【香港国際競走】藤原英昭調教師 管理馬3頭出しで海外初Vへ!

12月14日(日)に香港のシャティン競馬場で実施されるロンジン香港国際競走に今年は日本馬が大挙9頭がエントリー。現在、JRAリーディングトレーナーの勝率部門で熾烈な首位争いを繰り広げる藤原英昭厩舎は、国際G1が一日に4レースも行われる中で、うち3レースに管理馬を送り込む。

出走予定馬3頭の中で最初に最終追い切りをこなしたのは、香港カップ(芝2000m)に出走予定のアルキメデス(牡5、栗東・藤原英厩舎)。中山記念(2着)以来、約9ヶ月半ぶりの実戦を海外で迎えることとなったが体調は良好。シャティン競馬場の芝コースで軽快な動きを披露している。時計は4F51.1-2F22.2秒と記録された。

「今日の追い切りの指示は馬場を確認してということで、馬がこの芝でどんな走りをするのかを確かめました。乗ってもらった助手も適応していると言ってくれました。まずは適応してくれないといくら作ったとしても意味がないのでね。そういう意味では乗り手が対応出来ると言ってくれたのが一番です。休み明けなのでパワーはありますし、しっかりしています」と藤原英昭調教師自ら手応えを口にする。

中山記念の後は4月の香港・クイーンエリザベス2世Cへの参戦プランもあったが回避。「選んで頂いたのにちょっと疲労が重なって辞めてしまって。なので、ここは何とかという思いでやってきました。元々、ここに適応すると思って来ていますからね。そういう意味でトーセンラーは連れてきていない訳ですよ。アルキメデスに関してはその確認というのが今日の大きな課題でした」と今回の遠征に懸ける意気込みは強い。

アルキメデス

久々の実戦も順調のアルキメデス(阿基米德)。時計は4F51.1-2F22.2秒を記録。


なお、香港マイル(芝1600m)に出走予定のフィエロ(牡5、栗東・藤原英厩舎)、香港スプリント(芝1200m)にエントリーのストレイトガール(牝5、栗東・藤原英厩舎)はいずれも11日に最終追い切りが行われる予定だ。

「3頭も選ばれたことには本当に感謝していますし、連れて来られるのは誇りにも思います。その辺りは責任を感じながら、加えて勝利を目指しながらやれればと。何より選んで頂いたことに対して感謝する思いで、良いパフォーマンスを見せられるようにと思っています」


これまでタスカータソルテ、エイシンフラッシュと共に海外遠征を敢行も最高着順は3着。今回は待望の海外初勝利が期待されるところ。

「香港での経験に関してもスタッフは昔から来ていますし、今回は3頭連れて来るのに伴う人数も居ますから、むしろ来年、再来年に向けての経験という意味では大きいと思います。もちろん今でも経験値はありますが、それが1人、2人だけでなく、今回は3人、4人となるのでね」と飽くなき向上心を窺わせつつ、「常に浮かれずしっかりと馬の管理をして、いつものスタンスと一緒で臨みたいですね」と時折笑みを浮かべながら語った。

今回の出走馬3頭はいずれもG1勝ちこそないが、異国の地で初の栄冠が十分に狙える実績の持ち主。「枠は私が引くので少し不安です(笑)。アルキメデスは内、あとの2頭は真ん中辺りが良いですね。そこはこっちが引くわけですから、運を引き寄せられるかどうか。そこも勝負なので重要です。ただ、ここに来る人はみんな運があるので」と万全を尽くし、静かに決戦の時を待つ。

フィエロ

マイルCSから中2週も堂々参戦のフィエロ(引以為榮)


ストレイトガール

国内G1惜敗続きの悔しさを晴らしたいストレイトガール(真誠少女)


藤原英昭調教師

藤原英昭調教師