ダンツキャノンがマイペースで逃げ切る!!

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13年6月9日(日)3回阪神4日目5R 2歳新馬(芝1400m)

ダンツキャノン
(牡2、栗東・谷厩舎)
父:タニノギムレット
母:アイコチャン
母父:ピルサドスキー


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主導権を握らせたらそのまま残してみせる巧みなレース運びでは、東西で一番ではなかろうかと思える藤田Jの技術。この新馬戦でも、いや新馬戦だからこその技ありの勝利であった。
1000メートルが、何と1.01.5と、この距離ではかなりのスロー。2番手マイネルディアベルとほとんど馬体を並ばせていく。3番手のルイカズマが2着。4番手の好位を進んだ1番人気クールオープニングは、直線で前がビッシリ並んで隙間ができない、進路を探しているうちに競馬が終わってしまったといった印象であった…。

失礼ながら、パドックで馬を見渡して、ダンツキャノンだけは今回は走る要素は少ないな~と思ったほど。見るからに腹目が太く、まだ緩そうな馬体と見切ってしまう程。ファレノプシスの子供で、ダービー馬キズナの近親と血統的な背景で、当然にクールオープニングが1番人気。稽古より芝の実戦でどう変わるかと思ったパドックであった。
そして実戦となった。二の脚でダンツキャノンが前に出る。外ではルイカズマもいい出足だ。その2頭の中からマイネルディアベルが出てくる。ダンツキャノンと2頭で馬体を並べながらも、ゆったりしたペースだ。内目の3番手をクールオープニングが楽についていく。好位の5頭めにケイティーズスター。人気の1頭だ。ミヤジカールソンが、その外目につけて本当にユックリと進む。

4コーナー手前でもほとんどピッチは上がらずに、どの馬も手応え良く最終カーヴを廻ってきた。内で絶好の位置にいたクールオープニングも、持ったままの手応えで直線に入ってきたので、後は前が開けばどんな脚を使うのかと楽しみに待つ。上がりの競馬になった事で、なかなか前の馬の間が広がらない。少しずつ外へ出しながら、進路ができるのを待つ武豊J。しかし開かない。そのうちに、前はダンツキャノンがそのまま押し切りそうな勢い。2着も外をルイカズマが伸びている。その後ろも、どの馬もちょいと伸びれば勝てそうな処にいるのに伸びきれない。そのままゴールとなった。

最後の2ハロンの11.5~11.7が、このレースを全て物語るものであろう。クールオープニングが、次走の狙いめであるのは間違いなさそうだ…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。