【JC・2週前レポ】エイシンフラッシュ“正しいことを正しくやる”

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天皇賞(秋)で日本ダービー以来の勝ち星を挙げ、2つ目のG1タイトルを手にしたエイシンフラッシュ(牡5、栗東・藤原英厩舎)。
レース後は、11月25日(日)に行われるジャパンカップ(G1)へ向けて、調整が進められているが、JCを2週前に控えた最中、厩舎の屋台骨を支える荻野仁調教助手に中間の状態をうかがった。


-:久しぶりにビックリするような脚だったのですけれど、あの後の疲れというのはどうですか?

荻野仁調教助手:あれだけ走ったら疲れがない訳ないのでね。疲れただろうと思います。

-:でもすぐに運動に出ていたので、安心はしたのですが。

荻:そうですね。脚元と体を全部チェックして、それから運動ですね。疲れを取るような運動をして。

-:2年5ヶ月ぶりの勝利でしたね。

荻:もうねえ、なんか感動しましたよ本当に。内々でずっとキッチリ2000を走って、フラッシュのための道が開いたという感じで。

-:色々恵まれた面もあったと思うのですが、逆にこれまで2着とかまでは来ていて、もうちょっとが足りないという部分もあって……。

荻:あの馬が強いのは助手も分かっていて、ダービーも獲っていて、普通の馬じゃないというのが分かってるのに結果が出ないというところで。ここまで脚元とか、馬が無事に来ているというところに厩舎スタッフとしては凄く評価しているというか、凄いことだと思っています。
皆で馬を信じてケアして、毎回その思いをレースにぶつけてきたのですが、それを走り抜けられる馬というところを誇りに思います。


-:そのスタッフの思いに応えたフラッシュを称えてあげたいですね。

荻:なんというか、ウチのボス(藤原英昭師)の信念というか、やっぱり凄いのでね。

-:同世代のヴィクトワールピサとかヒルノダムールとか、アクシデントもあった中で無事に居続けたということが、天皇賞(秋)の勝利に繋がったということですね。

荻:山元トレセンや社台のスタッフも一生懸命にやって勝ったから、皆で涙しました。お祝いの連絡もたくさん頂いて、最高ですよね。天皇陛下がご覧になっているレースを勝つのですから、やはり特別な馬だなと。

-:期待というのはあつかましいもので、こうなったらもう一丁とファンもなるのですが。

荻:なりますよね。あの強さを見ると。いい状態をキープして。毎回なんですけど、期待に応えないといけないというプレッシャーは。ボスからも「平常心や」と言われますし、“正しいことを正しくやる”がスローガンなので。

-:藤原厩舎のモットーは基本に忠実というか。

荻:そうですね。いつもそう思って取り組んでいます。

-:調教過程について教えてください。

荻:馬のほうは、もう一回デキているので、またそこのレース(JC)まで持っていくような調教で行くと思います。

-:では、あと2週間……。

荻:そうですね。2週間ですね。

-:また来週もお話聞くと思いますのでよろしくお願いします。

荻:はい。わかりました。よろしくお願いいたします。


荻野仁調教助手(栗東・藤原英昭厩舎)
卓越した調教技術は、専修大学時代の馬術チャンピオン(障害)という裏付け。藤原英昭厩舎の開業当初から調教助手として屋台骨を支えており、フードマンとして各担当からの意見を取り入れ全頭の飼い葉を調合している。2つ上の先輩である藤原英昭調教師とは小学生時代から面識があり、両人の絆と信頼関係は絶大。名門厩舎の躍進を語る上でこの人の名前は欠かせない。