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大外から豪快に決めてG1初制覇! サトノアラジンだ!!【平林雅芳の目】
2017/6/6(火)
17年6/4(日)3回東京2日目11R 第67回安田記念(G1)(芝1600m)
- サトノアラジン
- (牡6、栗東・池江厩舎)
- 父:ディープインパクト
- 母:マジックストーム
- 母父:Storm Cat
17頭がほとんど横一列に出たが、グレーターロンドンだけがやや立ち遅れた。アンビシャスとロンギングダンサーがじっとして位置を下げる。グレーターロンドンはすぐに前へと進め、1ハロンでは馬群の最後方、外にサトノアラジンがいる位置まで進めた。前は誰が行くのかと思えるほどに横並びが続いたが、ディサイファが押して前へと出て、サンライズメジャーも主張をしていく。だが外からダッシュのついたロゴタイプが、内の馬を見る気もなく真っすぐ前へ前へと進出。先頭に立つまでに、1ハロンを費やしていた。単独先頭に立ってもスピードを緩めず、そのまま軽快にラップを刻んで行った。
サンライズメジャーの外にブラックスピネルが上がり、香港のコンティメントも好発から5番手で、イスラボニータの内にいる。3ハロン手前ではステファノスも順位を少し上げて、イスラボニータの少し後ろとなる。最後方は横山家の二人。その前をエアスピネルにグレーターロンドン、サトノアラジンが並び、そのすぐ前がレッドファルクス。掛かる様な格好の馬はいない。内ラチ沿いをグレーターロンドンが前へ前へと進めているのが見える。けっこう縦長で、3ハロンを通過してカーブへと入って行く。
2番手のサンライズメジャーが前へと出て、ロゴタイプの半馬身ぐらいまで上げて行った。さらに前へと進め、ほぼ馬体を並ばせに行くサンライズメジャー。そんな流れだけに速いとは思えなかったが、実際にはかなりのラップを刻んでいた様だ。けっこう内を開けて直線へと来るレースが多かったが、このG1ではさすがに外へは出て来ず。 小さくカーブを廻るロゴタイプ。廻りきったあたりでは、むしろサンライズメジャーが前へと出た様にも見えたし、すぐ後ろのグループも横一列となっていた。 ラスト400mを過ぎたあたりで、田辺Jがゴーサインを出したロゴタイプ。今度は後ろを離しだした。そしてラスト300mが近づいたあたりで、2番手のサンライズメジャーが左ステッキで少し外へとヨレる。外へ来ていたコンテントメントがアオリを食い、ブラックスピネルと連鎖する。
エアスピネルを終始視界に入れてレースを見ている。手応えもいいだけに、どの進路を選ぶのかと。最初は内へと進めたが空きそうもないので少し外へ、そこでコンテントメントとヤングマンパワーの間が開きそうになる。だがすでにロゴタイプは遥か前。2,3馬身離れたところでグレーターロンドン、ステファノス、そしてサトノアラジンが凌ぎを削っているところであった。その後ろで、レッドファルクスが前が空きそうにないので外へ出してやっと伸びだしたところ。
ラスト1ハロンのところでもまだ2馬身はあったロゴタイプのリード。そこからサトノアラジンが怒涛の寄せで、差を詰めて行く。最後は手綱で操作するだけの所作だったが、クビ差とは思えないほどの大きな差で、ゴール板を駆け抜けていた。鋭く迫ったレッドファルクスで2着かの勢いだったが、3着。グレーターロンドン、そしてこれまたゴール前の脚は鋭かったエアスピネルが5着。電光掲示板にはクビばかりが4つ並んだ。
《どうだ!》と思えるほどにしてやったり顔の川田Jが、ゴールを過ぎて左後ろを振り返った時の顔がテレビ画面に写しだされていた。 思えば、昨秋のマイルCSではゴールに少し前のアクシデントを受けた組。香港マイルCも休み明けの前回も条件が合わなくて、もうひと息成績は出せてないけれども、この中間の稽古は一度使った点でメリハリのある動きとなっていた。14番の枠を得て、外々を廻りながらも自分のリズムでレースを進められ、能力を全開できての結果だった。 負けて強しのロゴタイプ。レッドファルクスも、直線半ばで外へ出しながらもあそこまで突っ込んで来ている地力。グレーターロンドンは、テレビ画面を通じても馬体がピカピカで群を抜いていた。エアスピネルも脚を余しての内容だが、今までで一番の脚を使っている様に思える。
上半期をしめくくる最後のG1。池江厩舎の層の厚さと、やはりサトノ軍団の勢い。いろいろと感じいるレースでありました。 この後は、3週間後に宝塚記念でいよいよ夏競馬に突入となります。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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