直線入口で並びかける競馬でメイショウダビンチが勝利!

トピックス

土曜小倉5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.09.8

メイショウダビンチ(牡2、・父オレハマッテルゼ・栗東・松永昌厩舎)

競馬新聞をタテから横にしてみても、《ケイアイユニコーンとメイショウダビンチの一騎打ちだな~》と思える調教時計欄。実際に周回している馬を見ても、ややケイアイユニコーンが優勢かな・・と思っていた。
4コーナーを回ってケイアイユニコーンが内めから前へ出た時にも《やっぱりか~》と思っていたのだが、メイショウダビンチがそのケイアイユニコーンに並びそして抜いて行った時には、もうしっかりと応援の気持ちになって見られていた。
下馬評が下馬評。《競馬はやってみないと判らないものですな~》と思って検量室へ。鞍上の武豊Jにコソッと『どう~?』と聞くと『悪くないよ~』といい返事が返ってきた。

パドックでジョッキーが跨って周回して行く時に、すぐそばから可愛い声で『パパ~、頑張って~!!』と。すると鞍上の幸Jがニコっとして通った。『ああ、幸Jの家族なんだ~』と思った。《いいね~、ローカル競馬は・・・》とほほえましい光景に、こちらも思わずホッコリだ。

最内のクリノラウエンがモサッとしたゲートの出。その後も馬自身に走る気がないのか、ダッシュもつかずに最後方を終始だった。内からドーントレスが出て、2番手トウケイオリオン。その外を押してケイアイユニコーンが続く。外でノードラメール。内にメイショウダビンチと続き、その後ろをシゲルアンズといった隊列で進む。

1ハロンを過ぎて先頭のドーントレスが2馬身ぐらい先行。2番手が3頭固まって、その真ん中にケイアイユニコーン。メイショウダビンチは、直後1馬身後ろの内めだ。その隊列が2ハロン過ぎまで続き、今度は3コーナーのカーヴを回って行く時に、2番手にケイアイユニコーンが上がり3番手にノードラメールが続き、そこから少し離れてトウケイオリオンとなって、メイショウダビンチはその外へ出した様子だ。
4コーナーのカーヴに入って行く時は、外へ出したメイショウダビンチが、前を行く8枠両馬の真後ろをいい感じで上がってきている。

カーヴを回って直線に入ってきた。内の2頭目で逃げたドーントレスの外をスルリと抜けてきたケイアイユニコーンが先頭。ノードラメールの外を、メイショウダビンチがいい手応えで上がってきた。

直線1ハロンで、完全にケイアイユニコーンとメイショウダビンチが馬体を並べた。むしろ外のメイショウダビンチの勢いの方がいい。その後ろをシゲルアンズが上がってきている。左ステッキで促す幸Jにケイアイユニコーンがもう一度前へと出ようとするが、外のメイショウダビンチと手綱を押す武豊Jの勢いの方が上回る。
着差はクビではあったが、もっとあった様に思えたゴール前であった。
実際に、ステッキは直線1ハロンあたりで叱咤激励のために1発入っただけで、あとは手綱を押すだけだった。

レースを終えて、後刻にオレハマッテルゼを管理していた音無師と偶然にバッタリ出逢った。《なかなか悪くなかったね~》と喜んでいた。
ここらが競馬の縦の流れ、いいもんですな~・・・。


土曜札幌5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.11.4

アラフネ(牝2、父クロフネ・美浦・高橋裕厩舎)

逃げたアポロライダーの2番手を進んだ、1番人気のジャズドラム。道中の行きっぷりも当然にいい。4コーナーで馬体を外へ出して、アポロライダーの外へと並べてきた。その時にさらに外へと馬体を寄せてきていたアラフネが、なかなかいい手応えだ。直線へ入って追い出すと、やっぱり手応えどおりにアラフネが前へと出て行く。ジャズドラムが何とか粘ろうかというところへ、モズベラベラが終い脚を伸ばしてジャズドラムを交して入った。

ポーンとしたダッシュの馬がいるわけでもなく、ダラダラとしたゲートの出方だった各馬。そんな中から外ジャズドラムが前へ。内からアポロライダーが前へと出てきて2頭が並ぶ。内のアポロライダーに行かせて、2番手でジャズドラムは進める。
1ハロンを過ぎ2ハロンめにかかろうかの時に、馬の中をダッシュがついたアラフネが上がってきていた。
3ハロンでは、ジャズドラムが前と差を詰めて上がって行くと、同時に自分も上がって行くアラフネ。
4コーナーのカーヴへ入ってくる時には、3頭の外めとなって直線を迎えている。内で4番手がシェーンガルテン。さらにトライチャンスと続き、その後ろに追いながらモズベラベラが追走している。
4コーナーではアポロライダーの手応えが怪しくなり、外のジャズドラムとアラフネの一騎打ち様相となってきた。

直線1ハロンでまで内で粘っていたアポロライダー、ジャズドラムが3頭の真ん中。その外でやや脚色優勢なアラフネが並ぶ。その直後にシェーンガルテン。そして外にモズベラベラが左ステッキに促されて脚を伸ばしてきている。
ジャズドラムとアラフネの追い合いとなってきた勝負の行方。ややアラフネが優勢となってゴールが近づいてきたが、外からモズベラベラが猛追してくる。半馬身差まで追い詰めたところがゴールであった。
そして4着に突っ込んできたのがデンコウスナイパー。勝負には関係ない位置となってはいたが、使った脚がなかなか見事なもの。次走はおおいに注目であろう。
そしてキングモンブランだが、後方から後方と見ため以上に悪い馬場を気にしていたのであろうか、サッパリなレースであった。次走どれだけ変わってくるのかだ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。