
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月4日時点1732勝
羽田盃を15年ぶり勝利!天皇賞・春はホーエリートに騎乗
2026/5/1(金)
今回のテーマは、今週末の天皇賞(春)にホーエリートとのコンビで大舞台へ向かう展望。さらに、古巣である大井競馬場で行われた羽田盃の回顧、先週のシックスペンスなどの振り返りまで、騎手の心理が垣間見えるトークを展開。週末のドラマをより深く楽しむためのヒントが詰まっています。
枠は内が欲しかったのが本音
——まず、天皇賞・春(G1)について伺っていきたいと思います。今年はホーエリートと挑みますが、枠順もすでに出ましたね。
戸崎:よろしくお願いします。枠については決して良くはないですね……。
——内が荒れていないですからね……。この馬はこれまで数多く乗られてきました。中間も乗られて一連の変遷はどうでしょうか。
戸崎:3週続けて追い切りに乗せてもらいましたが、順調にきているなと思っています。態勢は整っていますよ。1週前にしっかりやったことで上がってきた感触はあります。
——前走から比較して、この中間の変化はありますか。
戸崎:いや、特に大幅なアップダウンはないですね。劇的に変わったという訳ではなく、高いレベルを維持してくれる馬といった印象です。この馬については状態がもう一つというレースもありましたが、波のあるタイプではないと思っています。
——ちょっと枠順は好ましくない条件になってしまいました。その中で、どういった展開や条件になれば理想ですか。
戸崎:うーん、前哨戦(ダイヤモンドS)を踏まえると、もう少しリズムよく、気持ちよく走らせてあげたいですね。前走は鐙が外れる自分のミスもありましたから、余計にしっかり乗りたいですね。あとは馬を信じて、というところかなと思います。
——前回は力みの懸念もあって、動くべきところで動けなかったという結果でしたか。
戸崎:そうですね。今までそんなことなかったのですけど、絶好調というか、その分、動きづらかったです。今回は前回よりはいい意味で和らいでいるかなと感じます。
——今回に関しては、そこまで力みとか折り合い面は、気にしなくても大丈夫ですか。
戸崎:と思ってはいます。とはいえ、もともと乗り難しいタイプではありませんからね。
——近走は良馬場で走ることが多いです。今週末は天気予報コロコロ変わっています。日曜もいつから雨が降るか未知数ですが、雨が降った方がいいですか?
戸崎:そうですね。有利に働きますね。先週の京都の芝は馬場が良いというより硬いくらいに感じましたし、余計に雨が降った方がいいですね。
——改めてレースへ向けてまとめていただけますか。
戸崎:馬自体は順調にきています。タフな牝馬ですし、田島俊明厩舎と挑めるということで力が入ります。
——土曜は、本来であれば京都で騎乗予定でした。その中で東京となりましたが、ソナタンはどうでしょうか。
戸崎:勝ち上がった際は強い勝ち方してくれたので、いい結果ができればいいなと思っています。前回、僕が乗せてもらった時は少し力みましたからね。1400mになるのもいいかもしれません。あとはモマれても競馬ができるようになって欲しいです。
——ダカラフェスティヴは前回がすごい脚で追い込みました。走りに慣れた条件に戻ります。
戸崎:成長を感じる走りでした。条件も本当に良くなるので、改めて期待したいと思っています。
——(詳細は公式発表をご確認ください)京王線の駅や路線で戸崎さんの特別アナウンスが流れることになっていますが、京王の名を関した京王杯スプリングカップ(G2)はアサカラキングと挑まれます。現地観戦される方はアナウンスも要チェックですね!
戸崎:いいスピードを持っているイメージですね。同型との兼ね合いもありますが、力を引き出せればいいですね。
——日曜日の京都では、ヘリテージブルームに再び乗られます。
戸崎:勝った時はいい勝ちっぷりでした。そのイメージでいきたいなと思っています。雨が残ったとしても、この馬は合いそうですね。
——カリーシも騎乗経験がありますね。
戸崎:ハマり待ちなところはあるのかなと思うのですが、前走のように伸びてきてもいいはずです。
——アスティスプマンテは継続して乗られますね。
戸崎:こちらもしっかり走ってくれて惜しい結果でした。相手や条件次第でしょうか。
羽田盃を久々の勝利!
——そして、昨日は羽田盃(Jpn1)をフィンガーで勝利、おめでとうございました!
