【AJCC】3頭併せ余裕の先着ルーラーシップ「今年一年いい競馬を」

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18日、日曜中山11レース・AJCC(G2)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、有馬記念で4着のルーラーシップ(牡5、栗東・角居厩舎)は福永祐一騎手を背にCWコースで6F85.1-68.1-52.3-38.8-12.3でフィニッシュ。
3頭併せの内でじっくり追走すると、ゴール板を過ぎてからも、脚色が衰えることなく駆け抜けた。

管理する角居勝彦調教師は「併せ馬の都合上、他の馬の調整過程がありますからね。ゴール板を過ぎるまでは、我慢してもらったところはありますが、『そこからは流してみたらどうですか?』という話は事前にしていました。追い切りの様子も生き生きとした状態で走っていたので、いい状態だと思います。直線に並んでからも、グイグイと動いていましたし、ジョッキーからも『以前乗ったよりも、更に状態は上がっているように思える』とのコメントを貰いました」と好感触を口にした。

4歳時の昨年は年明け初戦の日経新春杯を圧勝。金鯱賞でもスタートで鐙が外れるような大きな出遅れを被るも、道悪を物ともせず豪快なフットワークで脚を伸ばすと、アーネストリーらを降して快勝。
その一方では上半期のG1レースではチグハグな内容を露呈し勝ちあぐねると、秋は爪などの不安もあり、実戦は有馬記念一戦のみ。そのスケールとは裏腹にモロさを同居させる結果が続いた。

「素質をみせてくれるレースはいくつもあったんですけれど、秋は爪の形を調整するのになかなか時間が掛かったりしました。状態は悪くはなかったですけれど、馬の将来を考えると、メンテナンスしながらの競馬でしたね。
結果、タイトルを獲ることはできなかったですけれど、今年へ向けて、いいステップとなる一年だったのかと思います」と振り返る。

とはいえ、これまでに手にした重賞タイトルは3つを数え、母はあのエアグルーヴという超良血。いつ、G1に手が届いてもおかしくはない存在だ。
本来は京都記念からの復帰を予定していたが、放牧先での状態も良好。相手関係を加味して、明け5歳初戦となる復帰戦にAJCCを選択。中山コースも昨年暮れの有馬記念で4着に迫るなど不安要素はない。

「急遽、(AJCC)に参戦する形となりましたが、馬は本当にいい状態ですし、能力の高い馬なので、期待に応えられるよう頑張りたいと思います。今年一年、本当にいい競馬ができるようなスタートになるといいですね」。トレーナーも期待を込めて、愛馬を送り出す。