ハッピースプリント2ページ目
2014/7/2(水)
JDDは東京ダービー以上のデキで！
－：JDDもできれば外枠がいいですか？
吉：外から流れに乗りたいです。逃げ馬を見据える位置で競馬したいですね。
－：JRAの馬が入ってくると、ちょっとペースが変わりますよね。それでも前につけたいですか？
吉：ハッピーのペースで行きたいです。ダービーはテンで36、7使ってます。それ以上に速くなるというのはないと思いますし、ダービーはそれを見据えての仕掛けでした。JDDでは周りの馬が35までのテンで行くのか、という話ですよね。そんなペースでは絶対に行かないと思いますので、そういう部分では心配はしていないです。スピードにも対応できると思いますし、相手が強くなるほどハッピーも時計を出せると思います。
－：東京ダービーで負かした馬との勝負付けは済みましたか？
吉：そこまでは言い切れませんが、ハッピーのデキが7割だったことを考えれば、まだお釣りがあると思います。それに、ダービーは乱戦になって、後ろからの馬がくるというのが過去に多い流れだったのですが、それを断ち切ることもできました。ダービーでもああいう競馬ができるのもハッピーの強味だと思います。僕もあの強い競馬をさせて、最後に脚があがったらどうしよう、と不安でしたが、馬を信じるしかありませんでしたし、そんなことで負ける馬ではないとも思っていました。
－：実際に思っていた通りだったと。
吉：思っていた以上です。テンであれだけ行っても、上がりで脚をしっかり使ってくれて、逆に自信が持てました。
「ダービーが終わった後に実際に会いに行って、状態を見てきました。そんなにダメージもありませんでした。羽田盃の後はだいぶ疲れが出たみたいで、ダービーであれだけの競馬をしてもダメージが少ないのは、緩く作った分、体の柔らかさでカバーできたのかなと思います」
－：JDDに向けて、今のところ大きな不安はないですか？
吉：不安と言うよりも、あとは楽しむ感じです。厩舎もそうだと思います。JDDへの出走はダービーを勝ってのご褒美だと思いますし、僕も楽しんで乗れればな、と思います。厩舎も最大目標は東京ダービーでしたからね。
－：JDDはそもそも出るかどうかも分かりませんでしたからね。ハッピースプリントのレース後の状態は、厩舎から聞いていますか？
吉：ダービーが終わった後に実際に会いに行って、状態を見てきました。そんなにダメージもありませんでした。羽田盃の後はだいぶ疲れが出たみたいで、ダービーであれだけの競馬をしてもダメージが少ないのは、緩く作った分、体の柔らかさでカバーできたのかなと思います。僕が跨る2本の追い切りを順調に消化して、羽田盃以上のデキで挑みたいと思います。
歴史に名を残す馬に
－：ハッピースプリントのJDD後のプランは決まっていないのですか？
吉：決まっていないと思います。今のところは何も考えられないです。北海道に返すかもしれないですね。休養がてらというのもありますし、1度は北海道に戻すとは思います。
－：どちらにしろ、吉原騎手の手からは1回離れる感じですか？
吉：そういうことになると思います。馬主さんもずっと乗って欲しい、と言ってくれているので、僕が乗れるレースに使ってくれるかもしれないです。こうやって乗せてもらえるだけでも本当に有り難いことですし、ダービーを獲らせて頂いて、それだけで何の不満もないです。
「ハッピースプリントは僕が理想としている競走馬そのもの、という感じです。もし、夢でこんな馬に乗りたいなというのがいれば、ハッピースプリントですね」
－：ハッピースプリントの将来性はいかがですか？
吉：本当に凄い馬だと思います。南関東で走るにしても、古馬にも負けないレベルだと思いますし、ダートグレードをどんどん獲っていける馬だと思います。無事に、順調に行ってくれれば、本当に歴史に残るほどになっていくと思います。中央にはそういう馬がゴロゴロいるのかもしれませんが。
－：吉原騎手から見たハッピースプリントの走りはどういうタイプですか？
吉：僕が言うならば、僕が理想としている競走馬そのもの、という感じです。もし、夢でこんな馬に乗りたいなというのがいれば、ハッピースプリントですね。「完璧」は言い過ぎかもしれませんが、理想通りにこうあってほしいな、という全てを持ち合わせている馬です。
ハッピースプリントは可能性の塊
－：普通の馬と、ハッピースプリントの走り方ではどこが一番違いますか？
吉：ササらない、張らない、まっすぐ走る、暴れない、従順、動きたい時に動ける、抑えられる、自由自在などです。めちゃくちゃ扱いやすいです。
－：弱い馬でも扱いやすい馬はいます。それとは何が違いますか？
吉：扱いやすい大人しい馬というのを超えて、そこにスピード、パワー、バテないなどが合わさるんです。
－：そういう馬はどうしても扱いにくくなってくるものですよね。
吉：そして、前にいる馬を交わし切る。この能力の高さと根性。頭も良いです。だから、追い切りなんかでは絶対に負けないです。負ける感じがしないです。最後まで苦しくならずに走り切ります。
－：ソラを使ったりもしないですしね。
吉：ソラはちょっとあるかもしれないです。「交わしたよ。どうだい？」って。そういうところはありますが、脚があがらないです。苦しくて目一杯だよ、っていうのがないです。限界がないみたいで、そんな馬はいないんですよ。追い切りでも今日はこれだけでいいよって、僕が最後は抑えて入っています。目一杯に追ったことはないですから。
－：距離もマイル以上から万能ですよね。
吉：意外とスプリントを使っても勝てると思います。それぐらい能力でカバーできると思います。
－：名前がスプリントですしね(笑)。提案してみますか？
吉：全タイトル獲れそうです(笑)。
－：前に芝を使うかもと聞きましたが、それはどうですか？
吉：京浜盃の追い切りの時に、これは芝でも行けるのかなというトビでしたが、京浜盃を使ってから馬が変わってしまい、完全にダートの走りになってしまいました。だから、今の馬のつくりだと芝は走れないかと。能力があるので、そこそこは来るでしょうが、勝ちきれるまではないと思います。それに、芝の方がダメージが多いですし、消耗が凄いですから、長持ちさせるなら絶対にダートだと。だから、よっぽど使っても洋芝の札幌記念ぐらいですかね。
－：2歳の時に、京浜盃ではなくドバイに行く話がありました。これからの可能性はどうですか？
吉：行きたいですね。今は全くそんな話は無いのですが、馬主さんが海外遠征も好きですし、今度こそドバイ参戦という話になるかもしれません。それは所属関係なく乗れますしね。
－：しかも、ドバイはダートコースに戻りますよね。夢はドバイWCですか？
吉：JDDを勝てば、そんな話が出てきても不思議はないでしょう。もし、そういうプランになれば、ぜひ一緒に行きたいです。
－：まずは、JDDのレース内容に期待しています。有り難うございました。
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■主な表彰 |
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デビューイヤーに95勝、JRAでも勝ち星を挙げるなど、輝かしい騎手デビューを果たすと、翌年には金沢競馬史上最速で地方通算100勝を達成。06年にはオーストラリア遠征を敢行、08年には史上最年少でNARグランプリベストフェアプレイ賞を受賞。 |
