
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
馬に乗れる幸せをかみ締めて
2015/2/12(木)


この土曜は東京で7鞍に騎乗します。クイーンカップのホワイトウインドは競馬が上手な馬で、格上挑戦とはいえ、そんなに差はないと思っています。キャリアは6戦でもまだ良くなっている印象があるので、持ち前の先行力を生かして上位進出を狙います。5R(新馬)のアキトジュピターは今週水曜に初めて追い切りに乗せていただきましたが、凄く背中の感触がいい馬です。まだ性格が子供っぽい部分はあるものの、走ってくるという手応えは感じました。12Rのコスモスターターの前走は、久々でも上手く立ち回ってくれました。東京で上がり勝負になると分が悪くなりそうなので、コース取りなどで弱点をカバーしながら乗るつもりです。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。共同通信杯のコスモナインボールは、ここ2戦は右回りで持ち味が発揮できなかったという印象です。今回は3勝している左回りで長くいい脚を使えるはず。自分の中で勝ちパターンのイメージはあるので、強敵相手に思い切り挑みたいですね。1Rのトウショウチャートは休む前の2戦が芳しくないのですが、新潟後の東京連戦で疲れがあったのかもしれません。休養が良いリフレッシュになっていれば、もっと走れていいはずです。2R(新馬)のサルビアは追い切りに乗せていただきましたが、気が良くていかにも新馬向きという雰囲気。本数もやれているようなので、いきなりから期待しています。6Rのコスモキーマンはこの中間も凄くいい走りをしています。性格が良くて、馬自身が一生懸命に走ろうとするので、そこを上手く抜いて、もう一脚使わせるような競馬をしてあげたいです。前走は厳しい展開だったと思いますし、500万でも十分に戦える馬ですよ。

東京開催に替わってまだ勝ち星があげられず、ここのところ悩んでいる自分もいるのですが、吐く息も白い中で毎朝馬に跨っていると、健康でいられることに喜びを感じて、ふと幸せになれる瞬間があります。関係者、ファンの皆さんからの期待も常々感じていますし、勝つことが一番の薬なので、今週こそはいい結果を残せるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。