【皐月賞】トーセンスターダム無敗の戴冠へ「期待大きい」

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16日、皐月賞(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。トーセンスターダム(牡3、栗東・池江寿厩舎)は武豊騎手を背にCWコースで併せ馬。道中は3頭併せの最後方を追走。ラストは一杯に追われ、7F98.1-81.2-65.7-51.4-37.8-12.1秒を記録。直線ではアッサリと僚馬を交わし去り、最先着を果たした。

2週連続で追い切りに跨った武豊騎手は、「先週はタイムもよかったけど、若干やっぱり動きが少し重いかなと感じました。そういう意味では、今日の方が素軽い走りだったように感じますね」と好感触を得た様子。

有力馬が多数揃う中で唯一、無敗で臨むクラシックの一冠目。初コースや輸送など課題も多いが、「不安よりも期待の方がすごく大きい」と名手は言い切った。父ディープインパクトに次いで、親子で無敗の皐月賞制覇に挑む。


●武豊騎手「何か秘めているものがある雰囲気」

4月20日(日)に行われる皐月賞(G1)に出走予定のトーセンスターダムに騎乗する武豊騎手の一問一答は以下の通り。

-:トーセンスターダムについてお話を伺ってまいります。非常に多くの有力馬が顔を揃えた皐月賞となりました。その中でも最有力と言われるトーセンスターダムで迎えるクラシックの週というのは、どんな心境ですか?

武豊騎手:非常にわくわくしているというか、楽しみにしています。

-:前走のきさらぎ賞は無敗対決となりましたが、バンドワゴンを最後捉えきりました。あのレースから振り返っていただけますか?

豊:3戦目ということで、どういう走りをしてくれるか、興味というか、非常に楽しみを持って騎乗しましたが、いい走りをしてくれましたね。馬場状態が少し悪くて、その辺もどういう感じで走るのかなという、手探りなところもあったんですけど、問題なくこなしてくれました。ラストも、着差はそんなになかったですけど、きっちり勝てたことは大きかったですね。

-:そんな緩い馬場でも勝ててしまうという。クビ差、アタマ差、アタマ差と、これまでの着差は僅かなんですけど、その分、奥がまだ知れないなとファンの方は思っていると思います。その辺りはいかがでしょうか。

豊:いつもヒヤヒヤというか、差はないんですけど、きっちりと勝ったということが大事だし、大きかったと思います。その辺はやっぱり彼の持っている能力の高さだと思いますね。

-:この馬の持っている、一番良い所はどんなところなのでしょうか。

豊:そうやって必ず勝ってくれるというか、今のところは全部勝ってくれています。あと、乗っていても非常に将来性を感じるというか、持っているポテンシャルというか、何か秘めているものがある雰囲気があります。今はまだ出ていないけど、これからもっと何かあるんじゃないかなという、そういう雰囲気をもった馬ですね。

-:そういう意味で、完成途上という言葉がよく出てくるのでしょうか。

豊:まあ、そうですね。期待の大きい馬なんでね。そういう意味で、やはり現時点というか、今までの感じ以上にもっと走ってほしいという期待を込めています。そういう馬ですね。

-:具体的に、どういうところが良くなったらさらに良くなるというのはありますか?

豊:全体的にですね。まだまだ、精神面でも幼いですし、乗っていても、ラストの直線の末脚なんかもいいんですけど、もっと弾けるんじゃないかな、もっと弾けてほしいなと、そういう思いを感じる馬ですね。

-:次の舞台もいろいろと試練にはなると思います。これまで戦ってきた舞台が全て京都で、中山は初ということになります。多頭数も初、関東輸送も初。この辺りはどう捉えていらっしゃいますか?

豊:いろいろと、今まで経験していないことがたくさんあるんですけど、きさらぎ賞を勝ってすぐに、あえて皐月賞直行と陣営からそう聞いていました。決して使えなくて使っていないわけではないのでね。プラン通りのローテーションなので、そこは初めてのことが多いんですけど、クリアしてほしいと、ただそれだけですね。

-:それでは調教についてお話を伺ってまいります。まずは9日の1週前追い切り、シューッと3頭併せで最後方から2頭抜き去りまして、ラスト1Fは11秒8という好時計で最先着でした。まずは1週前から振り返っていただけますか?

豊:1週前は、前走以来に乗ったんですけど、動きとしてはすごく良かったですし、タイムもすごくよかったんですけど、若干やっぱり動きが少し重いかなと感じました。そういう意味では、今日の方が素軽い走りだったように感じますね。

-:その今日のお話ですけど、こちらも3頭併せで、後ろから2頭を追走しまして、最後は楽に1馬身先着したように見えましたけれども、どうだったでしょうか。

豊:道中も全く力まず走っていましたし、いい走りでした。ラストも、先週よりなんとなく反応も良く感じました。いい最終追い切りだったと思いますね。

-:きさらぎ賞の時よりも馬が落ち着いているということを1週前仰っていましたが、その辺りの成長は感じていらっしゃいますか?

豊:若干ですけど、少し落ち着きのない馬なので、前走後に厩舎スタッフに、その辺日頃から少し意識的に改善して行けることはしてほしいと、騎手としてのオーダーは出しました。やはりそれは先週今週と調教に乗っていい方向に来ているのは感じますし、少しずつ改善されていっていますね。

-:池江泰寿調教師との呼吸もさすがで、阿吽の呼吸なのかなと感じます。池江調教師も、武豊騎手と挑む皐月賞に非常に気持ちも高ぶっていらっしゃるように聞いています。

豊:まあ、2頭いますからね。デビュー戦から乗せてもらって、デビュー前から、非常に素質のある馬なのでクラシック行けたらいいな、という話はしていました。そういう意味では、1戦1戦いろいろと相談しながら、ここまでいい形で来たなと思いますね。

-:ディープ産駒で、出走馬中無敗なのはこの馬だけです。その中で挑む皐月賞への抱負をお願いします。

豊:強い馬たちもたくさんいますし、初めて経験する中山や多頭数という、クリアしなければいけないハードルは高いんですけど、それを克服できるだけの能力を持っている馬だと思います。不安よりも期待の方が、僕自身はすごく大きいので、なんとか1冠目を勝てたらいいと思っていますね。

≪関連リンク≫
【オリジナルインタビュー】
:池江寿厩舎所属・兼武弘調教助手への独占インタビュー。