《きさらぎ賞》 と言えば、中京の名物レースで東上への切符とも言える要のレースでもあった。懐かしい勝ち馬ではマーチス、ダービー馬もタニノムーティエ、ヒカルイマイを送りだした。武邦彦さんのキタノカチドキにニホンピロウイナーもすぐその光景が思い出される。距離も1800でなかなか切れのある、いいレースだった。

35年ぶりに中京へ帰ってきた。距離2000と様変わりもしているが、馬場状態は、何か以前の中京っぽい昨今である。

注目は関東馬のランドオブリバティ。ホープフルSでは4コーナーで外へ膨れて逸走してしまった。再審査を経ての今回、次週の共同通信杯でなくここを照準は距離、2000なのだろう。

同じくディープインパクト産駒のヨーホーレイクも、そのホープフルSでスタートが全てだったか。中間、練習とあるのでそこは解消されるはず。

安定しているラーゴム、キャリア1戦のダノンジェネラルアランデルと東西が入り交えて混戦模様だ。


レッドルゼル
【根岸Sの回顧】

21年1/31(日)1回東京2日目11R 第35回 根岸ステークス(G3、ダ1400m)
  • レッドルゼル
  • (牡5、栗東・安田隆厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:フレンチノワール

根岸ステークス(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒

重賞回顧の原稿を書くにあたって、レースをビデオで何度も観たり、JRAホームページの全周パトロールで確認をしたりする。過去10年のレースの流れを調べて、今回はどうだったかを検証もする。何故、これをレースの前にやっておかないのかと後で悔やむのが多い。

根岸S、過去10年で逃げ馬が勝ったことがないぐらい激流になる。今年もまさにそんな流れ、モーニンが勝った2016年がいちばん速く、前半3Fが34.8で1000通過が58.5。逃げた馬はブービー、だがこの時のモーニンは3番手を進んで勝った馬で別格かも知れない。

3年前にレコード勝ちで勝利したノンコノユメの時の流れが、前半の3Fが34.9で1000通過が58.8。逃げた馬はドンジリと速い流れ。今年はそれらをいずれをも上回る、前半3Fが34.4で1000通過が58.4である。流れを造ったスマートセラヴィーはドンジリ、続いたメイショウテンスイがブービー。直線あと400で先頭のサクセスエナジーは11着と、かなりの急流となったのが判る。

好発から自然に脚を貯めたレッドルゼル。タイムフライヤーが、レースの半分ぐらいで自分より前に出て恰好のターゲットとなった模様。

馬群の中を上がって行くタイムフライヤーを追いかける形になったレッドルゼル。直線半ばでタイムフライヤーが、先頭に立ちかげんだったテイエムサウスダンの外へ進路を取った時に一瞬だけ内へ進路を取ろうとしたが、次の瞬間に狭くなり、外へ切り替えた。

抜けたタイムフライヤーの後を追いかけた。そして最後方から外へ出して上がってきたワンダーリーデルと並ぶ形での追いあいとなり、アタマ差先にゴールへ入った。

安田親子のワンツーだったが、何と言ってもロードカナロア産駒のダート重賞勝ちがこのレッドルゼルが初めて、それも安田厩舎で弟子の川田騎手で。

どんどん強くなっているレッドルゼル。フェブラリーSも中心になる存在なのは間違いなさそうだ。