QE2C出走メンバー決まる[和田栄司コラム]

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27日に香港シャティン競馬場で行なわれるG1クイーンエリザベス2世カップのセレクションメンバーが、11日香港ジョッキークラブから発表された。

G1クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m)
ミリタリーアタック(セン6歳/オラトリオ)(HK)
アキードモフィード(牡5歳/ドバウィ)(HK)
シリュスデゼーグル(セン8歳/イーヴントップ)(FR)
ドミナント(牡6歳/カシーク)(HK)
エピファネイア(牡4歳/シンボリクリスエス)(JPN)
ヴァーシンゲトリクス(牡4歳/シルヴァーノ)(SAF)
デザインズオンローマ(セン4歳/ホーリーローマンエンぺラー)(HK)
パッキングウィズ(セン6歳/トレードフェア)(HK)
ディバヤニ(セン4歳/シャマダル)(HK)
アンコイルド(牡5歳/ジャイアンツコーズウェイ)(JPN)
サンシャーウェス(セン4歳/アシャーウェス)(SAF)
セイムワールド(セン6歳/ホークウイング)(HK)

外国馬5頭を含み申し分のないメンバーが揃ったが、先行馬不在で展開予想が難しい。一応、ミリタリーアタック、ドミナント、デザインズオンローマを抱えるジョン・ムーア厩舎4頭出しの1頭セイムワールドを、前走G3プレミアプレートを先行(3着)していることからペースセッターとして考えてみた。

香港勢7頭の内、ミリタリーアタックとアキードモフィードはDWC(10着と5着)、ドミナントはDSC5着後のレースになる。2012年、アンビシャスドラゴンはDDF7着の後チャンピオンズマイルに出走して4着、カリフォルニアメモリーはDDF12着の後5着。ドバイ遠征での5着以下は巻き返しが難しい。

ヴィヴァパタカは2006年から5年連続で出走、HKダービーを勝って臨んだ2006年は6着、2007年はHKゴールドカップ2着の後ここに備えDSCを勝って来たヴェンジャンスオブレインとDDFを勝った日本のアドマイヤムーンを抑えて優勝、2008年はDSC2着の後3着、2009年はチェアマンズトロフィー3着の後2着、2010年も同様のステップで2度目の優勝を果たしている。

外国馬では、2006年のイリディセンスがカーニバル中のバランチーンを勝った後の直行で優勝、2008年のアーチペンコがDDF3着から優勝、2009年にはプレスヴィスがDDF2着から優勝した。タペタ元年の2010年にはDWC2着のリザーズデザイアが2着、2005年はグレイズインがDSC4着から2着、2006年のウイジャボードはDSC4着から3着している。

HKダービー馬の優勝は、過去10年のデータからは2005年のヴェンジャンスオブレインと2011年のアンビシャスドラゴンの2頭だけだが、2005年にはダービー2着のラシアンパールが3着、2009年はダービー2着のサムザップが3着、2010年はダービー馬スーパーサテンが3着、2012年はダービー3着のスウィートオレンジが3着している。

人気になりそうなミリタリーアタック、アキードモフィード、ドミナントには良いデータが残されていないが、逆に日本の菊花賞馬エピファネイアにはマイナス点がないだけ心強い。ドバイ組では、DSC2着のシリュスデゼーグル、DDF2着のヴァーシンゲトリクスが頼もしい。あとは今年のダービー馬デザインズオンローマだろう。

アイルランド時代はG1ヴィンセントオブライエンS2着を含む5戦1勝、2着2回、3着1回の成績を誇り香港に移籍。昨年2戦目にクラス1を勝ち、4戦目のクラス1で2勝目を挙げた。今年はHKクラシックに挑戦、クラシックマイルこそ半馬身差の2着に終わったが、1800mのクラシックカップは中団から追い込んで優勝、2000mのダービーは後方からの追い込みでニ冠を奪取している。

12日の豪州シドニーのランドウィック競馬場で行なわれたG1ドンカスターマイルは、へヴィ9表示の不良馬場で行なわれた。日本から遠征したハナズゴールは道中最後方にポジションを取ったが、スローペースと直線外に出すしかなく、追い込んだものの6着に終わった。初戦のクールモアクラシックの時のような出遅れは無かったが、位置取りとペースに翻弄された感じである。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。