かねてよりコンテンツ「FEEL潤!!」に登場し、双方のファンの間で大きな話題を呼んでいた松井大輔選手と高田潤騎手の親交。そして、南アフリカ・ワールドカップ終了後は、コラボレーションを望む声が高田騎手へのメッセージに殺到!当人いわく「友情枠の乱用」によって超多忙な松井選手とスケジュール調整を取り付け、ここにメディアの前でも多くを語らない男が、その素顔をお披露目することになりました。高田騎手のペースに乗せられて、テレビの中では見たことのない松井選手が…。競馬ラボだからこそ実現した、スペシャル対談をお楽しみください。

南アフリカのワールドカップでも活躍されたサッカー日本代表の松井大輔選手をお迎えして高田潤騎手との対談を行います。松井さん、高田さんよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

競馬ラボの高田騎手ブログに松井選手がよく登場されていますが。

松:ああ、あの写真とか勝手に載せている…。

高:お前、読んでへんやろ!

松:読んでるよ。潤君のコラム、メッチャオモロい。

そもそもお二人が出会われたのはいつ頃なんですか?

高:僕が21歳で松井が20歳くらいだったかな。松井がサンガ(京都パープルサンガ)にいたときで、僕らの先輩同士が仲良くてよくジョッキーとサッカー選手で集まってメシを食べたりしていて。そういう繋がりで会って、それから良く遊ぶようになったな?

松:うん、何でか知らんけど意気投合して。俺、人見知りメッチャするんですよ。仲良いヤツとしかいたくない、というか。だからこうも早く打ち解けることは滅多にないので僕もビックリしたんですけど。一回打ち解けると凄く仲が良くなりますけど。

高:初めて会って、もう次の週くらいにはまた会ってたしな。松井が京都にいるときには、ほぼ週一で一緒にメシを食べてたもんな。

松:何かあれば「メシ食いに行こう」みたいな。

サッカーと競馬で、二人が違う仕事をしていると時間を合わせるのは難しくありませんでしたか?

松:いえ、時間帯も合っていました。僕は午前中に練習をして、夜は外出できるので。待ち合わせは、もう暗黙の了解で「どっちかが遅れる感」があるんですよ。

高:お前や(笑)!お前だけや!!

松:だから今は、まず二人でどこか一緒に行ってからご飯に行こう、と。前は僕が遅れた後は潤君が遅れたり、そういうのが多かったですね。で、「今どこ?」「今どこ?」って連絡しながら、ようやく会えるみたいな。

高:いや、そんなんじゃねえなあ(笑)。松井は1時間、2時間は平気で遅れるから。もう30分遅れとかいうレベルじゃない。インターナショナル過ぎるやろ、と(笑)。7時に会う約束をした場合、僕はその7時に用意を始めるようにしたくらいだから。

それでちょうど良い、と(笑)。松井さんとしては「申し訳ないな」という気持ちも?

松:いや、もう本当に…

高:ないないない(笑)!全くない!昔っからやし。

松井さんがフランスへ行って、そう頻繁に会えなくなっても連絡は取っていたんですか?

松:最低、月一くらいではメールかテレビ電話で連絡を取っていますよ。

高:お前、寂しがりやからな(笑)。

松:で、日本に帰ってきたときには「メシに行こう」と。

高:絶対に行くな。

松:何か…「連絡しとかなあかんかな?」的な。

高:しゃあなしで(笑)?

松:一報入れといた方がいいかなって。京都に着いた瞬間に「あ、潤君に電話をしとかなあかんよな」っていう、もう恒例の感じで。

高:会わんと、日本に帰って来たっていう感じがしいひんやろ?

松:自信過剰過ぎやろ(笑)。プラス思考過ぎでしょ。

高:俺、ポジティブやからね、かなり(笑)。そうそう、さっきの遅刻の話といえば、一回ラボのブログにも書いたけど、薔薇の話、覚えてる?

松:アハハ(笑)。覚えてるよ。

高:あれはもうハンパなく遅れたんやな?松井が3時間以上のレベルで遅刻して、テメー、いい加減にしろ!どこにいんねん!みたいな。いつ電話しても「もう着く、もう着く」言うて。それで3時間くらい遅れて来て店に到着するなり、一輪の薔薇を出して(笑)。「ゴメンゴメン、潤君」って。

紳士(笑)。

高:なんやねん、それ!って言ったら「遅れたし、お詫びで」みたいな感じで(笑)。多分、どこかの店に飾ってあった薔薇を「これ使えるわ」ってシュッと取ってきたんやろう、みたいな。それどうしたん?って聞いたら「買ってきた」って言い張って。

松:ほんまに買ってきたから!

