フリオーソ現役最後の追い切り「普段でもこれだけ追ったことがない」

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12月29日(土)に大井競馬場で行われる暮れのダート王決定戦・東京大賞典(G1)に出走を予定、同レースをもって引退を予定しているフリオーソ(牡8、船橋・川島正厩舎)の追い切りが、25日、船橋競馬場で行われた。これまでに6つのG1タイトル、史上初の4度のNARグランプリ年度代表馬に輝いた地方の雄にとって、これが現役最後のリハーサル。

この日は、浦和競馬の場外発売だったこともあり、ファンも見守る中、調教パートナーでもある佐藤裕太騎手(レースは戸崎騎手)を背に姿をみせたフリオーソ。悠然と船橋競馬場のコースを並脚、キャンターで周回し、いよいよエンジンを加速。
テンから速めのラップを刻むと、鞍上も「普段でもこれだけ追ったことがないほど、テンからビッシリいきました。最後だから悔いのないようにやりましたよ」と振り返るように最後はステッキも入って、61.6-48.7-37.3-12.5でフィニッシュ。闘魂注入と言わんばかりの稽古をみせた。

「ひと追いごとに高まってきていますね。体は8~9分のデキにはあると思いますし、よく休み明けでこれだけ仕上がってくれたと思います。
正直なところ、休み明けにしていいとしても、気持ちの面では本調子の時よりは、ちょっと劣っている部分はありますが、追い切りを終えても、意外にケロっとしていましたし、この追い切りで変わってくるんじゃないかと思います。あと2回、僕は乗ることがありますが、無事に送り出すのが僕の仕事。気負いすぎて、馬に負担がかからないようにやりたいですね」と同騎手はやりきった表情をみせた。

その後は担当する波多野敬二厩務員に連れられて、厩舎地区を周回。洗い場に移ると、冷水と氷をあてられて、脚元を冷やした。陣営も細心の注意を払っていることもあり、屈腱炎という爆弾を抱えた脚も、ひとまずは無事な様子だ。

「この歩様なら、今のところ問題ないですよ。流石に長期休養明けだから、絶好調時には及ばないし、一度たたいていれば、自信はあるんだけれどなあ。でも、これだけの馬だから、ただ出るだけなんていかないし、何とかいい結果を残して、引退させてやりたい」と同厩務員。

約7ヶ月ぶりの実戦だけに、100%の状態は望めないが、休明けとしてやれることはやったというところ。ラストランまで、あと僅か。帝王賞を2度制した大井の2000mという得意の舞台に、万感の思いを乗せて挑む。





洗い場でリラックスした表情のフリオーソ

氷嚢で脚元をしっかりアイシング