一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
記憶に残る週末にしたい理由
2015/3/19(木)
中日新聞杯のマイネルミラノも好枠から理想の流れに持ち込めました。あと一歩でしたが、中京の直線は急坂があってあそこからが長いですね。ただ、どこかで重賞は勝てる馬だという確信を得ることができました。中山牝馬Sのマイネグレヴィルは雨馬場でやりたかったです。変わってしまった天気予報を恨めしく思ったほどで、それに尽きますね。最高の条件だっただけに残念です。東風Sのマイネルホウオウは使われた分の上積みが大きくて、復調を感じることができました。今のところ脚元は問題なさそうなので、順調にさえ行ければ大きな舞台で頑張ってくれると思います。
この土曜は中山で9鞍に騎乗します。フラワーCのアフェクシオンは、どうしても一生懸命になってしまう馬なので、1800mで上手くなだめながら走らせてあげられるかがポイント。中山コースは合っていて、同じ500万の馬も結構いるので、力を出し切れれば重賞でも見劣らないと思っています。4Rのウインマハロの前走は外枠が堪えてしまったという印象。ロスなく運べれば、さらに差のないレースができるはずです。9Rのコスモエルデストは二度使って調教の動きが抜群で絶好調。どうしても休み明けは走れないところがあるんです。中山マイルも問題ないので、改めて期待しています。10Rのマイネルバウンスは、前回乗った時に外枠で壁が作れず、終始力んで走らせてしまった分だけ息切れしていまいました。前走でも巻き返していますし、前に馬を置いて内に入れていければ、際どい勝負ができそうなイメージです。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。3Rのサスナーアディーンは、前走でゲートを全く出ませんでした。スタートさえ決めて流れに乗っていければ、いい競馬ができると思っています。6Rのホワイトウインドは中山コースでは上手に競馬ができる馬。調子落ちなく毎回堅実に走ってくれるので、自己条件に戻れば十分にチャンスです。7Rのマッチレスヒーローの前走は着差以上に相手が強かったという印象。このクラスでの力上位は明らかですし、2400mも問題ないのでここは何とか決めたいです。8Rのコスモスターターは乗り難しい面があるのですが、前走の東京コースに比べれば中山コースのほうが合っている馬。脚の使い所に気をつけて巻き返したいところです。
この更新後の金曜日は、朝の調教後に急いで支度して、ビデオカメラを抱えて娘の卒業式(小学校)に行ってきます。思い起こせば色々とありましたが、それよりもあっという間の六年間でした。地元の中学校に進学するのですが、それでも感慨深いものがありますね。また頑張ろうというパワーを存分にもらってから調整ルーム、そして週末の競馬へと向かいます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。