ゴールドシップ、重賞初勝利に担当厩務員の隠れたファインプレー

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12日の共同通信杯で重賞初勝利を挙げたゴールドシップ(牡3、栗東・須貝厩舎)。
大本命と目されていたディープブリランテを破っての殊勲の重賞初タイトルとなったが、これまではデビューから2連勝を挙げるも、札幌2歳S、ラジオNIKKEI杯で連続2着。
額面だけ見ればケチのつけようのない競走成績だが、ここ2戦はゲートで大きく立ち遅れ、終いで追い上げるも2着までという不完全燃焼の競馬だけに、関係者の思いも一入だったに違いない。

「怖がりな性格でもあるけれど、ズルいところがある子。前回の阪神の時(ラジオNIKKEI杯)は、最後に入る馬が嫌がったりしたら、驚いてしまってな。それもあって出遅れてしまったんや」。担当の今浪厩務員はレース後に愛馬を曳きながら、こう振り返ってくれた。

レースではこれまでの出遅れが嘘のようにスムーズなスタート。内田博幸騎手もゲートを出るなり好位にポジションを獲りに行く。だが、それだけではない。今浪厩務員は愛馬を落ち着かせるべく、スタートのタイミング、ギリギリまでゲートでゴールドシップに寄り添い、可能な限りリラックスさせることに務めたという。

「今日は出来る限りゲートで離れないようにして、落ち着かせようとしたんだよ。少頭数だったし、他の馬もスムーズに枠入りを済ませてくれたのは大きかったわ」。

長期休養からの復帰後、重賞初勝利という事もあり、鞍上に脚光が浴びてしまいがちだが、ベテラン厩務員の努力の甲斐があっての功績。ただでさえ、完成途上で未熟な若駒だが、レースから引き上げてくるも、検量室前に並んだ大勢の報道陣を避けるようするほどの性格で、須貝尚介調教師も「怖がりな子だからごめんな」と報道陣に苦笑いした程。それだけに今浪厩務員の存在の大きさが伝わってくるものだ。

昨年の三冠馬であり、父・ステイゴールド、母父・メジロマックイーンと、ゴールドシップと同じ血筋を持つオルフェーヴルは、デビュー戦や三冠達成の菊花賞後のゴール入線後に池添騎手を振り落としたことでも知られるが、ゴールドシップは、口取り撮影のため、初めて掛けられた肩掛けに驚き、地下馬道で暴走寸前になったのも、この日は御愛嬌。

精神的に不安定な見せつつも、パワフルな走りをみせてくれるあたりは、どことなく“走るステイゴールド産駒”の逸話とダブらせるキャラクターを持つゴールドシップ。
これからのクラシック戦線での戦いは勿論のこと、今浪厩務員共々に、ますます目が離せない存在となりそうだ。

ゴールドシップ(牡3、栗東・須貝厩舎)
父:ステイゴールド
母:ポイントフラッグ
(01年のチューリップ賞2着)
母父:メジロマックイーン
通算成績:5戦3勝

ゴールドシップと今浪厩務員