兄姉が出来なかった新馬勝ち、ティーハーフだ!!

トピックス

土曜阪神5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.10.8

ティーハーフ (牡2、ストーミングホーム・栗東、西浦厩舎)

※※兄姉が出来なかった新馬勝ち、ティーハーフだ!!

圧倒的1番人気に支持されたティーハーフ。パドックでも仕上がり面でも、他馬を抜きん出ていた。逃げたカノヤベンチャーが前半3ハロンを35
.0とゆったりした流れを演出。しかしティーハーフが4コーナーではもうその外へ持ったままで並んできて、馬場の真ん中を軽く仕掛けて4馬身差をつけて圧勝した。3着セイウンチカラは2着から7馬身。人気どおりの決着となった・・・。

若駒ばかりだけに仕方のない事だが、ゲートをやや外へ出たのがシゲルオウシザ。外のジョウショーピアスがその動きに外へ逃げる。カシノウォームがアオリを喰ってしまう。少し行って今度は前にいたティーハーフの後脚にぶつかり、そのアオリを喰ったティーハーフ。スタート直後はかなりゴチャついていた。
内からすっとカノヤベンチャーが出て行った。ユックリと行ける。外からアスターキングが上がり、セイウンチカラがその内へ入る。ティーハーフはその後ろの組。パトロール・ビデオで見ると、カーブ手前では外へ逃げたのかの動きだったが鞍上に聞くと内の馬(先ほどのシゲルオウシザ)が外へ出てきそうだったので、外へ避けて出て行ったそうだ。見ただけでは判らない事も多いと実感。そのタイミングを期に前へと上がっていくティーハーフ。4コーナー手前では前の2頭、カノヤベンチャーにアスターキングの外へもう並んできた。

ジワっと行っていたカノヤベンチャーは、コーナーワークでまた前へと出て逃げ切りを図るが、外のティーハーフの脚色が断然いい。武豊Jの右ステッキが1、2発と入ってからはもう流し気味で、残り100メートルを通過。内ラチ沿いを粘るカノヤベンチャーに4馬身差で圧勝のデビュー戦だった。
セイウンチカラが4コーナー手前から追い通しで何とか詰めてきたが、それでも前からは7馬身もの差。まだまだ余裕のある体だっただけに仕方ない結果か。

この馬名はアラビア語に近い造語で、父にかけて《嵐》の意味を持っていると関係者が話していた。ラッキーナインサドンストームの下のスピード血統。兄弟馬が成し遂げれなかったデビュー勝ち。この後は様子を見て函館2歳Sへのプランも浮上。もちろんお供もしたいし、おおいに楽しみな馬であります。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)

競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。