凄い切れ味!メイケイペガスターが差し切る!!

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日曜阪神5R
2歳新馬
芝外1600m
勝ちタイム1.36.6

メイケイペガスター(牡2、フジキセキ・栗東・木原厩舎)

凄い切れ味!メイケイペガスターが差し切る!!

前半1000メートルが1.02.9とお馴染みのスローペース。直線入口では11頭が横に広がる。内目に進路を取ったグッドレインボーが伸びかけたが、さらにその後ろからメイケイペガスターが1頭だけ違う脚色で、一気にグッドレインボーを抜いて先頭に立って行く。ステッキを入れた後の瞬発力が実に素晴らしい馬である。ちょっとゾクゾクッとくるような肌寒さを感じたゴール前であった・・・。

阪神競馬場のパドックは実に見やすい。前日の中山競馬場は、場所によってはまぶしくて見づらい処があるぐらいだが、ここはほとんどそんな事を感じなく、ジックリと見られるビューポイントだ。そして380キロの数字に驚く。最近は400キロ切りの馬は少ない。血統を観て《なる程ね~》と納得。ディープインパクトの牝馬はたまにいるからだ。
若駒だけに馬っ気を出している馬も2頭ばかり。パドックを周回する馬の雰囲気等を見ながら《おしなべて平均点の馬ばかりかな~》なんて評価を下すが、レース後は自分の馬の見方の幼さに恥じ入った。

ではゲートから振り返る。まずポーンと出て行ったのはマッシヴビクトリー。外からラガーライオンが追走して来たが、速くはならない。その後ろの列にエーシンマックスドリームデュネット。グットレインボーもここにいた。メイケイペガスターは後方から2番手。ドンジリはイノベーションだが、6馬身もないぐらいの団子状態だ。前を行く2頭が若いのかペースが遅すぎるのか、2ハロン過ぎは2列目で渋滞の動きだ。ユッタリの流れは続いて3コーナーのカーヴを廻ってもペースはまったく速くならない。800を過ぎたあたりで最後方だったイノベーションが順位を上げて行った。前から7番目、内にグットレインボーがいるポジションまで押し上げて、カーヴを迎えた。

そのカーヴに入った時には、イノベーションはやや外へもたれだした様子で、浜中Jが右手綱を絞っているのが見えた。何と、ここでは最後方がメイケイペガスターとなっている。でも前からはほとんど差がない位置でもあった。
直線に入って来た。4コーナーの外廻りコースからポカッと開いた空間に来ると、ズラッと横に広がり出した。
今度は内廻りの4コーナーを通過。ブービーだったグッドレインボーが内目に進路を取って追い出す。内へと切れ込みながら伸びて行く。その後ろにいたメイケイペガスターも、僅かなスペースに入って行く。先にグットレインボーが馬群をすり抜けて出て行った。しかしメイケイペガスターも半馬身遅れで通過して行く。やや内へささったのか、グッドレインボーが内ラチ沿いを伸び出す。しかし後ろからメイケイペガスターの伸びがまるで違う脚色だ。ステッキを数えたら4発入っただけ。後はもう勢いついてゴール板を駆け抜けて行った。

最後の2ハロンが10.8~11.3のラップである。そこをもっと上廻る数字で切れて行ったメイケイペガスター。ゴール板の最後は、これもまた内へささっていた様子である。何せアクションが違う。本来なら福永Jのグッドレインボーで勝ちパターンの競馬だろう。それをその後ろから同じ様に出て行き、もっと凄い切れ味で交して行ったメイケイペガスター。パドックで周回する馬を観ていた時とはまったく違う印象を受けたものだった。いやいや恐れ入りました・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。