関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

北村友一騎手

北村友一騎手


未だG1のタイトルこそないが、デビュー2年目から年間50勝前後の勝ち鞍を量産。関西の“乗れる若手”として知られる北村友一騎手が、トウカイミステリーと共にスプリンターズSに挑む。 ここでは調教の合間を縫った短い時間の中で、トウカイミステリーの印象、北村騎手が跨ってきた実力馬など、多岐にわたる質問をぶつけてみた。

-:突然ですが、競馬の話ではなく、北村騎手自身のマイブームを教えてください。

北:馬の話とは別ですか!?う~ん、“料理”ですね。煮物でも、何でもいけますよ!あとは“読書”です。東野圭吾さんの小説が好きで、「さまよう刃」は面白かったですね。あれを読むと、「この本は何かを訴えているな」と感じさせられました。小説を読んでいて、そう感じさせられることはないのですが、ミステリーな内容も良かったです。

-:“ミステリー”といえば、今回はトウカイミステリーでスプリンターズSに挑まれます。北村騎手がトウカイミステリーに跨ったのは2走前の北九州記念でしたが、自身も手綱をとっていたレース前の状態はいかがでしたか?

北:本当に体調が良さそうでした。2週前もそうですし、3週くらい前から坂路で50秒台くらいの時計を出していたように、仕上がりも良かったと思います。それに1週前から小倉に入って、現地で調整できたこともよかったと思います。

-:(レース前の)金曜日も自身で跨ったんですよね?ジョッキーが追い切り後にも乗ることは珍しいと思います。

北:そうですね。それでも、具合の良さは伝わってきたので、良かったことだとは思っています。

-:それでも、重賞で勝つとなると、色々な条件が重ならないと、うまくはいかないですよね。

北:でも、「上手くいったら勝てるかな?」くらいには思っていたんです。

-:今回、中山に替わる点はどうでしょうか?

北:う~ん、特に問題はないんじゃないでしょうか。直前輸送になれば、心配はあるかもしれませんが。

-:中山芝千二のコースについて、北村騎手はどう感じでいますか?

北:中山芝千二は深いんじゃないですか?位置取りもそうですし、枠順でも変わってきますから。といっても、僕は関西のジョッキーなので、関東のトップジョッキーの方のようには、何も言えないですけれど・・・。

-:確かに穴を開けるとなると、場数を踏んでいる関東の騎手の方が、一日の長はありますよね。

北:本当ですね。千六とかも難しいんですよ。それと、僕が初めてシルクネクサスで、中山の二千二百に乗った時は面白いなと思いました。僕は馬に掴まっていただけですが、他にはないトリッキーさを感じました!

-:話は戻りますが、前走のセントウルSはエーシンホワイティに乗っていて、客観的にトウカイミステリーをみていたと思います。その印象はどうでしたか?

北:落ち着いていましたし、ゲートも出ていましたし、特にマイナスになるような要素はないと思いました。競馬自体は4コーナーで外に弾かれたのはしょうがなかったと思います。重賞を勝った時もハンデ戦ですし、定量のレースになれば、同じような脚を使えるかはわからないですね。



-:普段のトウカイミステリーはどんな子ですか?

北:本当に大人しくてかわいい馬ですね。

-:北村騎手というと、無駄なことをしないレース振りが印象に残りますが、ファンに「自分のこういうところを観て欲しい」と答えるならば、どんな点を挙げますか?

北:少しでもコースロスなく乗って、流れが向けば、着は拾えるかな?というセコい競馬はしていると思います(笑)。でも、昔はインで詰まって、何もできないことが多かったのですが、ここ最近は臨機応変に外を回った競馬もできているのかと思います。

-:この前のローズSのビッグスマイルはどうでしたか?

北:枠順とか流れもありますけれど、もう少し向こう正面で馬の後ろにスッと入れられていたら、力みなく走れていたと思いますし、もっと弾けたんじゃないかと思います。4コーナーでエンジンが掛かってから、グッと伸び切れなかったのは、坂なのかはわからないですけれど・・・。あとはもうちょっと内の枠が欲しかったですね。

-:トウカイミステリーのスプリンターズSに拘れば、どの枠がいいですか?

北:着を狙うならば内枠ですね。でも、その状況に応じて、競馬ができればとは思っているのですが・・・。

-:北村騎手自身、かなり自然体なキャラクターですね。

北:そうですね。競馬でも、その馬や状況に応じて、レースができればとは思っているんです。

-:そんな北村騎手、例年の勝ち星からみれば、G1も勝ってもいい頃じゃないでしょうか?

北:イヤ~、そこはまだまだです。

-:この秋のダノンヨーヨーはどうでしょうか?

北:毎日王冠は乗せてもらえるけれど、その後はわからないですね。

-:春の宝塚記念には騎乗されましたが、あのレースについてはどう感じていますか?

北:結果的には初めての距離で、いつもの末脚が使えなかったですけれど、いい競馬は出来たと思います。距離も本質的には千八くらいですかね。(流れ次第で)二千もいけると思いますけれど。

-:次の調教の時間が迫ってきたようなので、短い間でしたが…、ありがとうございました!また、取材させてください!

北:こちらこそありがとうございました。またよろしくお願いいたします!




【北村 友一】Yuuichi Kitamura

1986年 滋賀県出身。
JRA初騎乗
06年3月4日 1回阪神3日 3R ソリッドスウィート(11着/15頭)
JRA初勝利
06年3月19日 1回中京6日 7R ゴッドヘイロー
JRA通算成績は256勝 (11/09/25現在)


■最近の主な重賞勝利
・2011年 北九州記念(トウカイミステリー号)
・2010年 富士S(ダノンヨーヨー号)
・2010年 ファルコンS(エーシンホワイティ号)


デビューイヤーに14勝をマークして、中央競馬関西放送記者クラブ賞(関西所属新人賞)を受賞。デビュー2年目からは、45勝、53勝、41勝、53勝とコンスタントに勝ち星を積み重ね、今年は自己ベストを更新するペースで成績を残している。4年連続で重賞勝利も達成中、次代のリーディング争いを担う若手として注目されている。