一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ジャパンカップデーは6鞍に騎乗します
2024/11/21(木)
先週はトルーマンテソーロ(4人気3着)が最高着順。状態は安定しており、上手な競馬で一生懸命に頑張ってくれました。いつも書くのですが、本当に展開や相手関係ひとつという段階まできています。ローレン(6人気4着)は追い込んだ調教を課す前のデビュー戦でしたが、それでも能力で掲示板を確保。経験や状態面などまだまだ上積みが見込めるので、次走に向けての楽しみが膨らみました。
この土曜は東京で2鞍に騎乗します。2Rのエイシンマクルーベの初戦は周りに戸惑ってなかなかハミを取ってくれませんでした。使った上積みが大きそうなタイプで、能力を感じるので前進に期待しています。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。2Rのダイタヴァルキリーは追い切りに乗せていただいてスムーズな動きでした。ただ、初戦が離されてしまっているので、ダート替わりと相まってまずは走れる目途を立ててあげたい。
5R(2歳新馬)のタイキアベンチュラは除外で延びてのデビューになりますが、今週の追い切りに乗せていただいて仕上がりの良さを感じました。素直で乗りやすくおっとりしているので、ゲートまでに上手く気持ちを持っていければと思っています。6R(2歳新馬)のシュトレームングは先週の追い切りに乗せていただいて、血統面からくる気持ちの強さを感じました。ただ、400キロを切るくらいに体が小さい馬。そのあたりが競馬に行ってどう出るかだと思っています。
7Rのグローブフェイムは春に一度乗せていただきましたが、追い切りの感触はその時よりいいですね。距離延長にも対応してくれそうで、調教どおりならもっと頑張れると思います。10Rのベラジオボッキーニは地方からの転入緒戦。追い切りの感じは悪くないので、中央2勝クラスでどのくらい頑張れるのかというところ。テンションが凄く高いので、レースに行くまでのなだめ方も課題になりそう。
あっという間の東京最終週ですが、2場開催のジャパンカップデーにこれだけ乗せていただけるのは有難いこと。来週は待ちに待った中山開催なので、勢いをつけられるように頑張ります。調教開始が7時からの時期ですが、今週は一気に寒くなりました。一頭目に乗る時はまだ暗くて人は大変ですが、大半の馬は元気一杯で、特に休み明けはなだめるのに四苦八苦。そんな季節感を楽しみながら、人馬一体になって競馬に向かっていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。