今年の高松宮記念はまともに見ていられるだろうか。前夜のドバイ競馬の興奮で寝つけないままだろうし、この午後の温かい時間には睡魔に襲われてしまってはいまいか。そんな心配をしてしまうほどの豪華な週末競馬だ。

この6Fのたった1分8秒前後の短い瞬間ではあるが、密度の濃い時間でもある。馬場はどうだろう。週央のお天気は決して良くない。横に広がる直線の争いになるのだろうか。スピード決着なら若い4歳馬達にも十分チャンスもあろう。

前々で競馬をするウォーターナビレラにアグリ。ナムラクレアも枠順次第で前めだろう。昨年上位入線の5頭も元気。ナランフレグにロータスランド、キルロード、トゥラヴェスーラ、そしてメイケイエールと再び顔を合わす。ピクシーナイトも怖い存在だ。

どこからでも狙える今年だ。父ミッキーアイルは3着、2着ともう一歩の高松宮記念。その子供のナムラクレアとメイケイエールに期待してみたい。

【阪神大賞典の回顧】

23年3月19日(日)阪神11R 阪神大賞典(G2)(芝3000m)
  • ジャスティンパレス
  • (牡4、栗東・杉山厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:パレスルーマー
  • 母父:Royal Anthem
  • 通算成績:9戦4勝


アフリカンゴールドの淡々とした逃げではあったが、人気の主力馬が前々で競馬をする流れ。どの馬も手応え十分で最後の直線に入ってきた。

早めに外からあがった1番人気ボルドグフーシュが付き抜けそうな勢いだったが、直線半ばからはそう鋭く伸びない。むしろ逃げたアフリカンゴールドの後ろで満を持していたジャスティンパレス。一旦は外のディープボンドに蓋をされ進路がなくなり危なかったが、前が開いてからのゴーサインに出て行った。

一旦先頭となったボルドグフーシュの内から一気に前へ出てそのまま差を広げていく。アフリカンゴールドが内でジワジワ粘っている処へ、再び勢いをとり戻したボルドグフーシュが伸びて2着。

3着には、その後ろからブレークアップが脚を伸ばしてアフリカンゴールドをクビ差交わした。ゴールドシップ以来の3連覇がかかったディープボンドはそこから少し遅れての5着。

菊花賞、有馬記念とボルドグフーシュに後塵を浴びたジャスティンパレス。だが今回はルメールとのコンビ復活でデビューからの2連勝に続いての3戦3勝での重賞初制覇となった。関西TVの勝利騎手インタビューでは『稽古に乗って自信がありました』と言い、最後には『おおきに・・』とつぶやいて笑いを残して行くほどにすっかり日本人、いや関西人になったクリストフであった。

それにしてものボルドグフーシュだった。菊花賞でアスクビクターモアにハナ差まで迫ったあの脚。有馬記念では完成の域に達したイクイノックスに2馬身半の完敗ながら存在感たっぷりな末脚を見せたボルドグフーシュ。

スタートを決め、今までにない程の絶好の位置でそれこそ勝ちに行く競馬をして、この結果。前へと行くと切れ味が鈍るのだろうか。春の天皇賞は久しぶりの京都競馬場。綺麗な芝で切れ味を求められる。前哨戦はジャスティンパレスの完勝。ボルドグフーシュの巻き返しはあるのだろうか。