今週はアメリカのロサンゼルスのサンタアニタ競馬場でブリーダーズカップ等のレースが3、4日にある。そこへ日本馬も9頭遠征でジョッキーも当然に渡米した。そこを楽しんでからの週末競馬だが当然に主役達が居ない。そんな時に活躍してアピールしたいのが若手ジョッキーであろう。

ヒートオンビートには木幡巧也騎手が騎乗。59キロのトップハンデ。目黒記念の勝ち馬だけにこの斤量は仕方なしか。前走の京都大賞典では道悪も休み明けも影響した様だが、ひと叩きの効果が歴然だろう。その目黒記念の2着がディアスティマ。斤量面で差も開いて待望の重賞勝利のチャンス。デビュー戦からコンビを組む相棒。先行して勝利をもぎとるか。

モレイラはゼッフィーロに乗るのか、チャックネイトに乗るのか。前者は重賞連続でコンマ2秒の惜敗。後者は重賞初挑戦も秋緒戦を勝って勢いもある。テーオーロイヤルは好きな馬だが今回は様子をみておきたい。

【天皇賞・秋の回顧】

23年10月29日(日)東京11R 天皇賞・秋(G1)芝2000m)
  • イクイノックス
  • (牡4、美浦・木村厩舎)
  • 父:キタサンブラック
  • 母:シャトーブランシュ
  • 母父:キングヘイロー
  • 通算成績:9戦7勝


一瞬、ポカーンとしていた。《1・55・2》この数字が判らなかった。ピンとこないと言うものか。まるでオグリキャップがホーリックスに負けた時の《2・22・2》と同じだった。

あの時も理解するのに少し間があった。それにしても何と言う強さなのだろう、イクイノックス。これが世界NO1の実力なのか!。後ろを振り返るこそしなかったが、それほどに余裕のあるゴールシーンだったイクイノックスとルメール。このコンビでどこまで昇りつめていくのだろう。

日本レコードの速い時計でも涼しい顔で走っていく強靭な筋肉と精神なのだろうか。キタサンブラックそっくりな顔つきと強さで根性もまさしく父譲りだ。いやはや、凄い馬となっていくイクイノックスである。

ドウデュースのすぐ後ろで甘んじたダービー。あの負けで二度と負けないと馬自身が決めたのかも知れない。あの時に感じた嫌な予感がどんどん現実となり、いや、我々が予測する以上のカーブを描いてさらに昇っていくイクイノックスだ。

ジャックドールの逃げは当然に予測されたもの。白いキタサンブラック産駒のガイアフォースがそれを追いかける2馬身差、そこから3馬身の3番手をイクイノックスが追走する。後400の少し前で先を急いだ2頭を交わし、右ステッキを1発、そして持ち替えて左で1発。あとは手綱を押して最後は流し気味のゴール。

4コーナーで最後方の2頭が2、3着の流れだ。春の天皇賞馬、ジャスティンパレスが秋の天皇賞でも2着とさすがの内容だが、勝ち馬の凄さの前では目立たない。イクイノックス、当然に次はJCとなる筈だ。

そこで夢の対決がある。リバティアイランドとの頂上決戦は今からでもワクワクする。今さらながらキタサンブラックの父、ブラックタイドはディープインパクトの兄でもある。そんな血の繋がりをみても、一人のファンとしてこの秋の競馬は楽しくて楽しくて仕方がない。