【日本ダービー】福永騎手「ダービーが待ち遠しかった」

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23日(水)、栗東トレセンで行われたワールドエース(牡3、栗東・池江寿厩舎)に騎乗を予定している福永祐一騎手日本ダービー(G1)共同会見は以下の通り。

-:ワールドエースの追い切りに騎乗されました。今日はどういった指示があったのか、教えてください。

福永祐一騎手:普段は坂路での追い切りが多いんですけど、今日はCWコースで一番後ろから追いかけて、「最後はビシッと追っておいてくれ」という指示でした。前にいる2頭(トーセンホマレボシ、ダノンバラード)もオープン馬ですし、強い負荷をかけられていい内容だったんじゃないかなと思います。

-:乗っていての雰囲気、手応えはどうだったんですか?

福:久しぶりにコースでの騎乗だったので、どれくらいの感じでハミを取っていくのかなと思っていましたけど、一本目から非常にスムーズでしたし、道中の走りもすごくリラックスしていました。もともと調教ですごく動く馬ではないので、手応えはトーセンホマレボシよりも見劣る部分はありましたけど、シッカリ追えたってことがすごく評価できると思いますし、アノ馬なりにイイ動きをしていたと思います。

-:皐月賞当時と比べて更に良くなっている雰囲気は感じられますか?

福:うーん……、そうですね。雰囲気はすごくいいですね。歩いている雰囲気が。

-:それは馬の気持ちの面も高まってきたというところですか?

福:いや、非常に落ち着いてますし、ゆとりができているというか……。うーん……、まあ言葉ではちょっと上手く言えないですけど、雰囲気がいいなと。傍から見てても雰囲気がいいなと思います。

-:皐月賞は2着でした。改めて振り返って頂けますか?

福:スタート後に大きなロスがあって、ああいうことがあった後でもワールドエース自身は非常に落ち着いて走っていましたし、そういう意味では卓越した精神力を持っている馬だなと思いました。最後は非常にイイ脚を使ってくれましたが、内をすくった馬にやられたと言うか、一歩届かなかったですけど……。まあ改めて高い能力を持っている馬だと思いましたし、「東京競馬場に替わるダービーは、もっといいレースができるんじゃないか」と思わせるようなレースだったと思います。

-:見ていて「東京なら」と感じたファンの方は多いと思うんですが、乗っていても「中山よりも東京」と思われるところは大きいですか?

福:調教でもそうなんですけど、なかなかエンジンがかかるまで時間がかかるというか、すごくイイ手応えで回ってくる馬ではないので……。中山競馬場は小回りですから、やはりコーナーで動けるのと、上手に加速できずに動けないのとでは大きなハンデがあると思いました。東京競馬場は直線が非常に長い競馬場ですから、アノ馬にとっては力を発揮しやすいコース形態であると思います。

-:週末もお天気は良さそうですが、良馬場でできるというのも、この馬にとってプラスに働きそうですね。

福:そうですね。やっぱり調教であんまり動かないというのもあると思うんですけど、現状はタフな馬場よりは、軽い馬場状態の方が持ち味を発揮できると言うか、イイ脚を使えると思いますので、天気がいいのに越したことはないと思います。

ただまあ、先週も東京競馬場で乗っていましたけど、非常に速いタイムが出る状態なので……。オークス以外は殆ど前残りの状況でしたし、ペースによってはそのあたりにも対応していかなければいけないな、と思います。何より、レース後の馬への負担が心配ではありますね。ちょっと異常に速いタイムが出ているので……。まあ、だからと言って加減することはないんですけど、そこはちょっと考えていかなければいけないな、というところですかね。


-:福永騎手は13回目の日本ダービー騎乗になります。日本ダービーへの想いを聞かせて頂きたいのですが?

福:もちろん、全ての競馬関係者が目指すレースですし、一番ステータスの高いレースですから、ボク自身もそうですし、誰もが一番勝ちたいと思っているレースだと思います。自分の父もホントにダービーにかける想いは強かったですし……。

そうですね、こういう人気馬で臨めるダービーってのはそう何回もあるものではないですから、とにかく結果を出したいっていう気持ちは強いですけど、まあ馬にとっては人の都合なんて関係ない話なんで……。ワールドエース自身がキッチリいい走りをできるように導いて、一緒に一番先にゴール板を駆け抜ける姿をイメージして、いい騎乗ができればと。それだけを考えています。


-:先日、そのお父様と訪れた高知で、「ダービージョッキーになって戻ってきます」というふうに話されました。今年のダービーはかなりのチャンスを感じていらっしゃると思うのですが?

福:もちろんチャンスだと思います。当然、人気もするでしょうし。高い能力を持っている馬ですから。ただまあ、ボクもキングヘイローの頃とは違いますし、たくさん色んな経験をさせてもらって、「どういう精神状態で臨めばいいか」というのと、「どういうことをしなければいけないか」ということはもう分かってますから。

要は後は、自分がやらなければいけないことをどれだけ果たせるかだけだと思いますので。十数年前はこの時点で随分緊張してましたけども、今は非常に落ち着いて、イイ意味で緊張感を楽しみながらこれてますので、いつも通り、平常心でキチッとレースをしていきたいなって。ただそれだけです。


-:最後になりますが、改めて、レースに向けての意気込み、ファンの方々へのメッセージなど、お願いします。

福:はい。ホントにダービーが待ち遠しかったです。こういう、ダービーで人気する馬に乗りたいと思ってずっと仕事してきましたから。とにかくいい走りと、いい結果だけを考えて、当日に臨みたいと思っています。馬は落ち着いていて非常にイイ状態だと思います。当日、たくさんの方に応援してもらって、その方々の期待に応えて、1着でゴール板を駆け抜けたいと思っていますので、是非、応援よろしくお願いします。

-:デビューからずっと一緒に戦ってきて、ココまでの成長度は、一番どの部分に感じていますか?

福:調教でもそうですけど、デビュー前から結構ムキになって走るところがあったので、やはり、一番気をつけていたのは折り合いというか、距離をもたせるということでした。池江先生とはもうデビュー前から「ダービーへ」という共通の認識を持ってやれていましたので。

2戦目なんかも負けてしまいましたけど、ああいう経験が今に生きていると思いますし、今日なんか見ても、コースに入ってきての一歩目がもう全然違いますし、距離は延びますけど折り合い面に関しては、殆ど不安はないですね。今まではちょっと折り合いに気をつけながらの騎乗もありましたけど、今回はもう、そこはあまり心配していないので、勝つために攻めた騎乗をしたいなと思っています。


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