが?

池:そうですね。去年は精神的に不安定だったので、レース後は牧場の方でゆっくりさせて、精神面を落ち着けてからじゃないと、また次のレースに向かえなかったんですけど、その辺の心配がいらなくなったということですよね。

-:改めて、ミッキークイーンのストロングポイントというのはどこでしょう。

池:勝負根性だなと思いますね。気持ちで走っているんじゃないかなと思います。

-:浜中騎手もまたミッキークイーンとG1に挑戦できる喜びを語ってくれましたが、池江調教師はどうでしょうか?

池:去年は彼も怪我とか色々あって厳しい1年だったと思いますので。ミッキークイーンも去年は未勝利で厳しい1年だったので。この人馬が揃ってまた笑顔でレースを終えられるところを見てみたいなと思いますね。

-:ファンの皆様も3つめのG1タイトルを期待していると思います。改めてレース運びやどんなことを期待しているか教えてください。

池:先ほども申し上げたように、ゲートが安定してきたと言えども元々不安なところもあったので、その辺は浜中騎手にも毎回伝えているんですけどね。やっぱりゲートでしっかり駐立して五分に出るということと、加速するのに時間が掛かるので、助走のできるスペースをしっかり確保して早めに吹かしていくということですね。この2点だと思います。

-:最後に期待の程を。

池:恐らく1番人気に推してもらえると思うのでね。2年前はG1を2つ獲らせて頂いてJRA賞も頂いたんですけど、去年は未勝利でファンの皆様の期待を裏切りましたので、なんとかここでファンの皆様の期待に応えて、ミッキークイーンが牝馬No.1だということを証明したいなと思っています。