シゲルイルカザが叩き合いを制して新馬勝ち!

トピックス

日曜阪神5R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.40.0

シゲルイルカザ (牡2、アドマイヤマックス・栗東、五十嵐厩舎)

※※シゲルイルカザが叩き合いを制して新馬勝ち!

朝から小雨、そして直前もしっかりと降っていたが、馬場発表は良馬場で行われた。返し馬でヒシパールが放馬したが、幸いすぐに捕まって事なきを得た。前半3ハロンが38.2とスローで上がりの勝負となったのだが、好位の馬混みの中にいたシゲルイルカザが、残り1ハロンからの末脚勝負に勝った。
内ラチ沿いのニシノアプレゲールとの追い合いを制しての新馬勝ち。北海道市場210万の購買価格の同馬ではあるが、CWでの追い切りで必ず12秒台前半で来るしっかりした脚をケイコで見せていた様に、能力の高さは確かであった・・。

パドックで周回している馬を観ていて『○をつける馬がいないな~』と思えてしまう。ヒシパールがただ1頭の牝馬。それもディープインパクトの子供だけに410キロの馬体。後は軒並み大型馬で、ニシノアプレゲールがヒシに次ぐ少なさで464キロ。メイショウアカフジは馬場に入ってもノッソリしていて、やっとキャンターに移る寸前に少しだけ活気を出した程度。
そして馬体検査等があって、定刻より少し遅れてのスタート。モッサリ出たのがヒシパール、メイショウアカフジもあまり素早くない出だった。クリスクリングルが出が良かったが、それを制してカシノビッグベンが行く。シゲルイルカザもいい方の出であったが、3番手で1ハロンを通過。2ハロン通過の時には前2頭が並んで後続に少し差をつける。3番手が内にニシノアプレゲールで外にシゲルイルカザ。その直後にラシーマカミングアップとメイショウアカフジが続く。

3コーナーのカーヴに入って行く時にはペースはかなり遅くなって、後続馬との差が縮まる。ここでメイショウアカフジも6番手の外で、前からは4馬身もない位置。その後もペースは上がらず、ジワっとした流れで4コーナーと入って行く。メイショウアカフジは2列めの外。悪くない位置にいる。
そのままカーヴを廻って直線に入ってきた時は、1頭を除いた8頭がほとんどひとかたまり。
残り400のハロン棒では何が勝つのかも判らない状況。ヒシパールもメイショウアカフジの外から抜いて前へ出ようかの勢い。
残り1ハロン手前、最内のラチ沿いをニシノアプレゲール。1頭置いてシゲルイルカザ、その外がラシーマ。そして一番外をヒシパール。残念ながらメイショウアカフジはその後ろの位置で、前へと上がれる脚色ではない。
さらにその4頭の争いから内のニシノアプレゲールとシゲルイルカザの追い合いとなった。ステッキを3発入れてうながし、最後はもう流し気味でゴールを迎えたシゲルイルカザ。スローな流れで上がりだけの競馬。11.2~11.4の攻防を制したものであった。


日曜阪神6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.23.8

ディパッション (牝2、ダイワメジャー・栗東、松田博厩舎)

※※ステッキも入れずにディパッションが楽に勝つ!!

昼休みを挟んですっかり空模様が悪くなってきた。このレースの時はしっかりと雨も降ってきており、すでに馬場発表も稍重馬場となる。
軽快に逃げたダンツバーゴ。前半3ハロンを35.5で行ったが、直線に入って抜け出してきたのはディパッション。残り300の標識を目印にしているのか、北村友Jの右ステッキが1発入り追い出す。そして抜け出してゴールへ目指していったが鞍上はもうステッキを入れずじまいだった。腕をシャクる動きだけでゴール。着差以上に強い競馬内容で勝ち上がった・・。

雨で視界が悪く見えにくくなっていた。バラバラっとしたスタートの中からダンツバーゴ、ニシノモンクスが並んで行く。その後ろに最内のクインスウィーティジューヌフルール、大外サウンドアドバイスが続く。
2ハロンを過ぎると、けっこう先頭から最後方までは縦長くなった隊列。前はダンツバーゴが先頭で、半馬身差にニシノモンクスが下げる。3番手に内でクインスウィーティが続く。その外にジュンヌフルール。その後ろも差がなく続き3コーナーを廻って行く。けっこう流れていっている。むしろ4コーナー手前になると、後続がどっと追い上げて来ていた。後で見ると、ここは12.5と少し先頭グループがペースダウンを図ったようだ。
いっぺんに前と後ろの差がなくなって4コーナーのカーヴへと入って行く。ちょっとカーヴでジューヌフルールがやや外へ逃げ気味な動きを見せる。扇型に広がって直線へと入って来た。

ジューヌフルールの外へ逃げ気味な動きでパカっと開いた処を難なくディパッションが前へと抜けて来た。やや遠回りになったのがサウンドアドバイス。ジューヌフルール1頭の動きでこうも変わるのかの攻防となった様子。
そして残り300の標識を合図に追い出す各馬。反応の良さを見せ伸びて行くディパッション。後続を後目にさらに脚を伸ばして行った。内のクインスウィーティ、ニシノモンクスが追い合いとなっている処へサウンドアドバイスがやっと伸び出して、その2頭を抜いて2番手へ上がった。内2頭の争いは外ニシノモンクスが出て3着を確保。5着には関東馬セキショウが入った。

ディパッションは追い出してからしっかりとして、まだまだ余裕の感じ。ケイコでもまだ手一杯がないと思えるものだけに、まだまだ奥がありそうだ。注目しておきたい馬だ・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。