高:それ買ってくるヒマがあったらもっと早く来れたやろ、と(笑)。でも…ほんまに買ってきたん?

松:ほんまに買ってきた。これはヤバイ、と思って。「3時間はヤバイわ~、これは久し振りに怒らせたな」と。それで途中にあった花屋で、なんぼか忘れたけどお金をバッと渡して「これちょうだい」って。ほんまに冷や汗もんで。「潤君とは完全にこれで切れたやろなあ」って。

それを解決するにはこれしかない、と、何故か薔薇を。

高:オモロ過ぎるでしょ!?日本人でそんなん…メッチャ頭に来てたけど、やっていることがオモロ過ぎてもう笑けて。「ほんまに買ってきた」って真顔で言って。またその薔薇がシナッシナになってて(笑)。花屋で松井が花を1本だけ買って、持って歩いているのを想像しただけでオモロいやん(笑)。

包み紙もなく、むき出しの薔薇を一本のみ…。

高:これで紙にでもくるまっていれば、買ってきた感はあるけど。だから俺は、買ったとは信じてないんやけどね。どっかの店からシュッと抜いてきたんちゃうか、と。

松:いや、薔薇ってそんなになかなか咲いてないから。取ろうと思って取れるもんじゃないから。

高:お詫びに薔薇を贈るって、なかなか日本人の発想として無いでしょ?ちなみにネタなん?真剣なん?

松:真剣真剣!メッチャ真剣に考えて「これはもう、これしかない」みたいな。

誠意がその形になってにじみ出てきたんだ、と。笑わしてごまかそう、みたいな気は…。

松:一切ないですよ!本気やから。ほんまなら薔薇も花束になるくらいもっとたくさん買わんとあかんのやけど。

高:花束持ってきても笑けるわ。ほんまこんなバカなことばっかしてるんですよ。

松:お花見も行ったしな。あれも面白かったなあ。ああいうのはもう恒例になってたな?春になると「花見いつ行く?」みたいな。毎年同じ場所でやって毎年同じことやって。「アユクサイ」って。

アユクサイ?

松:魚の鮎を焼いて売ってるんですけど、メッチャ臭いんですよ。鮎が棒に刺さってるんですけど、棒の部分にまで脂が付いていて、それを触った時点でもう臭い、みたいな。でも必ず買うんですけどね。

それも毎年恒例行事のひとつで(笑)。

松:毎年恒例の(笑)。八坂神社の隣にある円山公園で、な?

高:そこに行かな春来ない、みたいな。

松:何か行事が暗黙の了解みたいに決まってたよな?潤君、そういうのが大好きなんですよ。花見とか祭りとかの行事が。祇園祭りとかメッチャ好きやと思う。いつも「行事が俺を呼んでいる」的な感じやんな?

やたらとバイタリティが溢れてますね(笑)。

松:何かサッカー選手と違って面白いんですよ。発想が違うから。

高:サッカー選手は面白くないの?

松:いや、サッカー選手も面白いけど、ジョッキーは違う観点で物を見ているから面白いですよ。サッカー選手といったら笑いとかも同じ感じやけど、ジョッキーがいると笑いが違う感じになるんで。ノリが変わったり、話が笑える感じになるんですよ。

高:そうやな。ジョッキーノリってあるかもしれんな。やることがハンパなくアホやからね(笑)。

松:そのジョッキーノリがメッチャ面白い。サッカー界にはない何かを感じる。

高:ジョッキー仲間もサッカー好きやし、みんな松井のことは大好きなんですよね。結構いろんなジョッキーと遊んだりもしてるしね。

松:そうそう。ほんまジョッキーってみんなオモロいからね。でも何かこう、最終的にはいつも「潤君、遊ぼうか」って感じになんねんな。

そうなんですか。ちなみに松井さんは馬券を買ったりされないんですか?