戸崎:ありがとうございました。
——前哨戦で水を開けられましたが、それを覆す走りでしたね。
戸崎:前走で大きく負けている馬もおり、チャレンジャーという感じで臨みました。レース前から先生とは話をしまして、前走のように内に包まれてよーいドンだとちょっと分が悪い。という考えでした。外枠もあったので「いけたらハナにもいっていい」という考えでしたね。
馬は雰囲気も良く、ゲートの中はやっぱりちょっとジッとしていないのですが、タイミングも合って出てくれましたね。道中はリズム良く気持ち良く走っていましたね。4コーナーの手応えは怪しかったですが、そこからまた二枚腰といいますか、アクションを与えて、それに対して反応して伸びてくれたという感触です。
——前回は1コーナーまでの入りも短い1700mで最内枠でした。今回は100m距離が延びて外枠ということで、かなり大型な馬だけに、のびのび走らせられたことが大きかったのでしょうか?
戸崎:そうですね。
——ただ、前回5着に敗退する結果となった勝ち馬や、3着馬もかなり競ってきました。先ほど「リズムが良かった」というお話でしたが、展開的には目標にされている感も受けました。
戸崎:前半の入りがゆっくりめで入ったので、そこで来られたのでしょうね。もう少し流して行けていれば、あんなことはなく、もっとリズム良かったかなとは思います。そこはこちらのペースの作り方次第でしたね。
——見ている方もそう思われた方が多いかもしれません。手応えの割には粘ったようにも感じました。そのあたりは見た目とのギャップというのは、どういったところにありますか?
戸崎:追って渋さといいますか、味がある馬というタイプだったのかなと感じます。
——走破時計的には、地方と中央で違いますし、昨日の稍重という馬場もあったかもしれませんが、今まで以上に詰めています。成長はありましたか。
戸崎:いや、早い段階から高いパフォーマンスを示してくれて、それを維持しているという感じです。ただ、柔らかみなどは出てきているという変化は感じます。
——これまで何度も乗られてきましたが、デキとしてアップダウンというのはありますか?
戸崎:船橋で勝った時は間隔もなくて、当時のデキが今までの中でも劣っていたかもしれません。そこに比べると、今回はかなり良くなりましたね。
——今回の走りだったら、次も期待が膨らみますね。
戸崎:あとは逃げることができれば、という感じですかね。ゲートも1歩目が遅いので。ゲートの中もうるさいですし、そのあたりはどうなのかな、という感触です。
——しかし、2000mの方が、のびのび走りやすい体列には持ち込みやすいという感じですかね。
戸崎:でも、ゲートやスタートにはまだまだ余談を許さないところはありますね。そのあたりは安定して出られるのかなというところですね。
——かなりの大型馬です。逃げというのはフットワークの問題なのか、気性的なもので合っているのでしょうか。
戸崎:厩舎によれば、「気性的な問題もある」と言っていました。追い切りで後ろから行くとちょっと交わさない、みたいな。
——だから今回はちょっとハナにこだわったと。
戸崎:僕は行けるかな…と思っていましたけどね(笑)。
——体格的な問題でそういうところがあるのかなと思ったのですけど、安定している割には、そういう気性面の理由もあるのですね。
戸崎:しかし、レースでは感じたことはないです。2番手でも勝っていたりするし、船橋では追い込んで勝っているし。
——厩舎もちゃんと調教の感覚を活かした作戦を練ってこられた、というのも大きかったということですね。田中博康先生とは結構レース前は細かく打ち合わせされるものですか?
戸崎:レースによりますが、馬の状況とか「今回はこういう感じだよ」ということは細かく報告はしてくれます。コミュニケーションは多い方だと思います。
——そして、古巣・大井競馬場の羽田盃を勝たれたのは相当久しぶりですが、どうだったでしょうか?
戸崎:ありがとうございます(笑)。こういう重賞(ダート三冠)になったからこそ、また勝つことができたので。この先の東京ダービーとかも乗ることができますし、楽しみだなと思います。
——先週の回顧では、JRAのレースではシックスペンスはマイラーズC(G2)まで乗りに行かれましたが、いかがだったでしょうか?
