イクイノックスから騎乗機会の3戦連続でGⅠを勝ち続けるクリストフ・ルメール。先週も土曜の東京で11戦3勝2着4回。日曜の淀では9戦5勝2着1回の高打率。今週も同じ土曜は仕事場の東京競馬。そして快晴の日曜はまたおそらく1番人気支持となるシュネルマイスターでのGⅠ獲りだ。

昨年のこのレースは阪神開催。その後の香港遠征の結果を考えると調子そのものが良くなかったかと推測される。その点で5歳の今年は春のマイラーズCで勝利。安田記念、秋緒戦の毎日王冠と3着。特に前走の内容はいちばんでのもの。3歳時以来のGⅠ勝利となるか。

対するセリフォス、昨年のこのレースの勝ち馬。鞍上とは2歳時以来のコンビだが先週に抜群の稽古で感触を確かめている。ソウルラッシュはモレイラとの初コンビ。マジックが出るか。ナミュールの前走は素晴らしい切れ。またエルトンバローズ。鞍上の初GⅠなるかと若い力も魅力いっぱいだ。

【エリザベス女王杯の回顧】

23年11月12日(日)京都11R エリザベス女王杯(G1)芝2200m)
  • ブレイディヴェーグ
  • (牝3、美浦・宮田厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:インナーアージ
  • 母父:ディープインパクト
  • 通算成績:5戦3勝


すでに枠順が発表された時から勝利は約束されていたのかも知れない。それ程にこのいちばん内の①番枠が大きく作用したブレイディヴェーグの戴冠式だった。

昨年の勝者のジェラルディーナもスタートが良くない。ただ彼女は上にポンと出遅れてしまった。そのすぐ後に左右が狭くなって真っすぐは行けず。少しずつ外へ出して行き、大外のビッグリボンをはねのけて馬群の外へ出して行った。

それに反してブレイディヴェーグのスタートは右へヨレた。そこはラチまで2頭分ぐらい開いているスペース。すぐに立て直して前進。あっと言う間にルージュエヴァイユの内を過ぎて前にとりついて行く。気がつけばハーパーのすぐ後ろの縦位置で3番手に居た。

アートハウスとローゼライトが少しずつ後ろに差をつけて行く流れ、しかもスローな流れで絶好の位置にて収まっているブレイディヴェーグ。アートハウスは向こう正面から3コーナーへ向けて少しペースアップ、3番手のハーパーとの差が開いた。坂の下りでペースは一気にあがりローゼライトが前に詰めて行く。後続との差もグッと狭まるがまだ2馬身ぐらいで最終コーナーに入ってくる。

先に動いたハーパーが真ん中へ出してくる。その内へブレイディヴェーグがスッと入ってくる。真後ろのルージュエヴァイユもさらに内で脚を伸ばしてくる。ハーパーが先頭に立ったのは僅か。ブレイディヴェーグが抜いて栄光へのゴールへ進む。ジェラルディーナは終始、外々を廻りすべてが後手となったのも響いた。

《広い道》の馬名どおりに直線では大きく前が開けていた勝利への道。重賞初勝利がGⅠとなったブレイディヴェーグ。まだ5戦のキャリア、視界はさらに広がっていくのだろう。来年は今より体を大きくしてさらなる活躍が期待の彼女。まだ牝馬の頂点のリバティアイランドとの対決が実現していない。今日も関東馬のワンツー。東高西低の流れが続いてる。