松:買ったことないですね。僕、賭け事ダメなんです。負けるとアツくなるんで。

高:負けず嫌い過ぎて。じゃあギャンブルは手を出したらあかんねや。

松:僕が競馬にハマり過ぎると、やっぱ賭けてまうと思うんですよね。

ゴソッと。

松:だからあまり観に行かない方がいいかな、みたいな。

競馬にハマって「潤君、今度の週末は頼むよ」なんて。

松:そうなったらイヤでしょ?

高:それイヤやなあ。まあ、気まずくなるね。例えば「俺、今週自信あるから!」って言って松井がガッツリ買って。で、「レース終わったらメシ行こうや」って言って、もし負けたら、競馬は負けるわ、馬券は外れるわでメシも美味くないよな。

松:そうはなりたくないし、あんまり、何て言うんですかね…、自分としてはファン感覚で行くのがイヤなんですよね。自分もファン感覚で来られるのがイヤやから。

高:俺、ファン感覚で松井の試合を観に行ってるけどな。

松:完全にそうですからね!「松井!オマエ頑張れよ!」って。もうええし!落ち着いて、みたいな。

高:名古屋で日本代表の親善試合をやったときも観に行ったな。後輩の佐久間も「観たい」っていうから一緒に行って。松井にチケット取ってもらって、一番前の席だったんですよ。

松:一番前の席が一番うるさかった(笑)。「松井!マツイ~!」って。「…潤君、いつも会ってるやん」みたいな。

高:もう何回も観に行ってるけど、やっぱり観に行くと凄いんですよ。もうフィールドの中では別人というか。「あれ、ほんまに松井?」って。やっぱりカッコいいじゃないですか。だから僕は完全に一ファンとして試合を観ているんですよ。

松:完全に我を忘れてるよね?

高:「オラァ行っけえー!マツイイイ~!!」みたいな(笑)。でもジョッキーはみんなそうですよ。で、みんなグッズも買って。みんな同じTシャツ着て。

松:それがまたオモロいよな。

高:僕らはなりきりたいんです。どうせ観るなら完全にキメたいんですよ。中途半端はイヤなんで。完全にユニフォームも揃えて。毎回タオルも買うしね。

松:毎回売ってるものを買ってるよな。「ちょっとこれにサインして」とか。

高:だから俺、松井のサインが入ってるTシャツやユニフォームをいっぱい持ってる(笑)。サンガ、ルマン、代表…。

松:そんなにいらんやん(笑)。全部持ってるよな?あ、忘れてたワールドカップのユニフォームも今日持ってきたよ。

高:うぉーー!スゲー!「デンマーク戦」って入ってるやん!ありがとう!メッチャ嬉しいー!!

高田さんはそういうグッズを屈託なく欲しがりますね。

松:そうそう(笑)。

高:俺、もう大ファンやからね(笑)。

逆に松井さんはあまり執着がない感じで。

松:僕はユニフォームもいらないし、ワールドカップでも、誰ともユニフォーム交換をせずに帰ってきたんですけど。

あらー(笑)。

高:そこがオモロい(笑)。

ロッベンやらスナイデルやら…欲しいですよね?

松:まあエトーとか「ちょっと換えようかな」と思いましたけど、何か…もうええわ、と思って。

高:そこがスゴない?例えばアルゼンチンと試合があったらメッシと換えるやろ?俺やったら、いのイチで換えに行くね!

松:うーん「換えて」って言われたら換えるかもしれん。相手から言ってくるってことは実力を認められたってことかもしれんやん。分かる?こっちからは言いたくないし認めたくないもん。

高:あ、なるほどね。そういう意味合いもあんねや。

松井さんとしては自ら声を掛けてまで人のユニフォームは欲しくない、と。

松:そうですね。

それだけ自信、プライドがあるぞってことに繋がるんじゃないですか?

松:プライドだけは高いです。

高:松井は究極の負けず嫌いやと思うけど。

松:そうやなあ。負けたときはユニフォーム交換は絶対にしたくないもん。でも俺、変わらんやろ?ずーっと。

高:もう昔っからこのふてぶてしさ!変わらん変わらん、確かに変わらん。自分を持ってるし周りに流されへんねん。でも…、ほんまにオモロいよね。

松:それ、そのまま返したいよね(笑)。相変わらずオモロい。勉強させてもらってます。

高:今はもうそんなにないけど、20代半ばの頃は日本に帰ってくるたびに、お笑い、歌、モノとか必ずチェックして帰ってたね。

松:「潤君、今は何が流行ってんの~?」って。

高:いろいろあったね。