【仏・ガネー賞】凱旋門賞馬トレヴ 初の敗戦!

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昨年の凱旋門賞を制したトレヴ(牝4、仏・C.ヘッド厩舎)が生涯6戦目で初の敗戦を喫した。

凱旋門賞と同じロンシャン競馬場で行われたガネー賞(仏G1)。距離は2100メートル。単勝オッズ1.4倍。カタール王族のシェイク・ジョアンが設立したアルシャカブレーシングの新たな勝負服で主戦のL.デットーリ騎手が手綱をとった。

出遅れ気味のスタートを切ったトレヴは道中最後方を追走し、フォルスストレートでは2番人気のシリュスデゼーグルを射程圏にとらえたが、直線の熾烈な叩き合いに敗れ短クビ差の2着でゴールした。


騎乗したデットーリ騎手は「いったんは前に出たけれど、そこからいつものように突き放していけなかった。(差し返されたのは)道悪の巧拙も影響したかもしれない。残念ですが一度競馬を使ったことで次のアスコットでは良くなると思います」と語り、次走に予定されているプリンスオブウェールズS(6月18日 アスコット競馬場)での巻き返しを期した(不良馬場の勝ち時計2分14秒13。レースの上がり3Fは38秒74)。

ガネー賞はミルリーフやアレフランスといった仏競馬史に燦然と輝く名馬たちが歴代の勝ち馬に名を連ねてきた伝統の一戦。殊勲のシリュスデゼーグルは4年前のジャパンCに出走した経験も持つ8歳馬で、GⅠは通算4勝目。この日はジェンティルドンナに敗れたドバイシーマクラシック(2着)以来の競馬だった。「子供のころからのアイドルだったフランキーと、仏競馬史に残るこれほどのレースが出来て嬉しい」と語ったスミヨンは、ウイナーズサークルでフライングディスマウントを披露して観衆を沸かせた。

トレヴを管理するC.ヘッド調教師は「シリュスも素晴らしい馬ですし、これも競馬。こちらは休み明けで、相手はすでに今年2度使われていた差もありましたから悲観はしていません。プリンスオブウェールズS→ヴェルメイユ賞→凱旋門賞のプランに変更はなく、我々が情熱を失うこともありません」と穏やかな表情で話した。1977、78年のアレジッド以来途絶えている凱旋門賞連覇の偉業を目指すフランスの女王にとって、ロイヤルアスコットの舞台は真価を問われる一戦となる。

なお、シリュスデゼーグルはセン馬のため凱旋門賞の出走資格は有していない。



取材・文=沢田康文