【天皇賞(秋)】スミヨン騎手「ブエナビスタは凄い…」

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現役最強牝馬の称号を改めて誇示したブエナビスタ(牝4、栗東・松田博厩舎)。
向こう正面では、スミヨン騎手が「前目で運ぶことを意識した」と語ったように、中団から徐々にポジションを押し上げると、あとはステッキを入れることなく抜け出し、そのまま押し切ってみせた。 これまでにも、驚異的なポジションから追い込んだオークス・初めての古馬相手に2着に健闘した有馬記念・世界でも力をみせたドバイなど、衝撃的な強さを見せ続けてきたが、松田博資調教師、スミヨン騎手が「今までで一番強い競馬」と口を揃えたように、キャリアハイと呼べるパフォーマンスをみせたといえよう。

管理する松田博資調教師も、「安心して観ていられました。何の不安もなく、ここ3走で一番状態が良かった」と、満面の笑みをみせた。

一方、横山典弘騎手の負傷で、初コンビとなった、フランスの若き名手・スミヨン騎手は、横山騎手に「早く良くなってほしい」気遣いをみせつつ、「日本で一番強い馬に乗れたことに、オーナーと調教師の方々に感謝しています。騎乗依頼を受ける前から、素晴らしい馬だと思っていた。そのとおりのパフォーマンス。スローの流れだったが、馬群のなかでもリズム良く進めた。ゴーサインを出してからの脚は『凄い』のひと言。レースの後半は興奮させられたね。余裕のゴールだった」と納得の表情。

凱旋門賞など、数々のタイトルを手にしてきた名手は、自身が主戦を務め、一昨年の凱旋門賞など、7戦無敗GⅠ5勝の名牝「ザルカヴァ」を引き合いに出し、「このあとのジャパンカップや有馬記念の結果次第では、今後、それ以上の馬になるかもしれない」と、最大級の賛辞で称賛。

また、今回は一週間のみのスポット参戦での来日となったが、世界的名手の今後の動向にも注目が集まるところだが、次回の来日予定については「マイルCSにサプレザ(昨年の3着馬)に騎乗するよ」との事。
また、「昨年もウオッカに乗るチャンスがありながら、タイミングが合わずに実現できなかったけれど、チャンスがあれば、今年は乗ってみたいね」と、ブエナビスタのコンビ継続に意欲をみせた。

今後は、ジャパンカップ・有馬記念と王道を進むブエナビスタだが、宝塚記念で後塵を拝し、その後、凱旋門賞で2着と飛躍を遂げたナカヤマフェスタらとの再戦も期待されるところ。『日本最強牝馬』から『日本最強馬』へ、女王が好スタートをきった。