絶好調だった今期のハイライト
2014/2/5(水)
-:今期(1月)は今日までで13勝という結果でした。去年が年間で29勝だったんですが、重賞で言えば、京都金杯のエキストラエンド、日経新春杯のサトノノブレス、JCダートと武蔵野Sのベルシャザール、京都金杯のダノンシャークなどを勝たれた訳ですが、直近の自分の成績を振り返って、満足はされていますか?
ル:もちろん。今シーズンを振り返って満足をしています。シーズン的に良い馬に乗れる時と乗れない時の説明が付かないんですけど、ここ何年間は日本に乗りに来ていて、社台ファームを始めオーナーさんや、池江先生や角居先生など、トレーナーとも良い関係を築き上げてこられたからだと思うこともたくさんあって、そういうことが上手く噛み合って、今の良い成績に繋がっているように思います。
-:特に今期は今までで一番と言っても良いぐらいのハイペースでの勝ち鞍でしたよね。今年はこの後、年末に来る予定はあるのですか?
ル:もちろん戻ってきたいと思っています。日本で借りているアパートに物を一杯置いているので(笑)。
-:好調だったというか、良い馬に乗って良い結果を残しましたが、安藤さんから見て今期のルメール騎手の騎乗はどうでしたか?
安:元々、馬への当たりがすごいソフトだし、それにやっぱり落ち着いているよね。見てても全然焦らないもん。
ル:積極的な乗り方の人もいますが、自分はこういうスタイルが合っていると思っていて、自分の長所がそういうソフトで柔らかな乗り方だと自分で思っているので、それを変えようという気もないですし、今はそういう乗り方が上手く嵌まっているのかなと思います。
安:日本の競馬には絶対に合っているよね。そういう気がするね。
-:サトノノブレスは逃げて勝って、騎手の腕だなと安藤さんと話をしていたのですが、あのレースに関しては元々イメージがあったのですか?
ル:いいえ、そういう作戦だった訳ではなくて、トレーナーからの指示は「5~6番手から」でした。ただ、馬がリラックスしていたのと、他に行く馬がいない感じだったし、自分ではスローでペースが落ち着くかなという感じだったので。スタミナはすごくあることは判っていたので、そういう強みを活かそうと早めに前に行かせました。あの馬は天皇賞(秋)やJCがある4歳秋頃にはもっともっと強くなると思います。
安:菊花賞で2着に来た時は、岩田がこすいレースをして内々を回ってという競馬だったからね。ただ、エピファネイアが全然レベルが違ってたから、この前は正直どうなのかなと思ってた。オレは2着のアドマイヤフライトのほうが強いと思ってたの。以前に乗っていたから。あの馬はすごく乗り味が良いんだよ。
ル:直前でモタモタしているところがあったので、そのせいかもしれませんね。
安:並ぶと向こうの方が強かったかも知れんね。内、外離れていたから。あの馬は乗って良いんだよ。最初からすごい馬になると思ってたから。ただ、気管支の問題とか色々とあったの。自分が期待する馬が走ると引退後は特に嬉しくてねえ。その点、ベルシャザールも期待してたから。ああやって勝ってくれると、やっぱり嬉しいな。
-:結構、勝った馬についてはピックアップされることが多いんですけど、直近で負けてレースで下手に乗ったなとか、負けたけどこの馬は強くなるなといった馬がいれば教えて下さい。
ル:大きいレースではないですけど、普通のレースでもその都度、悔しいなと思うレースが幾つかあります。特にこの馬がというのはないですが……。ある程度は自分のプランを持ちながら、レースをできているので。
プロフィール
クリストフ・パトリス・ルメール
1979年5月20日生まれ。フランス国籍。
99年にフランス騎手免許を取得すると、間もなく頭角を現し、02年より短期騎手免許を取得して来日するようになる。日本では重賞勝利までに時間が掛かったが、05年の有馬記念では追い込み脚質だったハーツクライを先行させ、三冠馬ディープインパクトを封じて、初重賞奪取をG1制覇で飾った。他にもカネヒキリと挑んだ08年のJCダート、09年のウオッカでのジャパンカップ、13年のベルシャザールでのJCダートなど、来日時は大仕事をやってのけることでファンにも馴染みは深い。「日本は第二の故郷」と今秋も再来日を誓う、世界トップクラスのジョッキーである。
【安藤 勝己】Katsumi Ando
1960年3月28日生まれ 愛知県出身
76年に笠松競馬でデビュー。78年に初のリーディングに輝き、東海地区のトップ騎手として君臨。笠松所属時代に通算3299勝を挙げ、03年3月に地方からJRAに移籍を果たす。同年3月30日にビリーヴで高松宮記念を勝ちG1初制覇して以降、9年連続でG1を制覇。JRA通算重賞81勝(うちG1 22勝)を含む1111勝を挙げ、史上初の地方・中央ダブル1000勝を達成した。13年1月惜しまれつつ騎手人生に終止符を打った。今後は「競馬の素晴らしさを伝える仕事をしたい」と述べており、さらなる競馬界への貢献が期待されている。
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