【4回阪神】ロライマ…小平奈由木の注目新馬レポート

ロライマ
(牡2、栗東・松田厩舎)
父:キングカメハメハ
母:ミルフィオリ
母父:サンデーサイレンス

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にベルシャザール(JCダート)、ホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典)、ハタノヴァンクール(ジャパンダートダービー、川崎記念)、タイセイレジェンド(JBCスプリント)と、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。この世代からも大物の誕生が待たれる。

母ミルフィオリ(その父サンデーサイレンス)は4勝をマーク。同馬の兄にミルドリーム(4勝)、サトノバリアント(現2勝)がいる。祖母が偉大なミルレーサー(G1・ベルデイムSを4着)であり、その産駒にはシャイニンレーサー(マーメイドS)、フジキセキ(朝日杯3歳S、弥生賞)、アグネススペシャル(オールカマー2着、新潟記念2着)ら、活躍馬がずらり。社台サラブレッドクラブにて総額6000万円で募集された。

社台ファームでの基礎固めを経て、6月7日には山元トレセンへ移動。順調にスピードメニューを消化したうえ、7月16日、栗東に到着した。30日のゲート試験をパスすると、暑い時季も入念にタイムをマークする。長めの芝にも対応できそうなフットワーク。先週のウッドコースでは馬なりのままでラストをシャープに伸ばし、いきなり勝負できる態勢が整っている。

9月27日(日)、阪神の芝2000mにスタンバイ。クリストフ・ルメール騎手が手綱を取る。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。