20キロ増も何のその!4歳馬サトノノブレスが押し切る!!

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14年1月19日(日)1回京都7日目11R 第61回 日経新春杯(G2)(芝外2400m)

サトノノブレス
(牡4、栗東・池江厩舎)
父:ディープインパクト
母:クライウィズジョイ
母父:トニービン


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関西地区は、前の夜から雪予報で開催が危ぶまれた程。重賞の前売りも中止となった程。滋賀の方は廻り一面が真っ白な銀世界が広がったが、京都も名古屋も白い処は何も見れない好天の開催となった。
重賞勝ち馬ハンデ戦の愛知杯を勝ったフーラブライドだけではあるが、菊花賞2着のサトノノブレス。そして条件を卒業したばかりのアドマイヤフライトだが、不安点をなくしてきての重賞再挑戦。そして有馬記念4着と大好走をしたラブイズブーシェとか、メンバー構成は面白い一戦となった。

スタートを切ってからの1ハロンが13.1。この間に誰も行く気がないと感じたC.ルメールJ。サトノノブレスを枠順なりの最内を利して、そのまま行く構えを見せる。サフランディライトが少しだけ前に出た1コーナーから2コーナーの間だったが、その後はもう誰にも先頭を譲らない。
最後のカーヴを併走気味で廻った後は、瞬時に後続組に3馬身ぐらいの差を一気につける。残り300ぐらいで外からアドマイヤフライトが矢の様に飛んできて迫っていくが、内ラチ沿いで加速していくサトノノブレスと、馬場の真ん中ぐらいを伸びていくアドマイヤフライト。みるみる差は縮まったが、最後はクビ差まで詰め寄った処がゴールであった。
それにしても思い切った戦法。誰がこの先行策を予測したのであろう…か。池江厩舎・ルメールJは、共に東西の金杯に続いての重賞ゲット。菊花賞でエピファネイアの2着のサトノノブレス。いよいよG1ウイナー達との戦いが始まろうとしている。そんな足音が聞こえる気がした…。


残念ながら日曜の早朝にギックリ腰をやってしまった。競馬場へ駆けつけることが出来ず。栗東の自宅でのTV観戦となった。栗東はどこまでも廻りは真っ白。ウソのような京都競馬場の快晴ぶりである。パドックを周回している馬を見ても、何か緊張感がない。やはり現場で馬を見ないとダメと実感する。フーラブライドとカワキタフウジンが毛艶とか良く見える。そしてビックリするサトノノブレスの先行策。スローの流れになるのかと思っていたが、決してそんなやんわりの競馬ではなかった。来るなら来いの意気込みだったのであろうか。

向こう正面から坂を上がっていく時が、それまでよりもリードを広げて1馬身ぐらいサフランディライトステラウインドとの差を開けた。しかし坂の下りでまた接近してきて、4角は3頭が並び加減で廻る。カーヴを小さく廻ったサトノノブレス。一気にそこで差が開いた。3、4馬身の差があったのではないか。ルメールJのステッキが唸る。後続からどの馬が伸びるのかと見ていたが、外目に出したアドマイヤフライトの伸びが、他馬より断然いい。コウエイオトメ、フーラブライドの内目の馬の伸びとまるで違う伸び具合で前に迫ってく。TVの映像では、まるで外のアドマイヤフライトが交したかの様に映し出す。しかしよくよく見ると、けっこうな差をもってサトノノブレスが先んじていた。

検量室前の枠場にC.ルメールJがサトノノブレスと入ってきた。池江調教師とハイタッチのシーンが映し出される。そしてその後の勝利インタビューも眺める。勝ちに行っての勝利である。それだけ自信を持って臨んでいたという事であろう。
2番人気ながら、1番人気のアドマイヤフライトとそうは変わらぬ支持ぶり。本当にお客様は目が肥えている。これなら競馬は安泰であろうと思える。
それにしても、ディープインパクトの子供は凄いな~と改めて感じる。今年もどの年齢でも好走、快勝が目立つ。相変わらずの勢いでもある。
新たに重賞ウィナーに加わったサトノノブレス。昨年、クラシックは菊花賞だけのチャレンジでがあったサトノノブレスだが、この春は先を行くライバル達に追いつけと進んで行くのであろう。面白くなってきた感である。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。