戸崎:バランスが気になるところでしたが、返し馬まではそのあたりすごく良くなってきていたのかなと思いました。レースの方はスタートも良い感じで切ってくれて、外枠もあったのであの位置を取るというのもできました。
道中はうまく進められたかなとは思います。直線ではちょっと横並びになったので、一旦待たされる感じで追い出しになってしまったのですけど、馬場も速かったですし、ペース的にも余計に内がやっぱり有利でしたし、ロスがあるレースにはなってしまったなとは思いました。最後も伸びてはきてくれているのですが。
——先行馬が少ないなという感じはしていました。それにしても隊列も固まっちゃったので、あの枠だとどうしても内には、という感じになりますね。厩舎サイドのコメントだと、かなり辛口評価な風に感じたのですけど、そのあたりは走りのバランスはだいぶ改善されていたのですか?
戸崎:はい、改善されていました。これなら良くなりそうですね。ただ、以前に調教で乗せてもらった時はバランスこそあまり良くなかったのですけど、筋肉の良さと柔らかみはすごく感じました。それがレースに行っちゃうと出てない感じはありますね。
今回の追い切りは乗っていないのでどうだったかわかりませんが、やはり実戦だとパドックの歩様も硬かったりしますからね。そこは何が原因でギャップがあるのかはわからないのですけど。
——ダートで乗られて芝でも乗られましたけど、事前の段階では「速い馬場が合うんじゃないか」「良馬場の方が合う」と仰ってました。乗られた上での感触はどうだったのでしょうか?
戸崎:時計がかかる良くらいが良いんですかね。戦前よりちょっと(適性が)狭まるのかなという印象になりましたね。
——レイニングはいかがだったでしょうか?
戸崎:僕的には期待していた馬で、ここまでの成績も、やっぱり走る馬だなと思っていて。今回も良い勝負できるだろうなと思っていたのですけど、少しスタートも上手くいかなくて。ポジションが後ろになってしまったのが良くなかったかなと思います。
こちらはちょっと外に張る感じありましたね。左回りの方がどちらかといえばいいでしょうね。下り坂もあんまり良くないかなと思います。
——ピックデムッシュはどうだったでしょうか?
戸崎:関係者も勝ちきれないことを感じていたようでした。道中からちょっと内に持たれるような感じで、馬の緩さも感じたかなというところです。そのあたりが結果の数字に出ているのかなって。それを補う騎乗できなかったのですけど。本来は安定して走れる馬なのかなというのはあります。
——京都ではツァレヴナで勝利されました。
戸崎:スタートも良かったのは勝因かなと思います。そのあとのレース運びは楽でしたし、最後伸びるというのは最近の傾向から感じていたので、内容は良かったと思います。
——その前の日の東京ではビーオンザカバーは出遅れもありましたが、いかがだったでしょうか?
戸崎:流れに乗れていないですね、前半が。そのあたりは懸念している部分ではあるのですが、そこが解消されれば着順も上がってくるかなというところだと思います。最後詰めているだけに、という感じですね。
——アセンブリールームは1番人気でしたが、こちらは人気に反する結果でした。
戸崎:期待してはいましたけど、展開にちょっとやられてしまったなという。スローでどうともできないというか、ペースもつかみづらいというか。普通のペースではなかったですし。
——ルージュアストレアは距離を短縮しましたが、もっと短くていいくらいですか。
戸崎:前半やっぱりムキになっているところはあるなというところで、リラックスできてなかったですね。それが最後に伸びあぐねたところだと思います。今なら1200mでも良さそうな気はします。
返し馬とかではすごく良くなってきていましたし、雰囲気も良かったので期待はしていたのですけど、スイッチが入りやすいところは拭えてないところはありますね。
——来週ですが、園田の兵庫チャンピオンシップはサトノボヤージュに挑まれると思いますが、こちらはどうでしょうか。
戸崎:期待している馬ですし、レースも上手な馬ですから期待しています。コース形態は変わりますが、能力でカバーしてほしいですね。
——次週はエプソムC(G3)でステレンボッシュ、NHKマイルCでアスクイキゴミに騎乗。藤原英昭厩舎の管理馬でG1に挑まれるのは久しぶりですが、追い切りにも騎乗されるとのこと。ヴィクトリアマイル(G1)もジョスランに騎乗することが発表されました。今週もありがとうございました!
戸崎:はい、ありがとうございました。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングという快挙を達成した。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネル「戸崎圭太のベリベリチャンネル」を開設。






