エイシンフラッシュの引退式 中山でファンにお目見え

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23日、2010年の日本ダービー、2012年の天皇賞(秋)などを制したエイシンフラッシュ(牡6歳 栗東・藤原英厩舎)が12月23日(月)付けで競走馬登録を抹消。引退式が中山競馬場で行われた。

エイシンフラッシュは22日の有馬記念でラストランを飾る予定だったが、追い切り翌日の19日朝に右前脚の球節捻挫が判明。当初は引退式も中止となり、そのまま北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りの予定だったが「ファンに最後の勇姿を見せたい」という陣営の計らいにより、開催される運びとなった。

エイシンフラッシュの関係者コメントは以下のとおり。

【馬主 平井克彦氏のコメント】
「エイシンフラッシュは亡き父・平井豊光にとってかけがいのない馬で、馬主人生36年目にして初めてとなるダービーオーナーの称号を与えてくれました。人生最後の寿司を食べたのも天皇賞(秋)の夜でした。残念ながら昨日の有馬記念は回避となりましたが、G1レースの出走回数が17回で3着以内も8回と、タフさと安定した強さには驚かされました。種牡馬として第二の人生をスタートしますが、父に似たハンサム・美人な子供が誕生するかと思いますので、子供も応援してください。今までたくさんの夢を見せてくれてありがとう、お疲れ様、そしてこれからもよろしく」

【藤原英昭調教師のコメント】
「いつも元気に表舞台に立っていましたが、そこに至る苦労を少しでも分かっていただきたく、エイシンフラッシュの軌跡を映像にまとめました。エイシンフラッシュは日本男児らしく、我慢強くひたむきに走り、弱みを見せない強さを持っていました。能力も高かったため、いつも考えさせられながら励みにしていました。ダービーの勝利は今後経験できるか分からない貴重な体験です」

【ミルコ・デムーロ騎手のコメント】
「多くの方の前で勝つことができた天皇賞(秋)は、一生忘れられない思い出です。エイシンフラッシュは、決して諦めないとても強い馬でした。子供にもぜひ乗りたいです」

【内田博幸騎手のコメント】
「今は亡き平井豊光オーナーも天国で引退を見届けてくれているのではないでしょうか。エイシンフラッシュには難しい面がありましたが、能力がありスタッフが苦労して育てたことで、大きな栄冠につながったと感じています。自分が騎乗しなくなってからも、エイシンフラッシュの活躍を見て、彼の子供に乗りたいと感じていました。今まで夢と感動を与えてくれてありがとう、お疲れ様でした」

【生産者 吉田照哉氏のコメント】
「とても均整の取れた馬体で、いつも毛艶が良く輝いていました。顔もキリッとしていて、まさにサラブレッドという馬でした。折り合いが難しく、騎手も苦労したようですが、うまく決まった時はとても強かったです。シンジケートは人気があり、たくさんの種付け申し込みをもらっています。サンデーサイレンス系の牝馬に種付けができるので配合もしやすく、良い子供が産まれると考えています。エイシンフラッシュがここまで活躍できた要因である丈夫さを、子供もぜひ継いでほしいです」

エイシンフラッシュ
(牡6、栗東・藤原英厩舎)
父:King’s Best
母:ムーンレディ
母父:Platini
通算成績:27戦6勝
重賞勝利:
12年天皇賞(秋)(G1)
10年東京優駿(G1)
13年毎日王冠(G2)
10年京成杯(G3)