エリザベス女王杯はC・デムーロ。マイルチャンピオンSではレーンJの勝利と短期免許で来日しているジョッキーの勝ちである。それまで騎乗の日本人ジョッキーから平気で乗り換えが出来るのがこのシーズンの特徴でもあるのかも。そこで結果を出す、それが短期で来ている意味合いなのだろう。

それで言えばJCはライアン・ムーアが乗るヴェラアズールが注目馬となるのか。デアリングタクトもコンビの松山から替わる。エリザベス女王杯出走から中1週で出てくるのも凄いが3冠コンビから鞍上が替わるのも凄い事だ。

そして久々に外国馬の参戦。今年から検疫が東京競馬場で出来るのがこの出走に繋がっているのかも。凱旋門賞5着グランドグローリと凱旋門賞で5番人気のオネスト。ドウデュースが負けたニエル賞の勝ち馬シムカミル。ドイツからもテュネスと3歳3頭に古豪と計4頭の参戦。

迎え撃つ日本勢はシャフリヤールとダノンベルーガが筆頭か。昨年のJC3着シャフリヤールはエンジン全開でなく、ダノンベルーガに期待だ。

【マイルチャンピオンシップの回顧】

22年11月20日(日)阪神11R マイルチャンピオンシップ(G1)(芝1600m)
  • セリフォス
  • (牡3、栗東・中内田厩舎)
  • 父:ダイワメジャー
  • 母:シーフロント
  • 母父:Le Havre
  • 通算成績:8戦5勝


エリザベス女王杯のジェラルディーナといい、今回のセリフォスといい、まるでそこに高速道路が通っているかの様に他馬とは違ったスピードで駆け抜けて行く。

横に広がった10数頭のいちばん外、エアロロノアからまた2馬身ぐらい外をセリフォスは通る。内ではシュネルマイスターがエアロロノアとの狭い間を抜け様ともがく。

その少し前ではソウルラッシュが最後に残った脚を使おうとしている。その横を何もしないままで通過していくセリフォス。一番前に出ようかの後200過ぎに鞍上は左ムチを1発。それから右に持ち替えて4発の連打、最後は追うのをやめてのゴール。左手でスタンドへ向けてガッツポーズでのフィニッシュ。終わってみればセリフォスが一強の結末だった。

ドウデュースが朝日杯FSで勝利した時の半馬身差2着がセリフォスである。先に抜け出た処をドウデュースが差したものだった。当時の鞍上はC・デムーロだったが今回はレーンに替えてきた。C・デムーロはピースオブエイトとちょっと良く判らない乗り換え劇でもあった。

サリオスは直線に入ってすぐに前にはもう届きそうもない雰囲気だった。秋に毎日王冠で勝利しての今回なのに負けっぷりが悪すぎる。ダノンスコーピオンも4コーナーへ入る手応えが悪くなかったのに直線で抵抗も少なく終わった。この馬の敗因も腑に落ちない。ソダシは追い合いになって左右からの絞りでだいぶ脚がフラついていたが、良く堪えて3着と根性で粘った。やはりマイルはいちばん走れる距離なのだろう。

そして何よりも驚いたのはダノンザキッドの伸びであった。昨年のこのレースの3着馬とは判っていてもであった。読みづらい結果になった今年のマイルチャンピオンSであった。

3歳馬の勝利、それもドウデュースと好勝負した馬のG1勝ち。この結果の意味を良く噛みしめておきたい。今年の3歳馬はなかなか秀逸だと嬉しい気持ちだ。