フーラブライド 重賞2勝目で実力証明!「もう強さは本物」

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ここでラストランを迎え、繁殖入り前に最後の一花を咲かせようとするベテランと、春の飛躍へ懸ける新鋭が一堂に会する牝馬限定のハンデ決戦・第32回 中山牝馬S(G3)(芝1800m)は、2番人気に支持されていたフーラブライド(牝5、栗東・木原厩舎)が、鮮やかに差し切り勝ち。昨年暮れの愛知杯に続く2つ目の重賞タイトルを手に入れた。

小回り中山のハンデ戦という、戦前から大混戦が予想される条件だけに、スタートから各馬が激しくポジションを奪い合う。その中で、フーラブライドは他のどの馬よりも落ち着いたレース運びを見せていた。

「いいスタートが切れ、道中は折り合いを重視して進めました。人気馬を見ながらスムーズに運べ、3コーナーから動きました」3走前から手綱をとり、快進撃の原動力となっている酒井学騎手は、好スタートを決めた後も焦ること無く折り合いに専念し、愛馬の最大の武器である終いの脚に懸けた。

3コーナーから徐々に前へと進出。直線を向くと、愛知杯でも接戦を演じたキャトルフィーユと外から並ぶようにして、先に抜けだしたケイアイエレガントへと襲いかかる。3頭横並びの状態で中山の急坂を登り切ると、フーラブライドはただ1頭、そこからもう一段の加速を見せた。

「スタミナもありますので、最後は内にもたれながらでも、長くいい脚を使ってくれましたよ」牡馬相手の2400m戦でも3着と健闘したスタミナと、上昇カーブを描き続ける成長曲線を証明するかのように、最後は堂々と抜けだしての快勝。同着の2着に入線したキャトルフィーユとは愛知杯から斤量差が逆転していたものの、着差は愛知杯以上の1馬身1/4差をつけてみせた。

「馬が力をつけていますね。もう強さは本物ですし、この先が楽しみになる勝ち方でした」重賞で連続好走しながら、今回もハンデは53キロとやや恵まれた印象もあったが、鞍上はあくまで馬が大きく成長を遂げた結果の勝利であることを強調する。

2つ目の重賞タイトル獲得によって、一気に今後への視界が開けたフーラブライドだが、管理する木原一良調教師は「馬との相談になりますが、ヴィクトリアマイルに直行させたい気持ちが強いですね。直線の長い府中なら、マイルもこなしてくれるんじゃないかと期待が膨らみます」と、この後は春の女王決定戦への直行が濃厚であることを語った。
今の勢いと充実度を持ってすれば、更に上のステージでの活躍にも大きな期待を持てそうだ。

【木原一良調教師のコメント】
「以前は弱いところがあり、ダートを使っていましたが、押しても行けなかったんです。馬が完成されてきたので芝に目を向けたら、どんどん競馬が上手になってきました。落ち着きがあり、本当に賢いですよ。この距離でも流れに乗れ、しっかり伸びてくれました。使い込んでも飼い葉が上がりませんし、決してめげない精神的な強さもある。馬との相談になりますが、ヴィクトリアマイルに直行させたい気持ちが強いですね。直線の長い府中なら、マイルもこなしてくれるんじゃないかと期待がふくらみます」


ヴィクトリアマイルへ向けて意気込みをみせた木原一良調教師(左)と酒井学騎手(右)