凱旋門賞の日本馬はまるで別次元の競馬で戦っている感じだった。秋の大雨の天皇賞で勝利したキタサンブラックみたいな早くて強い馬を持っていかないと通用しない気がする。あらためてオルフェーヴル、エルコンドルパサーの強さを知った。もう馬場がどうのとかは考えたくもない。

今週から阪神、東京競馬。芝は青々としたものだろう。能力重視、切れ味勝負で考えられる競馬がいい。三日間競馬の今週だが日曜の東京メインは毎日王冠。秋の天皇賞の前哨戦とはあるが、中2週のきついローテーションだけにあまり深く考えないでいこう。2年前の覇者、サリオス。その時に勝って以来、ルメールは乗らない。今回も彼は元、藤沢和厩舎のキングストンボーイに騎乗。ちょっと判断に悩むところでもある。ポタジェ、レイパパレの大阪杯勝ちのGⅠ馬。負けて夏休みとなりリセットされているか。ならば逃げて最短を走るレッドベルオーブを応援してみたい。

【スプリンターズステークスの回顧】

22年10月2日(日)中山11R スプリンターズステークス(G1、芝1200m)
  • ジャンダルム
  • (牡7、栗東・池江寿厩舎)
  • 父:Kitten’s Joy
  • 母:Believe
  • 母父:Sunday Silence
  • 通算成績:29戦7勝
  • 重賞勝利:
  • 22年スプリンターズS(G1)
  • 22年夕刊フジオーシャンS(G3)
  • 17年デイリー杯2歳S(G2)


予想は思い込みから始まる。今年のスプリンターズSはナムラクレアのためのGⅠぐらいに考えていた。函館スプリントの強さ、前走の北九州記念の負けでどんな競馬でも出来そうぐらいに思えた。絶好の位置から直線は抜け出すだろうと。

ゲートが開いてジャンダルムが先頭、ダイアトニック、ファストフォースが並び、やっとダッシュついたテイエムスパーダが前へと追いついた1F手前、ナムラクレアはやや手が動きながら5番手、この位置でも信じていた。外からメイケイエールが先にあがって行った2F手前でも信じていた。そこから3F手前で7番手と位置が悪くなっていたけれども信じていた。4コーナー手前で浜中Jの手がかなり動いてメイケイエールの外へと上がろうとしている時でも伸びてくると信じていた。直線半ばでジャンダルムだけ1頭が抜け出した時でもまだこれから伸びる筈と信じていた。その後の坂にかかった時、内からの馬の伸びが良く、ナムラクレアの脚がまどろっこしく伸びないのが判った時についに諦めた。ナムラクレアでは勝てないと諦めた。

レースを見直すとジャンダルムは絶好のスタートから道中は3番手、4コーナーで前2頭の間を楽に割って直線へ、セーフティリードかと思えた処へウインマーベルの猛追でクビ差まで迫られたが終始、レースの主導権を握っていた感のある内容だった。まるで母、ビリーヴを思い出させるレースぶりだった。

レース史上初の母子優勝となったジャンダルム。朝日新聞に載っていた池江泰寿調教師のコメントが《物語の一翼を担えたことに誇りを感じる》だった。実にいい言葉である。競馬は血の繋がりであり、前走はすでに過去で終わったことでもあり、今はまったく新たな時間。そんな簡単な事実を知らしめさせられた。メイケイエールもナムラクレアもあれは夏のこと、もう今は秋なのだと。そうかビリーヴか~といつまでもつぶやいている。