【5回阪神】プレリュードフィズ…小平奈由木の注目新馬レポート

プレリュードフィズ
(牝2、栗東・石坂厩舎)
父:キングカメハメハ
母:マンハッタンフィズ
母父:サンデーサイレンス

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。この世代からもエアスピネル(デイリー杯2歳S)が登場。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、ラブリーデイ(宝塚記念、天皇賞・秋)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にもホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞2回、JBCクラシック、東京大賞典2回、川崎記念2回、チャンピオンズC)など、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。

母マンハッタンフィズ(その父サンデーサイレンス)は1勝したのみだが、繁殖成績は優秀。同馬の姉兄にアプリコットフィズ(クイーンC、クイーンS)、クレスコグランド(京都新聞杯)、ダービーフィズ(函館記念)ら、活躍馬がずらりと居並ぶ。祖母が英3勝のサトルチェンジ。エアスマップ(オールカマー)、マンハッタンカフェ(菊花賞、有馬記念、天皇賞・春)は叔父にあたる。社台サラブレッドクラブにて総額3200万円で募集された。

社台ファームで丁寧に基礎固めされ、7月16日、函館競馬場に入厩。31日のゲート試験をパスすると、いったん牧場に戻って成長を促す。9月14日には山元トレセンへ移動。順調にスピードメニューを消化したうえ、11月19日、栗東入りした。派手な時計は出していないものの、仕上がりは早く、着実に反応も良化。この血らしい柔軟な身のこなしからも、非凡な決め手を秘めているはず。

12月19日(土)、阪神の芝1600mにスタンバイ。池添謙一騎手が手綱を取る。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。