一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
力が入る土日ハンデ重賞
2015/3/12(木)
この土曜は中京で7鞍に騎乗します。中日新聞杯のマイネルミラノに乗りに行くため。小倉で一生懸命に走った後は輸送も相まって少し反動があったようですが、追い切りに乗せていただいた今週は、そういった疲れも感じさせずにいつものミラノでした。今回も前半で急かせるつもりはないので、ジワッと進めて中京コースなりの乗り方というか、長くいい脚を使わせてあげたいです。1Rのマイネルヴォーダンは4度目の騎乗で好走パターンが掴めてきました。モマれずスムーズな競馬を心がけて初勝利を狙います。
中山に戻って日曜は11鞍に騎乗します。中山牝馬Sのマイネグレヴィルはハンデ、中山コース、崩れそうな天候と条件が揃っていますね。いつものように調教は厩舎にお任せしていますが好調とのことで、展開などかみ合えばチャンスもあると思います。東風S(10R)のマイネルホウオウはずっと調教に乗っていますが、久々を使った後も脚元は問題なく順調に来ています。息遣いも良くなって上積みは間違いないので、2勝しているコース適性、G1馬の底力で頑張ってくれるでしょう。
2Rのコスモポッポは安定してしっかり走れるようになっており、中山替わりは問題ありません。自分の型ができてきたタイミングで、勝たせてあげたい一戦です。5Rのウインセイヴィアはレース内容の進境が著しくて中山向きというイメージ。展開次第でチャンスがありそうです。一方、6Rのコスモヨハネはどういう型がいいのかを模索している段階。気性も簡単な馬ではないので、出たなりのポジションから前進を狙います。9Rのコスモドームの前走は、直線で詰まってしまった分の大敗。1200mの差しでいい競馬ができているので、先入観を持たずに一発を狙います。流れが向けば、1000万でもそう差はないはずです。
休日の月曜は、これまでに二度ほど書いた箱根の岩清水さんまで蕎麦を食べに行ってきました。その帰りには築地で寿司という黄金パターン。完全にハマッてしまってます……。趣味の美術館巡りもそうですが、やっぱり好きなことをやる、好きなものを観る、好きな物を食べることが一番のリフレッシュになりますね。大手を振って新しいことにもトライできるよう、大好きな競馬でまずは精一杯頑張ります!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。